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あるこのつれづれ野球日記
あるこ
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2002年06月21日(金)
フラワーアレンジメントに見る自主性野球の効用


 …珍しく野球日記らしいタイトルにしてみましたが、書いていることはたいしたことないです。まずはお断りまで。

 さて。

 私の母は、今春からフラワーアレンジメントを習い始めている。母は元々、大の花嫌いの私と血がつながっているのが信じられないほど花が好きで、私たち姉妹が幼い頃はアートフラワーを習っていた。中学・高校と私たちがややこしい時期に入ったので、子育てに専念することを余儀なくされていたが、そんな娘2人もどうにか成人し、生活に余裕が出来たようだ。

 月2回、早めの夕食をこしらえて、手にお稽古道具を抱えて出かける。夕食は帰宅後。テーブルの上にその日手がけた花が置いてある。母は、今日のお稽古のことを饒舌に話す。

 しかし、今日はちょっと様子が違った。「帰りにビール買ってくるから、一緒に飲も」と言われていたので、母が帰宅する時間に合わせて台所に降りてくると、母は苦悩してた。

 「どうしたん?」と私が訊くと、「納得いかへんからやり直してんねん」という答えが返ってきた。

 母のよると、普段は先生が手本を示してくれたり、手直しをしてくれるそうだが、今回に限っては「好きなようなしてください」と言って一切手を出されなかったそうだ。

 私からすると、好き勝手やれていいやんとなるのだが、母はどうもそれに納得いかない。

 「だって、何していいかわからへんし、ここをこうしたいと思っても、どうしていいかもわからなへん。でも、やる以上はやぱりいい物作りたいやん…」

 母の言葉に考え込んでしまった。自由というものは、基本が出来てないと、満喫出来ないんだなあと。

 
 よく高校野球とかで、自主野球とか選手たちが自分たちで考える野球とかいうものがある。そして、それは多くの人の指示を得ている。

 もちろん、きちんと出来ているチームもあるだろう。しかし、表には出ていないが、間違った自主性野球が育まれてしまっているチームもあるのではないかと思うのだ。

 自分たちで考える練習、トレーニング、試合運び、ベンチ入りメンバー…。

 先日、友人がこんな話をしてくれた。

 たとえば、ベンチ入りメンバーを投票で決める場合、実力はあるけれど、チームで孤立している子が選ばれる可能性は少ないんじゃないかな?それって、果たしていいことなのかな?そんな感じのことだった。

 練習も、トレーニングも、試合運びも、何がいいのか何がいけないのかを選手が判っていなければ、うまくなれないはず。それを示してあげるのが、指導者の役割だと思う。

 
 今日の母の苦悩は、基本をたたき込まれていないまま、「さあ、試合をしなさい」と球場に放り込まれた野球選手のようで見ていてちょっとかわいそうだった。

 余談だが、母は「花やってると、ビール飲みたくなるわあ」と言って、合間に一杯やっていた。間違いなく、この人とは親子やなと思った。