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あるこのつれづれ野球日記
あるこ
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2002年03月12日(火)
“独りぼっち”になる練習


 先日、今季初めての練習試合を見に行ったとき、ふと思った。
「こうして野球を見に来ることで、私は“独りぼっち”になる練習しているんだなあ」、と。

 浜崎あゆみが歌っている、「♪ 一人きりで生まれて 一人きりで生きていく〜」、海援隊も歌う、「♪ 今、私たちに必要なものは恋や夢を語る言葉じゃなく 独りぼっちになるためのスタートライン」、またゆずも歌う「♪ 誰もがみな 独りぼっちを抱えて生きている」。そして、私が敬愛する女流作家の一人・唯川恵さんもエッセイの中で「一人で楽しむことを覚えないといけない」と書いている。

 こういうことを書くと、まっすぐな心を持っている読者の方は、「なんて淋しいこと言うの?」とか「また、何か悩んでるんちゃうの?」とか思われるかもしれない。

 でも、大丈夫です。今回は決してそんなことはなく、いたって元気です。そして、「独りぼっち=淋しい」わけではないと私は考えるのです。

 私はずっと高校野球と自分との間にある距離にむなしさを感じ、思い悩んでいました。でも、「独りぼっち≠淋しい」という図式が、そんな心境から私を解き放してくれるような気はします。

 独りでじっと佇んでいると、色々な景色が目に入ってきます。そこには、フィールドを走る回る選手もいれば、空や雲と言った自然、また隅に転がっているボールもあります。

 もちろん、グランドの中にいる選手や空や雲、風とは会話することは出来ません。だから、彼らの本音を伺い知ることも出来ないでしょう。

 でも、彼らの姿から漂ってくる雰囲気やささやかな一言や仕草から、何かを感じ取ることは出来ます。

 それも、またコミュニケーション。私のそんな考え、変ですか?

 でも、今はそれが一番楽しい、かな。

 独りになると、思いのほか、集中できます。
 2人でも、10人でも見れないものがあります。カメラで例えたら、視界がパノラマになります。また、矛盾するのですが、独りじゃないことの喜びも実感できます。

 私は一人で野球を見に行くとき、目的地に着くと、1つ大きな深呼吸をして、空気を吸い込みます。すると、すっと孤独感が消えていきます。

 今、振り返って、独り観戦が辛いと思うときは、たいていこの深呼吸を忘れているときだったように思います。

 これも、野球を通して“独りぼっち”になる練習をして、気付いたことです。


 女性の方は、特に友人等が結婚したりして、なかなか思うように遊びに行けなくなることでしょう。そんなときに、今日のこの日記がお役に立てば、幸いに思います。

 さあ、胸を張って、外に出てみましょう。周りの景色の色や匂いを体一杯に感じ、背筋を伸ばして歩けば、また違う自分に出会えます。