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あるこのつれづれ野球日記
あるこ
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2002年03月02日(土)
“ミーハー”なんて、辞めなくてもいいよ。


 私がよくお邪魔するHPの掲示板に10代の女の子らしき子の書き込みがあった。彼女は、中高6年間女子校に通い、その上、寮に入っていたので、地方大会で負けてしまった選手や女子マネージャーの存在を知ることなく、高校野球を見ていたという。それでか、「どうすればミーハーを言われなくなるのでしょうか?」と書かれていた。

 果たして彼女がどこまで悩んでいるのかはわからないが、少なくともあちこちのサイトでみかける「ミーハーお断り」とかミーハーな高校野球ファンを軽蔑するような文章を読んで、気に病んでいるのは間違いなさそうだ。

 これを機に、今日は、いわゆる「ミーハー」と呼ばれる高校野球ファン(特に10代の女の子)について私が思うことを書きたい。

 まず、ミーハーの定義づけ。

 ミーハー

世の中の流行などに熱中しやすい人たち。
〔「みいちゃんはあちゃん」の略。もともとは,趣味・教養の低い人たち,また,その人たちを卑しめていった語〕

(検索エンジン「goo」新語辞典より)

 考えたら、この言葉自体実に失礼な存在だ。

 とりあえず、私が彼女に言いたいことは、「別にミーハーは悪いことじゃないから、言わせたいヤツには言わせておけば?」である。

 はっきり言って、私も「ミーハー」だ。

 私も彼女と似たような境遇にある。10代の頃は、地方大会で負けた球児や女子マネージャーの存在や故障で苦しんでいる選手のこと、またマスコミにあることないこと書かれてイヤな思いをしていたり、ファンの女の子に追っかけ回される選手の気持ちなんて全く考えていなかった。

 だって、分からないし、見えてこないものしょうがない。それに、甲子園で上位に進出するようなチームを応援するのはやはりそのチームにそれなりの魅力があるからだし、かっこいい選手に夢中になるのは、ルックスに魅力があるから。「人を見かけで決めるな」と言われるけれど、見かけがいいに越したことないし。

 確かに、高校野球の酸いも甘いも知り尽くされている方から見れば、ミーハーと呼ばれる子の行動に苦い思いがしたり、不快の思われることもあるかもしれない。

 でも、冒頭の彼女みたいに「ミーハー」と呼ばれることで傷ついている子もいる。野球に縁のないような若い子が高校野球を始めとする野球を好きになるのは、どうしてもそういう「ミーハー」なところから始めなければならないのは仕方ないのだ。

 ただ、「ミーハー」がいい評価を受けないのは、やはり選手やチームに迷惑を掛けたり、状況や礼儀をわきまえない行動を取っている子がいるからに他ならない。

 だから、不用意に選手をおっかけ回したり、チームに迷惑をかけたりしない限り、「ミーハー」は全然OKだと思う。

 「○○くん、かっこいいね」「あの試合、感動したね」とか言ったたわいもない話をするのは、楽しい。実際、私も経験者だからよくわかる。

 「ミーハーお断り」サイトは、管理人さんがミーハーと呼ばれる子が好きでなないから。ただそれだけ。傷付いたり、負い目を感じる必要なんて何もない。

 私は、たとえ野球に詳しくても、選手に心ないヤジや批判を浴びせたり、知識や経験をひけらかして人を下す人なんかよりもはるかに「ミーハー」と呼ばれる子の方に好感が持てる。(ただ、実際に関わるのはちょっとしんどいけど。(^^))

 あっ、質問の答えになっていなかった。
 「どうすればミーハー呼ばれなくなるか」、ですか。

 とりあえず、夏の予選大会や春秋の地方大会、練習試合を見に行くときにスコアをつけはったらいかがでしょう?

 また、選手を見かけても、決して「写真を撮ってください〜」などを声を掛けないこと。
 
 また、書き込みとかには、「○○くん」ではなく、「○○選手」と書くこと。「○○くんかっこいい〜」ではなく、「○○選手はいいピッチャーですね」とか「××高校の三遊間は鉄壁ですね、特にショートの△△選手は肩が強くてスローイングがいいと思います」…とか??

 私が言えることは、それくらいです。

 でも、そういう見方も月日が経たないと出来ないし、やはり野球やスポーツを経験していないと技術的な話をするのは限界があると思います。

 また、若い女の子がそういう書き込みをすると「ほんまに分かってるんかいな」とか「知ったかぶりして」と思われてしまうのも現実です。残念ですが、「若い女の子=ミーハー」という図式はまだ世間に根強く蔓延っています。

 だから、そういう人のことを気にしているヒマがあるなら、好きな選手に会うために試合を見に行ったり、友達とその選手の話をしている方がはるかにあなたにとって有意義な時間が過ごせると思いますよ。
 
 人の言うことなど、あまり気になさらないことです。


〜追記〜

 深夜、まだ気持ちが落ち着かなかったので、友人に話をした。すっきりした。
 
 甲子園に出ているいわゆるスター選手ばかりを応援しているだけことが、地方大会で敗れた選手たちや縁の下の力持ちとしてかんばっている女子マネージャーを侮辱している行為とはどうしても思えない。なのに、何故、そういうとらえ方をするのだろう。

 それに、高校野球は地方大会も見なければならないというルールはどこにもない(友人の受け売り)し。

 はっきり言って、今回の1件は人ごとだ。なぜ、こんなにムキになってしまうのだろうと考えた。きっと、彼女は10年近く前の私だからだと気付いた。

 出来たら、私も女子マネジャーや選手になって高校野球を経験したかった。でも、そういう縁がなかった。それはたまにコンプレックスになる。

 元マネジャーとか元球児とか関係者の方の発言はすごく貴重だし、興味もあるのだが、たまぁ〜に劣等感を煽られて、鬱状態になる。

 話をしたり、メールをしたりする。何か違和感のあるようなことを口走ったのだろうか。口には出さないが彼らは「何も知らないくせに」みたいな表情をする。それが辛い。だって、知らないもの仕方ない。

 知らなかったら発言してはいけないの?
 思うこと言ったらいけないの?

 そう問いつめたくなる。
 

 ときどきイヤになる。

 知識や経験という名の下に傷つけられる人や傷つける人を見るのが。人の言うことをいちいち気にしたり、細かいことにこだわる自分が。どうしても縮まらない高校野球と自分との距離感が。そして、それでも固執する自分が。

 私ってほんまに野球が好きなの?
 そう自分に問いたくなる。

 今、私は純粋に「私は野球が好きです」とは言えない。何故、野球を見ているのかも、正直よくわからないのだ。