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あるこのつれづれ野球日記
あるこ
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2002年08月03日(土)
なんでもあるのに、何もない。


 長い夢から覚めたような朦朧とした気分の中、今日から新しい仕事が始まった。登録制で、棚卸しを専門にやる仕事らしい。朝早くから会社に集合し、ドライバーさんの運転する車で郊外の現場に向かう。現場は主にスーパーやデパート、コンビニや本屋。

 それにしても、心身共に疲れた。ま、初めてやることは何かと疲れるものだけど。

 仕事は店内にある商品の数を数えて、その数を腰につけた機械に入力するのだが、慣れない私は入力するたびに、いちいち機会を見てあっているか確認しなければならないので、その作業で偏頭痛になってしまった(慣れたらブランドタッチでいけるらしいけど)。

 その上、車の運転は絶望的に粗く、必死で吐き気と闘っていた。それにしても、車での移動で2時間、家と会社の往復で1時間強、の計3時間強。移動費と交通費が出ているとはいえ、なんか時間がもったいないなあと思ってしまった。

 私は、仕事が終わったら、1分1秒でも早く仕事から切り離れた世界にいたいので、この移動時間はなかなか苦痛。朝6時出発、夜8時帰宅。世の会社員の皆さんには申し訳ないが、半日以上も拘束されているなんて、頭がいかれてしまそう。2日連続では出来ない仕事だなと思っていたら、会社の人に「自分、明日も入っているし」と言われた。最悪…。 

 
 とはいえ、仕事内容自体はそんなに難しくないし、チームワークを要求されないので、楽でいい。また、たくさんの商品を目にしたり、通り過ぎていく人の声が耳に入ってくるので、文章を書く上ではなかなかいい環境だと思った。ただ、店員と勘違いしたおばあちゃんやおじいちゃんに、「あめちゃんはどこにあるの?」とか「らっきょはないのか」と聞かれるのは勘弁して欲しいけど。

 棚卸しをしていて痛感したのは、「ああ、スーパーってこんなにたくさんの商品が置いてあるんだ」ということ。今日行ったスーパーは、2階建の小規模な店。地元の人が日用品を買いに来る程度のレベルなのだが、スペースの割に抱負な商品アイテムに驚いた。調味料一つにせよ、「何が違うねん」と思うくらい似たような商品がある。キャットフードの豊富さにも驚いた。

 私の地元にはこれくらいの規模、あるいはこれ以上の規模の店があるが、実際はなかなか足を運ばない。もちろん、私自身が家事をしないからというのが大きな理由ではあるが、「欲しいものがない」というイメージがある。今までの経験で学習してしまったのかもしれない。

 たとえ何千何万の商品を取りそろえていても、今欲しいもの、ただそれがないだけで、その店は“来た価値のない場所”に成り下がってしまう。そして、それは「欲しいものがない」→「品数がそろってない」→「何もない」というイメージに飛躍してしまう。なんでもあるというのは、欲しいものがあるということを可能にする確率が高いに過ぎないのだ。

 昨今、プロ野球のファンサービスについて、あれこれと議論されている。特にパ・リーグの球団は熱心で、普段セ・リーグのタイガース戦しか観戦しない私がたまにパ・リーグの試合を見に行くと、そのサービスの豊富さや配慮の細かさに驚いてしまう。それでも、非常に申し訳ないのだが、今のところ、積極的にパ・リーグの野球を見に行こうという自分がいない。そこは、私にとって商品は豊富だけど、欲しいものが見つからない店と似ている。