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| 2002年08月02日(金) ■ |
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| 集合写真 |
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今日は、鳴尾浜臨海公園野球場で行われた公開練習を見に行きました。小規模な球場ではありますが、内野の土は甲子園と同じものですし、またセンターが120m(京都大会のメイン球場・西京極より深い!)となかなかのものでした。にも拘わらず、グランドと観客席との距離が近く、カメラマンにとっては絶好の撮影スポットだったことでしょう。
我らが応援校の練習は、3時から始まりました。前に練習していた高校がグランド整備をする際、ちょっと水を撒きすぎたようで、内野には小さな水たまりが。ああ、それでなくても内野の守備力が問題なのに…。
当たり前なのですが、練習は、言葉が悪いのですが所詮練習なのです。特別なことは何もありません。甲子園に出るからと言って特別に何をするでもありません。でも、練習グランドにすら入れず体育座りして見ている部員がいたり、あちらこちらでカメラの目が彼らを追いかけていました。
練習時間は全て守備と走塁に費やされ、打撃練習は一切ありませんでした。特に目立ったのは、バント処理の練習。実は京都大会でも、相手がバントしてきて、アウトを取れないということが何度となくありました。守備は相変わらずいいとは言えません。帰宅後見た地元のTV局のニュースでは、「内野守備の課題が浮き彫りに…」と言っていましたが、正直私はちょっとホッとしました。練習でするエラーはOK。人間、失敗は付き物。大事なのはその後なのだよ、とか思ったり。
1時間の練習が終わり、球場外のベンチに佇んでいました。数メーター向こうでは、選手や監督が取材を受けています。私はおのぼりさん観光客状態で、そんな光景を写真に納めました。すると、奥で集合写真の撮影が始まるようでした。私は、「よっしゃ、取材陣になりすまして乱入してやる」ともくろんで、リュックの中からデジカメを取り出しました。
するとそのとき、反対側の出口からトボトボ球場を後にする背番号のない選手たちを視界の端に入ってきたのです。私は、何度も両方を見比べたあと、こう思いました。
こんなの、集合写真じゃないや。 いや、これは傲慢な言い方ですね。 これは、私が撮りたい集合写真じゃない。 これが正解。
背番号のついた選手とそうでない選手を同じように扱って欲しいなどとは言いません。差別ではなく、区別があるのは当然だと考えます。だから、背番号のついている選手だけの集合写真に対して、批判も文句もありません。ただ、私がシャッターを押そうと思わないだけです。
こんなことがありました。
ある日、父兄さんが私にご自分が撮影された写真をくださいました。練習試合の風景や6月末に行われた激励会での写真など数枚。そこに添えられていた手紙にこう書いてあったのです。
“当日、○○君が欠席していたことがわかりました。全員が写っ ていないので、インターネットには載せないでくださいね”
それ以来、この一文が頭から離れませんでした。結果論ですが、このチームがここまで勝ち進んだ伏線中の伏線のだったように思えてなりません。
追伸:取材を受ける選手を見ていると、側に女の子(そこそこかわいい)が数人いました。まさかこのチームの誰かのファン?んなわけないか。とか思っていたのですが、結局選手が球場を後にするときに、その中の一人が小走りで某選手に何か手紙のようなものを渡していました。当人は、それこそキツネにつままれたような表情をしていましたが(びっくりしたんだろうね)、周りでは拍手が起こっていました。ああ、みんな、高校生やねんなあと改めて痛感させられたシーンでした。
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