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| 2002年06月04日(火) ■ |
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| 華を磨く |
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今日の日記のスペースを使って、先日見に行った高校野球北信越大会について書き残したことを書きます。2つあるのですが、今日はその一つ目です。
もうすでにご存じの通り、私は野球技術に疎い。だから、見るのは基本的に“試合”ということになる。試合なら、技術に明るくなくても、その場の雰囲気でそれなりに楽しめるからだ。
そんな私だから、守備のうまさの是非は、捕球の是非とイコールで結べるものだと思っている。最近、ようやく、“そこそこうまい”“うまい”“めちゃくちゃうまい”がわかり始めてきたところだ。
しかし、今日、見た敦賀気比はちょっと違った。
昼下がりの球場、場内放送の「ノックを始めてください…」のアナウンスとともに、ナインが守備位置に散った。
速い打球。野手の側でバウンドする捕球はかなり難しそうだ。しかし、当たり前のように低い位置にグローブを差し出し捕球する選手たち。
パシッというボールがグローブに収まる音が、球場の上段にいるこちらの耳にまで届く。捕球音と言えば、キャッチャーのものしか聞いたことがない。新鮮な驚きだった。
うわぁ、ノックの王者や。 相当厳しい練習を積み重ねてきたんやろなあ。
それが、私が同校に受けた第一印象だった。
確かに、守備はいいし、うまいと思う。でも、このチームにはそれ以外のものがあるように思えた。
私は、地元で高校野球を見ている。ありがたいことに京都はそうレベルの低くない地域なので、守備のうまいチームはわりとあり、それなりに舌も肥えているつもりだ。
しかし、同校にはそんな地元校にないものを感じた。ただの“ノック”ではないと思う。躍動感あふれる選手の動きに、ノッカーから放たれる厳しい打球…。
あれは、どう見ても“魅せる”ノックだ。
勝手な思いこみかもしれないけれど、ノックを受ける選手の体から「俺を見てくれ!」というオーラを感じた。私は、そんなノックの光景にどんどん引きずりこまれていった。
試合前のノックを“眺めている”ことはあったが、“凝視した”のは始めてだった。ノックだけでも充分見る価値のある内容だった。
ちょっと前、うちのHPの掲示板に常連さんが守備に関して、「華を磨いて欲しい」と書かれていたのだが、私は同校のノックを見ていたとき、ふとその言葉を思い出した。
華を磨いているチームが、こんなところにあったんだなあ。
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