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| 2002年06月22日(土) ■ |
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| “れんさはんのう” |
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縁あって、少年野球の練習というものを見ることが出来た。意外に思われるかもしれないが、実は初めての経験だ。
今日は、友人のナビつきで、某高校のグランド訪問をしたのだが、野球部員の姿がないうえ、立地条件からものすごく撮影のしにくい場所で苦戦した。
そんな私に友人が、側にある公園からの撮影を勧めてくれたので、無事撮影することが出来た。ぬけるような青空に風が心地いい。私たちはたわいもないことを話ながら、しばらくそこで佇んでいた。
すると、後方から打球音や歓声が聞こえる。
…野球?
私は、瞬間的に姿勢を正して、音のする方を見た。数メーター後方にグランドがあり、ユニフォーム姿が見えた。
野球部はここで練習しているの?
しかし、ちょっと様子が違う。よくよく見てみると、少年野球のようだ。私は友人に言って、側まで行ってみることにした。
公園のちょっと奥まった場所で、2つの少年野球チームが練習をしていた。ユニフォーム姿の大人の大きさがすごく目立つ。それだけ、小さい子が多い。
目の前をうろつかれたら蹴飛ばしてしまいそうなほど小さな子供が、ダブダブのユニフォームを着て、ちょこまかしている。手にしているバットが重たそうだ。
かわいい〜♪
私は一旦カバンにしまったデジカメを再び取り出し、いそいそと撮影を始めた。野球場や高校のグランドよりはるかに距離が近い。いい絵が撮れるかも?そんな目論見も否定出来ないのだけれど。
私は子供が嫌いなのだけど、野球をやっている子供ってなんであんなにかわいのかなあと思う。1人くらいお持ち帰りしたくなる(あかんで、そんなんしたら〜)。
また、目線を移すと、彼らの倍はあるんじゃないかという子が同じユニフォームを来て、トスバッティングに励んでいた。小学6年生くらいだろうか。子供の成長なんて、あっという間なんだろうな。
高校野球での選手撮影はちょっと気がひけるけど、少年野球のそれは不思議と平気だった。私の年齢なら、子供によっちゃ“お母さん”だ。端から見てても、「熱心なお母さんだこと」で済んでしまうだろう。
いいね、少年野球。早くも味をしめたかもしれない…。
すると、友人が「54番の子、撮って〜」とねだってきた。彼女、野球には興味ない。私が練習を見始めたころは、退屈そうに木にもたれかかって、「好きやのう」と言った目線で私を見ていたのだ。そんな彼女ですら、知らぬ間にのめり込んでしまったのだ。
54番の子は、私も気にかけていた子だった。小さな子供がそろいにそろっている中でもまだ小さく、コーチとかも指導するというよりあやす感じでその子に接していた。
その日の練習は試合形式のようだった。ピッチャーは小さいながらダイナミックなフォーム。高校生くらいなら“威力があって怖そう”となるのだが、これくらいだと背伸びしている子供。意地らしくて、かわいい。
また、ランナーがたまると、サードの子がマウンドに駆け寄って、ピッチャーの子に一言言って、お尻をポンと叩いていった。高校生くらいなら当たり前に近い行為。でも、これもまたかわいい。
そして、こんな小さなころから、こういうことが習慣づいていることに感心した。そりゃ、進学や就職において体育会系が優遇されるのもわかるわと変なところで納得してしまった。
かくして、私の少年野球でデビューは好感触を得たわけだが、気になることが1つだけあった。
グランドの片隅で、違うチームらしき子が輪になっていた。ミーティングかな?と思って見ていたのだが、聞こえるのは指導者らしき大人の荒い声だけ。子供たちは小さな背中を小さくしてただ黙って聞いている。
怒鳴るなんてよくない、とは思わなかった。 いくら相手が子供とはいえ、悪いことは悪い。真剣に叱ってやるのは愛情だ。
でも、九九を覚えたてくらいの子供に「連鎖反応」って言われても…。
ピリピリしているミーティングだったが、私の中では一遍にコメディーになってしまった。このおっちゃん、それで子供たちを指導したつもりでいるんやあ。
子供たちに、「れんさはんのうって何?」と口を挟める余地はない。わけわからないけど、大人の人が怒っているから、いけないことなんだろうな、って感じだろうか。でも、それじゃあ進歩にはつながらない。子供たちは怒られ損だと思うのは、私だけだろうか。
あ、そうそう、連鎖反応っていうのは、「1つのことをきっかけに次々と同じようなことがおこること」を意味するんだよ。今回の場合は、「エラーが続けて起ってしまうこと」って感じかな。
この日記も子供が見ているかもしれないから、念のため。
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