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あるこのつれづれ野球日記
あるこ
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2002年05月16日(木)
あややの始球式


 一昨日・昨日と、パ・リーグの公式戦「ダイエーーオリックス」戦が台湾で行われた。プロ野球の公式戦が海外で行われるのはもちろん史上初のことだ。

 球場の雰囲気、スタンドを陣取るファンを見て、タイムスリップしたような気分になって、何故か「懐かしいなあ」と思った。

 試合も、打ち合いあり、サヨナラありで、台湾のファンにしっかりアピールできたことだろう。

 入場料金は、内野のみということもあり、3800円(程度)だとアナウンサーが言っていた。台湾のプロ野球のそれが700円であることから、どれだけ高いかおわかりいただけると思う。同じような席でもGS神戸なら、2000円代で観戦できる。

 もし、甲子園球場でメジャーリーグの試合が行われるとして、入場料が3800円だったら、私はまず行かないと思う。ああ、ありがたき台湾の野球ファン。

 
 さて、そんな歴史的現場で日本代表として、君が代を歌い、始球式に参加したのが、アイドル歌手の松浦亜弥。

 アイドル歌手の割には音程が取れているという評判の彼女は、やや緊張した面もちで君が代を斉唱した。いつもの声とまるで違っていたのでびっくりした。

 始球式では、マウンドではなく、打席に立った。ボールを投げたのは台湾の偉いさんだったと思う。最初、私は彼女が投げるのだと思っていたので、びっくりしたが、主催側もさすがに気が引けたのかもしれない。

 ところか、ここで思わぬハプニング。彼女、なんと、ボールを見逃してしまったのだ。今まで、思わず打ってしまった人はいたが、見逃した人なんて初めて。失礼ながら、笑ってしまった。

 神聖な始球式にこんな野球の「や」の知らそうなアイドルを起用するなんてどういうこっちゃ、ほら言わんこっちゃない。台湾の野球ファンもあっけにとられたんとちゃうか。ああ、日本野球のイメージが…。

 しかし、まあ、彼女はそう悪くない。

 学生時代、野球サークルに所属していたとき、あいた時間を使って、打席に入り、部員の人にマウンドからボールを投げてもらったことがある。

 投げてくれたのは、元高校球児、それもピッチャー。第一球が、こちらに向かってくる…と思ったらもうキャッチャーミットの中。余談だが、当時私はバッティングセンターで120km/hのボールをバットに当てたことがある。ところが、それよりはるかに遅い球が見えなかったのだ。やっぱり生きた球は違う。

 そして、第二球。彼は突然「わー!!」と叫び声を挙げ、こちらに大きく足を踏み込んで投げてきた。「ギャッ」。私はその声だけで、思わず目をつぶり、体をすくめてしまった。実際来たボールは、なんてことないスローボールだった…。

 素人が野球をするにおいて、マウンドの立つよりも、打席に立っている方が大変だと思う。

 軟式の小さなグランド、それもボールをコントロールできる経験者でもそれなのだから、硬式で、それも観客のたくさん入った球場、そして、来たボールはインコースの膝元という素人ととは思えないボールだった。14,5歳の女の子なら手が出なくて当然かもしれない。

 今回の件は、彼女の事務所サイドからの申し出らしい。売り込みのためかどうかは邪推にすぎないのでこれ以上追求しないが、体が資本のアイドルが怪我をするという可能性、考えはしなかったのだろうか。

 始球式で投げるのは素人だ。今回投げたお偉いさんはなかなかの腕前だったが、普通は、はっきり言ってボールがどこに行くかわからない。もし当たったら、どうするつもりだったんだろう。

 野球には野球の、アイドルにはアイドルの事情がある。