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| 2002年05月02日(木) ■ |
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| 一年の計は元旦にあり、試合の計はダッシュにあり?! |
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今日は、明日の阪神戦に備えて、一路広島市民球場に向かった。野球選手よろしく移動日。道中、「ヒマになるだろう」と駅構内のキオスクで『週間ベースボール』を購入した。江夏豊氏がコラムみたいなものを連載している。今週のテーマは「はじめが肝心」ということで、開幕投手について書かれていたのだが、この「はじめが肝心」について印象に残る出来事があるので、今日はそれについて書いて日記とさせていただきます。(ごっつい強引な振りやなあ)
少し前の話、高校野球のある試合を観戦していたときの出来事だ。この日はあいにくの天気でグランドコンディションが悪く、午前10時に始まる予定の試合が昼2時と延びに延びていた。
選手が明らかにダルそうなのが、素人目でも見てとれた。甲子園出場経験もあるそこそこの強豪校で、それなりのダッシュやアップ、キャッチボールをこなしていたのだが、正直「なんだ、こんなものか」とがっくりした覚えがある。
と、そのとき、ベンチから指導者らしき男性のドスの利いた声が響き渡った。
「こら、なんじゃ、そのダラダラしたのは。おまえらやる気あるんか?やり直しじゃ!もう1回ダッシュからやらんかいっ!」
部員たちは、全員直立不動でベンチにいる指導者の方を向いてじっと話を聞いていた。しかし、「やりなおし」の指示に戸惑いがあったのか、みなが互いの顔を見合わせるだけですぐには動かなかった。そこへ、「早くせんかい!」と再び檄が飛んだ。部員たちは電気が走ったときのようにピクンと体を動かしたあと、誰からともなく、グローブを地面に置き、順々にダッシュを始めた。意識して声を大きめに出しているのがわかった。
それでなくても押している試合時間、その上高校野球の試合前の練習時間はプロのそれと比べて決して多いとは言えない。その限られた時間の中で、やらねばならないことはたくさんあるはずだ。ダッシュやアップなどは基本中の基本で、必要以上の時間がかけたくないだろうと思うのだが、そこを敢えてやり直させて指導者の思い切りの良さに驚いた。初めて見た光景であったというもの理由に一つかもしれないのだが。
結果、そのチームは試合に勝利することが出来た。対戦カードを見る限り五分五分の勝率だろうと思われたが、終始大量のリードを保つ見事な試合運びだった。
試合後、もしあのとき指導者が「ダッシュからやり直し」を命じなければ、このゲームはどうなっていたのだろう。ふとそう思った。
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