
|
 |
| 2002年09月09日(月) ■ |
 |
| THE体育会系 |
 |
いやあ、今日の現場はえげつなかった。ありえへん。胃が痛い。ごはんが喉を通らない。あんな緊張感、おそらく初めて。
今の仕事は毎日違う現場(お店)を回って棚卸しをするのですが、店によっていろいろな特徴があります。一月が経ち、普通ならちょっと慣れたかな?という頃なんですが、今日の現場でそれも一気に御破算。
現場は雑貨の某チェーン店。以前、ここのバイトの研修のドキュメンタリーを見ていて、「おっそろしく厳しいとこやなあ」と人事のように見ていたのですが、まさか自分がこんな形で巻き込まれるだなんて…。厳しいのは社員に対してだけではなく、私たち業者に対しても同じなのです。また、ひどい間違いをすると店から追い出されるらしく、行きしなの車の中でもみんな憂鬱そうでした。
簡単にいうと、体育会系。挨拶も「おはよぉーごさいまぁーーすっ!!」と突き刺さるような叫び声。朝礼があり厳しい指示が飛び、上司が「よろしいですか!」と叫ぶ(「言う」ではない)と、みんな一斉に「はいっ」と叫び返します。中には、顔が赤くなるまで大声を張り上げてる人がいて、度肝抜かれる思いでした。さっきまで気怠くたばこを吹かしていた人も、たわいもないギャグを言って笑っていた女の子も、何か質問するとだるそうに応対する人も、みんな一様に「はいっ!」。不覚ながら、笑えてくる。でも油断すると「てめえ」よばわりで怒られるので、ぐっと唇をかみしめる。
そんな現場なので、普段はつれない上司もしっかり教えてくれるのです。普段は鋼鉄人間のようだと思っていた人が、こういうピリピリした現場ではお母さんみたいに思えるから不思議。
それなのに、ミスをしてしまいました。誰がどこをやったか、責任が明確になっているため、当然呼び出されます。100畳以上はあろうかという広いフロアーに自分の名前が響き渡ります。イコール何かしでかしたということは、みな暗黙の了解。「はーい!」とそれなりの声を出してはみましたたが、足取りは重い。何度も確認をしたし、一つ一つきちんと数えたはずやのになんで??
「この商品とこの商品は別もんや、一緒に数えてるんちゃう?」とのこと。コーヒーカップと下のお皿、一緒に乗っていたからセットだと上司が言っていたので、そのまま数えていたのだが、どうやら違ったみたいだ。「あ、すみません」。人からの指摘にはすばやく謝る。社会人になって身に付けたテクニック。ところが…。
「自分、それわかってて、言ってんの?とりあえず謝ればいっていうもんとちゃうで。あいづちの“すみません”やったらいらん。そんなんやったら、帰らすぞ、こら」
ひぃ〜、お代官さまぁ〜!!
鬼軍曹という言葉がまさにピッタリ。でかいミスをしていなかったので、まさか自分が店内追い出されターゲットになるとは…。やばい、やばい。心の中で冷や汗を拭きながら、思った以上に冷静になぜ私が謝ったかを説明することが出来た。すると、「それやったらいいんやけど」と言いながらも、「人の話を最後まできちんと聞いてからにしんと、いい加減に聞き流してると思うやんけ」と小声でつぶやいていました。ま、それもごもっともだと思うのですが、こういう人に限って、「わかってるんやったら、素直に謝ったらどうや」みたいなことを言うんだろうな。ほんま、困ったちゃんやねんから。
高校野球の練習とか試合を見ていると、指導者から指摘を受けた選手は、即「はいっ!」と返事をする。最初は「高校生はキビキビしてえらいなあ」と思っていたが、今は純粋にそうは思えない。もし私が高校球児だったら、とりあえず返事をしとけば楽になれると思う。そして、即返事をすることによって、必要以上に叱られないようにすると思う。自分のためだとは思うけど、やっぱり叱られるのはイヤだ。 逆に、もし私が指導者だったら、そんな選手に「何が“はい”だ?」と訊いてやりたいと思う。余計なお世話かもしれないけど、指導者の方ってそこらへんどう思ってるんだろう。それか“まず返事ありき”というのは体育会系なんだろうか。私にはわからない。けど、今日の仕事を通して、そんなことを考えてみた。
高校球児の声だしはかっこいいのだが、実際自分がやる声出しには何か違和感を感じてしまった。私、もし男の子に生まれていても、野球はしていないかも。
|
|