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あるこのつれづれ野球日記
あるこ
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2002年03月16日(土)
高校野球の荒木さん

 
 こんばんわ。どうも風邪をひいてしまったようです。鼻水が出て(汚いなあ)、体がほてっていて、寒気がします。これって、花粉症じゃないですよね?!

 というわけで、今日は日記に関係のない野球の話をします。


 昔、スポーツ雑誌で、冬に集中的に働いて、春から秋にかけては全国の高校野球を見る行脚の旅の出ている方を取り上げた記事があった。その方のお名前がタイトルの「荒木さん」だ。

 荒木さんは、リュック一つで球場に行き、バックネット裏でスコアをつけおられた。ただそれだけ。

 もし、私ならその「跡」を何らかの形で残したいと思う。今野球日記やHPをしているのも、私が野球ファンである証を自分以外に人に知ってもらいたいからだし、また自分の思いを誰かに聞いてもらいたいからだ。それに、そこまでして試合を見るなら、関係者と話をしたり、何らかの情報を得て、今後の役に立てたいと考えなくはないだろう。

 しかし、荒木さんは違ったようで。試合を見る。ただそれだけの行為に、「定職につく」とか「レール通りの人生」とかいうのもを犠牲にしておられる。

 ただ気楽なだけじゃないか、当時はそう思っていた。でも、定職を持たないことによる未来に対する不安が重くのしかかること、今ならわかる。

 その記事の中で、荒木さんはこうおっしゃっていた。
「もし、人生がもう一度あるなら、こんなことしない。でも、1回きりだからやるんです」。

 決して気楽なわけではない。様々なリスクを背負っても、やりたいことがあるというのは素晴らしくのあるが、切なくもある。恋愛が楽しいだけでないように、夢に向かって進むのも決してそれだけではないのだ。

 私は今、短期バイトをつなげてその場を凌いでいる。仕事によってひいきチームの夏の大会を見逃すのが何より怖いから。正直、もう楽になりたいと思うこともある。他の人みたいに、仕事を優先して、休みの日に応援を堪能する。それで納得のいく人になりたいとも思う。でも、いざとなったらダメで。これは一種の病気かもしれない。

 私、もし人生がもう一度あるなら、今のような生活はしないと思う。

 当時は、「私も大人になったら、荒木さんみたいに高校野球を見る旅に出たい」と思っていた。でも、現実は難しい。そして、荒木さんの心の奥の潜んでいるであるう。苦しさや不安や切なさ、そして「それでも高校野球」という気持ちの重みを思う。

 今、私は「なるようにしかならない」という半分開き直った気持ちでいる。現に貯金が減っているにもかかわらず、時間はあるからとバンバン出かけている。将来に関する不安がないとは言わない。でも、今、就職をしたり、結婚したりしたら、きっと今後後悔すると思う。そんなときにふと思い出す荒木さんの存在が私を勇気づけてくれる。

 このごろの自分の行為が、なんだか荒木さん的だなあと思ってしまう。あと何年後かしたら、「高校野球のあるこ」なんて言われる日がくるかもしれない??(親、泣くね、きっと)