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あるこのつれづれ野球日記
あるこ
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2002年09月24日(火)
「いらん」って言ってしもた。


 巨人が、我が聖地・甲子園でセ・リーグ優勝を決めた。サヨナラ負けして胴上げっていう世にも珍しい光景で、胴上げどころか原監督のインタビューまでしっかり聞いてしまっていた。巨人のことは興味がないのでよくわからないが、ずっと一軍半でくすぶっていた若手生え抜き選手の起用が優勝の一因であると聞いた。そんな選手達の中に、プロ5年目の内野手・川中基嗣という選手がいる。

 実はこの川中選手、ご本人と面識はないが小中学の先輩だ。実家がどこにあるかは知らないが、親御さんがオーナーをしているセンター街(?)で、しばしば食料品を買うこともある。要するに、もっともご近所さんの現役プロ野球選手(川中という名字は珍しいと言う人もいるが、うちの地元ではクラスに1人はいたほど、メジャーだった)というわけだ。

 97年のドラフト2位で巨人に入団。次の日の朝、父はスポーツ新聞を買いに近くのコンビニに走った。うちの父は、男性の典型的アイテムともいえるスポーツ新聞を読まない。ギャンブルに興味がないからかもしれない。そんな父が自らの意志で新聞を購入するのは、松田聖子の離婚騒動以来2回目(なんで松田聖子なのかはようわからんが)。恐るべし、川中パワー。別に関係ない人やのに、「わ、載ってる、載ってる、来年からは巨人を見なあかんなあ」と母までがはしゃぐ始末。有名になったら親戚や友人・知人が増えるというが、コトの発端はこんな感じなんだろう。

 実は、この川中選手、東山のOBである。だから、グランド近くの喫茶店や飲食店に入ると、壁に岡島投手のと並んでサインが飾ってある。追っかけ歴11年の私だが、残念ながら川中選手の現役時代を知らない。初めて見た東山の試合は、彼が引退した直後のチームのものだ。

 しかし、父兄さんや近所の人から彼の噂はきいていた。「東洋大学に行ってる川中っていうのが、東山のOBでな、プロに行くんちゃうか」「川中は、結局社会人に行くみたいや。2年後逆指名かな」「巨人に決まったみたいやな。岡島と一緒やな」、そんな言葉が耳に入ってはきていた。しかし、いかんせん知らない選手。それも追っかけ以前の選手で、私は彼に興味を持つのはいささか無責任なようで、自分の中ではプライド問題にまで発展していた。

 そんな私が、「川中のサイン、いるか?」と言われて、首を縦にするわけがない。ともきちと2人で、1秒の猶予も許さず「いらん」。戦力が過剰に豊富な巨人で、いくら東山の偉大な先輩でもやっていけるわけがない。飼い殺しされるで。そう思っていたが、今となっては、ちょっと惜しいことしたかな…と思う。いや、ほんまのほんまに、ちょっとだけ、なんやけど。