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あるこのつれづれ野球日記
あるこ
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2002年10月08日(火)
鎮静剤


 少し前のことだが、友人に「自分にとって、甲子園って何?」と訊かれ、驚いた。それは、私に関係ない類の質問だと思ったからだ。おそらく彼女は、今夏の意識して訊いてきたんだと思うが、それをちょっと考えてみた。そして、たどりついた結論は、タイトルにもした鎮静剤。

 私はお世辞でも気が長いとは言えず、端から見ると取るに足らないことでもすごく腹が立って、一日中そのことが離れなかったりする。(冷静に考えれば、自分が腹を立てる必要のあることなど、ほとんどないのだが)

 ところが、今夏、甲子園で応援校の勇姿が見れたこと、いやそれだけではないそれに至るまでの試合をも含む出来事で、私はいろいろなことが許せるようになった。

 許せると言っても、腹が立たなくなったわけではない。ひと夏の経験で、そこまで大人にはなれやしない。ただ、ふと今夏のことを思うと、怒りがすっと引いていくようになったのだ。イライラしたときに飲むコーヒーのように余計な力が抜ける。

 ある人が言った。「腹を立てるなというのは無理だが、その腹を立てている状態をより短くすることならできる」と。いい処方箋を手に入れたと思う。