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あるこのつれづれ野球日記
あるこ
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2002年07月30日(火)
ホンネ


 応援校が甲子園出場を決めました。まだ実感がありませんが、その事実を徐々に受け止めつつあります。今朝は出勤前に朝日新聞とスポーツ新聞を1部購入しました。変な気分です。選手の誕生日や好きな球団や選手が載っているのです。キャハハ、うそ〜ん。なんか有名人みたい〜。そんなことにうつつを抜かしていたら、一度教わった仕事内容をものの見事に忘れていました。人ってこんな忘れるんやと思えるくらいに。


 さて。そんな私がこの事実を受け、最初に思ったこと。それは、「これでやっと楽になれる」でした。ああ、これで夏の大会に合わせて仕事を休んだり辞めたりしなくてもいい。夏が終わることに悲観的にならなくて済む。甲子園にこだわって野球を見る必要もない。もういつ辞めてもいいや、追っかけ。そうや、結婚しよか。あとは他の人に任せた。がんばってください。もう思い残すことはありません。選手には「ありがとう!」なんていうツヤのある健康的な言葉じゃなく、「ほんま、おおきにな…」と息絶え絶えに言付けたい気分。

 試合が終わったあと、閉会式もそこそこに球場を出た。五条にあるファミリーレストランに入り、ともきちとビールをチビチビ飲んでいた。こんなはずじゃなかった。半分あり得ないと思いながらも、もしも応援校が甲子園に出場したらというシチュエーションを想像することはあった。そのときは、応援スタンドを陣取り、父兄さんとかにも誰彼かまわず挨拶をして回り、悦びを分かち合おう。選手の写真とか撮って、そのあとは三条にでも繰り出して、酒を浴びるほど飲もうなどと考えていたのだ。でも、そうなるにはあまりに年月が経ち過ぎていた。だから、今の私たちにはこれが一番似合っている。

 うれしい、うれしいんやけど…。
 私とともきちの間で、何度も口についた言葉。きっと、彼らは私たちがいてもいなくても、こうなっていただろうし、私たちが何をしたわけでもない。それなのに、何故こんなに必死になっているだろう。それがむなしかったりする。

 夏は終わったと思う。最高の形で。
 試合終了後の球場を眺めながら、何故か♪夕焼け小焼けの赤トンボ〜の歌を歌いたくなった。

 甲子園に応援に行かなな、と声をかけてくださる方もいる。でも、私にはもうそんな気力残っていない。あの大舞台で、たくさんの人に見守られて試合をする選手たちを見ると、哀しくて、虚しくて、泣いてしまうかもしれない。それは、あまりよろしくない。それに選手のがんばりを見ていると、私がすべきことはアルプススタンドでの声援ではなく、郊外で黙々とマシーンを打ち込む仕事なんだとしみじみ痛感させられる。