初日 最新 目次 MAIL HOME


あるこのつれづれ野球日記
あるこ
MAIL
HOME

2002年11月17日(日)
もうすぐ結婚する友のこと


 友人が、来春結婚する。式に招待されており、出席しようと思っている。この年頃なら、多くの方が経験されていることだろう。ところが、今回はちょっと勝手が違う。結婚するのは、男友達だからだ。

 相手の女性が良く思わないだろうし、男友達が結婚しても、式には呼ばれないだろうと思っていた。ちょっと淋しい気もするが、逆の立場に立ってみるとそれも仕方ないかなと思っていた。ところが、彼は違った。まだ彼が“男女のおつきあい”というものをたしなむ前にそういう話になったのだが、そのとき、彼はきっぱりこう言い放った。「そんなこと気にする子とはつきあわない」。うれしかったし、きっとそういう子は彼には似合わないように思えた。

 彼とは大学時代からのつきあいだが、甘えさせてもらっていたと思う。純粋に優しい。料理はうまいし、よく気がつく。そういや、会社つとめしてたころ、「もう仕事辞めんねん」と愚痴る私に延々つき合ってくれた。でも、逆に彼が失恋したときは、一緒に酒をかわして、話を聞いたからおあいこなんだけど。

 そんな彼が結婚する。最近、どんどんあか抜けていくのがわかったし、優しさだけではなく意志の強さを随所にのぞかせるようになった。実は昨日から彼の家で学生時代の友人と遊んでいた。今日、新居となるマンションのモデルルームを見に行った。35年ローンで購入したとのこと。聞いてびっくりした。これまで生きてきた月日よりも長い!結婚って、やっぱり“生きる覚悟を決める”こととイコールで結ばれると思った。

 彼の結婚は嬉しい。今から相手の女性がどんな人か会えるのが楽しみだ。もちろん、彼とは今後もずっと友達だが、「結婚後も変らぬおつきあいを」という言葉を私は信じていない。だから、それによって失うものを思うと、ちょっと名残惜しい。たまり場化しているワンルーム、オリジナル料理、突然電話をかけても酒につきあってくれるパートナー、プレステで「桃鉄」に燃えること、押入いっぱいにあるマンガ図書館、そして風を受けて走るバイクの後部席…。

 以前、こんなことがあった。彼の家でのオールナイト2日目の早朝、急遽1時間後に東山の試合が入った。試合の会場と彼の家の距離を考えると、どうあがいても間に合わない。そんなとき、寝ぼけ眼の彼が起きあがり、「駅までバイクで送る」と言ってくれたのだ、お言葉に甘えることにした。早朝の河原町通を爆走した。便のいい駅で降ろしてもらったので、「ありがとう、朝からごめんな」と言うと、「かまへんって、これが自分の本職やろ」と言って小さく笑っていた。モノの分かる友を持てて幸せだなと思った。