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| 2002年11月27日(水) ■ |
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| こんなエールの贈り方 |
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オリックスの川口投手は、どうやら来季も現役でいられるようだ。気になって覗いた某野球サイトの戦力外通告や任意引退の欄に彼の名前はなかった。ほっとした。
彼が京都・平安高校のエースとして、甲子園に出たのは多くの野球ファンがご存じだと思う。夏は準優勝で、それでも「なんや優勝すると思ってたのに…」などと心の奥で舌打ちをしていたのは、きっと私だけではないはず。当時の平安はそれほど強く、川口投手はそこまでいわせるほどすごかった。
そんな川口投手と京都大会で最後に対決したのが、東山だった。当時の東山は今以上に強かった。でも、平安に一度も勝ったことがなかった。結局、2−7で敗退。一時は2−3と迫ったのだが、結局追いつくことが出来なかった。選手たちの手元は掌にのる程度の小さな銀メダルが残った。
このときのメンバーで内野を守っていた選手の親御さんから、こんな話を聞いた。 秋、彼は大学受験に挑んだ。試験科目は、小論文と面接。その面接の際に夏の大会で川口投手と対戦したことを話し、教官に関心をぐっと引き寄せた。教官は、「川口投手に何か言いたいこと、ありますか?」と彼に聞いた。彼は答えた。
「実際対戦してみて、やっぱりすごいと思いました。プロに行ってもがんばって欲しいと思いました」
結果、彼は合格した。本人に届くわけでもないし、面接官ももはや覚えていない話だ。でも、こんなエールがあってもいい。たとえ、それが受験の点数稼ぎだったとしても、だ。 話を聞いた父兄さんとは縁が途絶えて、以後一度も会っていない。だから彼が今どうしているかはわからないが、今、川口投手をどういう思いで見ているのだろう。それだけは気になる。
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