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あるこのつれづれ野球日記
あるこ
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2002年04月27日(土)
無題


 史上最低の試合だ、と思った。 

 今日、応援している高校がよもやの敗戦をくらった。いや、言い切ってしまおう。負けるべくして、負けた。

 個々の能力を考えたらこんなところで終わるチームじゃないし、もっとやれるチームだと思う。

 また今の選手だけでも真っ白なユニフォームに身を包んでいたあどけない顔した新入生に頃から見ていて、それなりの思い入れがあるし、いいところも知っているつもりだ。

 また指導者が目指している野球にも魅力を感じるし、だからこそここまで応援してきた。

 また、父兄さんにもお世話になってるし、OBや関係者など、応援生活で得てきた出会いや思い出はかけがえのない宝物だ。だから、「最低の試合だ」なんて言うと、それらに泥を塗ってしまうようで心許ないが、それを振り切ってでも、こう言わずにはいらなかった。

 先制し、中押しもし、点差を詰められたら、突き放し、機動力を生かし、バンバン盗塁し、打球もよく飛ぶ。ピンチになれば、三振も取り、野手の大ファインプレーに場内がわいた。それでも、気づいたら、逆転負け。一体、何がどうなってんの?

 大きな違いは、やはり守備力。…いや、精神力かもしれない。

 今日の試合はとにかくエラーの多い試合だった。終盤は、とくに先頭バッターがエラー(あるいはきわどい内野安打)で出塁するシーンを頻繁に見受けた。

 大きな明暗は、エラーでランナーを出してしまったあとにある。勝ったチームは、そのあとときちんと抑え、負けたチームはそれが出来なかった。

 1つのエラーは連鎖反応を呼ぶ。それは、1つのエラーで、他の野手も「どうしよう」と不安になってしまうからなのか、「なんとしてでも抑えなければ」と力んでしまうからなのか、それはわからない。

 でも、秋も同様の原因で敗れている以上、いい意味で「エラーはあって当然」くらいに開き直って、そのあと思い切ってプレーをするという気持ちの切り替えが出来れば、より野球が楽しくなるんじゃないかな?と何も知らない私は思う。


 もうええわ、さっさと負けたら?

 こんな感情は、初めてだ。
 つい昨日、いや今日の試合の中盤までは、「応援しているチームの勝利を願うのは当然」と一点の曇りもなく信じていた。

 でも、今日の試合、どこをどう考えても、点差がついてもあきらめずにこつこつがんばっていた相手校が勝たなきゃ嘘だ。

 今日の敗戦を選手や首脳陣はどう受け止めているんだろう。悔しいのか、情けないのか、恥ずかしいのか、ショックなのか。

 
 試合が終わったあと、しばらくその場で放心状態になって、ただぼーっとグランドを眺めていた。

 おそらく選手が抱くであろうそんな気持ち、鏡の反射のように私にも重くのしかかっている。

 「がんばらなきゃ」と思いながら、ズルズルダラダラして日々が過ぎていく。のんびり、ゆったり。そんな自分もいいさとまた物事の全力でぶつかる機会を逸する。自分はどうせがんばれないから。自信がなく、すぐ近くにある夢やチャンスから目をそらす。なんでがんばれないんだろうと自分で自分を問いつめる。考えるより行動。頭では分かっているのだけれど、そこにふみとどまったまま動こうとしない自分…。

 私なんかに選手やチームのことをどうこう言う資格はかけらもない。だから、こそ、今日の試合は見ていて辛かった。


 春で良かった。型どおりのことを思い、癒されたい自分がいる。これ以上の雪辱が他にある?よくあるサクセスストーリーのように、夏には飛躍した選手を見ることが出来るのだろうか。出来れば見たいと思う。でも、それも以前ほど強く願わない。

 残り少ない高校球児生活を精一杯謳歌するのか、それともこのまま適当に流されていくのか。それは、選手が決めること。

 「一生懸命がんばって欲しい」なんて言葉を送る気など毛頭ない。はっきり言って私がすることでもないし、言えた義理でもない。

 私は関係者ではないので、高い実績や甲子園やプロから注目される選手が出てくることなど、それほど望んでいないし、正直現状では期待できない。

 願いはただ一つ。
 たとえ、京都大会1回戦コールド負けでもいい。
 心の底から、「みんな、よかったよ。よくがんばった!」。そう声に出来る試合が見たい。

 でも、その前に私もこの雪辱を人ごととは思わず、来るべく夏に備えて何か自信をつけておきたい思う。

 このチームを見切る・見切らないはそれからでも遅くない。私がファンを止めたって、彼らには痛くも痒くもないし、知ったこっちゃないだろうから。