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あるこのつれづれ野球日記
あるこ
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2002年07月27日(土)
ささやかな武器

 
 昨日の話で恐縮ですが。

 すでに、みなさんがご存じの通り、昨日の第四試合で平安高校が福知山成美高校に0ー8でコールド負けしました。実は、大会前から優勝候補の一角に挙げられていた同校ですが、京都の高校野球ファンの間では「立ち上がり、もしくは一巡目で得点できれば、勝てるのではないか」ということがささやかれていました。

 しかし、いかんせん好投手を擁し、強豪の平安。作戦が分かっていても、実行に移すことはたやすくありません。実際、わかっていながらも敗れていく高校をいくつも目の当たりにしています。しかし、それをみごとに実践したのが昨日の福知山成美でした。

 初回、いきなりホームランが飛び出し、これが平安の大会初失点。続く2回には積極的な走塁で2点目を陥れたのですが、平安相手に誰一人気後れを感じていないようでした。むしろ、上から見下ろしているような貫禄すらありました。自信というものなのでしょうか?

 エースの安達投手は思ったより小柄で、少年っぽさを残した顔をしていました。三振をうばったり、チームメイトがヒットを打ったりすると、マウンドで、ベンチ前で、体一杯に喜びを表していました。平安相手にたくさんの三振を奪い、ヒットもそれほど打たれてなかったように思います。純粋に「いいボール投げるなあ」と思いました。残念ながらそれを説明する具体的な語彙を持ち合わせてはいないのですが。見ていると、思わず応援したくなる雰囲気を漂わせています。

 私が一番印象に残った選手は、セカンドの萩野選手です。全身これバネといった動きには目を奪われます。ゴロを処理するときやボール回しのときなどのふとした仕草がはじけてるなあと思ったのです。セカンドの土の下にバネでも組み込まれているんじゃないかと思ったくらいです。ヒットも打っていたし、走塁も積極的。ベンチに戻っていく顔をちらっと見たのですが、度胸ありそうやなという印象を持ちました。ま、応援校のセカンドも負けてはいませんがね(苦笑)。

 快勝したにも拘わらず、浮かない顔をした選手が一人いました。チームは勝ったけど、自身の結果に納得がいかなかったのでしょうか。わかりませんが、こういう選手の存在、実は大事だと思うのです。チームは一致団結していなければいけないのですが、視点の違う選手がいることで乗り越えられるピンチもあるのです(ま、明日は勘弁して欲しいのですが(^^;))。

 それにしても、こんなチームと明日どういう試合をするのでしょう。怖いような、楽しみなような…。きっとどんな強いチームにだって、ピンポイント的欠点があるはず。それは一体どこ?そして、応援校の首脳陣はどこまで把握しているのだろう。疑問はつきません。

 形勢不利は間違いありません。今までに増して地力のある強いチームだということも実感しました。スタンドでゲームを見守っていた選手たちはどう思っているんでしょうね?

 でも、ここまで勝ち上がれたからこそ、強いチームを対戦できるのです。挑戦者の気持ちで、というより実際ほんまに挑戦者なのだから、チームを支える“攻めの気持ち”で試合に挑むことができるます。実は、これこそささやかながら大きな武器なのではないかなと思ったりしています。

 いい試合になりますように!


追伸:ゲームセットの瞬間、一塁コーチャーボックスにいた高塚選手を見ていました。後ろポケットにスプレーを入れていた彼はゲームセットの瞬間、がっくりと肩を落としていました。アクションの小ささが余計胸に迫ります。