
|
 |
| 2002年06月06日(木) ■ |
 |
| “彼”だからという理由。 |
 |
今日は、夕方から高校野球の練習試合を観戦してきました。
夏が近いためか、平日にもかかわらず、試合が行われたのです。試合開始は、夕方5時前、まだまだ明るいのですが、すでに暑さはピークを過ぎており、なかなか快適な観戦でした。
また、終盤にはナイターとなり、これまたいい雰囲気に。平日の高校野球、やみつきになりそうです。
今日の試合、なかなかの接戦で面白かったのですが、私が一心に注目したのは、バット引きをしていたある新入部員でした。
何故かわからないのですが、視界にちょろちょろと入ってきて、そのうち気になって目で追い始め、気づいたら釘付けでした。なんか恋する中学生みたいですね、ハハ(^^;)。
この日、バット引き係をしていたのは3人の新入部員。まだ正式なユニフォームがもらえず、練習用ユニフォームを着用し、背中や腰ひもにマジックで申し訳程度に名前が書いてある。もっとでっかく書いて目立たなあかんでとか思いつつ。
3人の新入部員は、緊張の面もちながら、とても初々しく、テキパキと役割をこなしていた。その取り組み方に特別な差はない。
しかし、私は他の2人ではなく、その子に注目した。何故かわからない。でも、目が行ってしまう。
ちゃんと仕事しているかな、先輩や監督に怒られたりしていないかな。かわいい弟を持つ姉の心境が分かる気がした(本人にすりゃ、見知らぬ姉ちゃん(もしかして、おばさんと思われてる?だって、年の差11だもんなあ)にそんなこと思われてもいい迷惑だろうけど)。
真剣に試合を見守るまなざし、時間とともに拍手をし、声も出てきたことにホッとひと安心。ファールボールを取りに行くために、側を走り抜けて行ったときは、心の中で、“がんばれよ〜”の声援を送った。
終盤、監督が部員を集めて、厳しい口調で諭す機会が増えてきた。その度に、「どうしよう」という当惑の表情を浮かべながらも、ベンチの方を向いて、先輩たちと同じように直立不動で、指導者の声を聞いていた。不覚ながら、そんな彼を見て、「かわいいなあ」と思った。
“おいおい、自分、ヤバイんちゃうか、年考えや、年を!” “わかってるわい、そんなんちゃうわ!”
頭の中で、“私”と“私”が言い争いを始めた。こんな経験は、久しぶりで戸惑った。
私は、どこでどんな高校野球を見ていようと、疎外感を感じることが多く、頭から超強力インク消しでもかぶって透明人間になれればどれだけ楽だろう思うことがある。今日も一時期はそうだったのだが、彼の存在はそんな思いを吹き飛ばしてくれた。
よく「彼のどこが好きなの?」と訊く人がいる。でも、私はそんなの野暮な質問だと思う。世界は果てしない。だから、自分の彼よりかっこいい人も、優しい人も、お金持ちの人もいる。それなのに、何故“彼”なのか。それは、“彼”だからとしか言いようがない。
だから、今日の彼も、「“彼”だから」なのだろう。 たくさんいる新入部員。すでに試合に出ている子もいれば、彼より体格のいい子もいる。また、彼より大きな声で声援を送る子もいた。でも、そんな中で、私は彼を選んだ。
あ、そう言えば、ユニフォームがわりとさまになってたかな。いい選手はユニフォームの着こなしでわかるという言葉があったっけ。
君の学校名と名前、しっかりインプットしたから、2年後、楽しみにしているよ♪
せやから、途中で辞めたりせんどってや。
|
|