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あるこのつれづれ野球日記
あるこ
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2002年02月14日(木)
枠外「野球マンガ」

 「野球マンガ」というジャンルがある。
 野球に負けず劣らず人気があり、雑誌で特集が組まれていたり、ネット上で語られているサイトも少なくない。

 しかし、世に言う「野球マンガ」とは、野球が中心になっているマンガが大半である。だから、ここでは、あえてそういう枠から外れてしまう野球マンガの話をしたいと思う。

 (今日の話は、わかる方がごく限られているマニアックな話です。悪しからず、ご了承ください)


 80年代「少年ジャンプ」の人気マンガの一つに「ハイスクール奇面組」がある。一言で言えば、ぶっとびコメディー学園ものなのだが、私はこのマンガがすごく好きだった。当時小学生だった私は、これをきっかけに、購入する雑誌が「なかよし」や「りぼん」から「少年ジャンプ」に変わった。

 その「奇面組」が、今、文庫版で復活している。本屋で目にしたとき、恥も外聞もなく、レジに走った。昔の友達に再会したような気分だった。もう10年以上経っているのに、今でも笑える。電車やバスの中で読むのは、かなりやばいかもしれない。今、私の中で再び「奇面組」ブームに火がついている。

 このマンガで、主人公達が、さまざまなクラブに体験入部し、大暴れするのだが、そのシリーズ第一弾が「野球部」である。

 ところが、現実とはあまりかけ離れた設定に、熱心な高校野球ファンなら、「高校野球を冒涜してる」と言いたくなるかもしれない。

 クライマックスのシーンでは、“地を這う魔球”対“2本バット”の対決がある。こんななの、現実世界ではまず絶対ありえない。第一、地を這うボールなんて見送ればボールかボークのどちらかだし(どっちですか?)、2本のバットを使うなんてルール上許されていないのではないだろうか(実際はどうなのだろう)。

 とにかく「打てば勝ち」「打てなければ負け」。きわめて単純な勝負は、地を這うボールを、ひげそりの2枚刃の応用で、見事打ち砕いたバッターの勝ちなのだが、そのあほらしさに、ただ笑えた。

 野球って、どうしても軽快に捉えることがタブー視されているきらいがあり、それがときたましんどいときがある。だから、このマンガは痛快だった。

 余談だが、ここで「たとえ、ワンバンのボールでも、バッターが打てば有効になる」ということを知った。


 あと、一つ、普段は野球を書かないマンガ家が書いた「野球マンガ」で印象的な作品が一つある。

 実は、タイトルも作者名も、掲載されていた雑誌名も覚えていない。記憶では、週刊系マンガの増刊号で、1回完結ものだった。本屋で立ち読みをしたのだが、2、3年前の夏だったと記憶している。

 舞台はなんと社会人野球。主人公は、ベテランのピッチャー。かつてはドラフト候補にも上がったほどの選手だったが、今は弱小チームで地道に投げている。ちょっとふてくされている。そんな設定だった。

 そんな主人公が、都市対抗(の予選だったかな?)の補強選手として、他企業チームに入る。その企業は、今年で廃部が決まっていた。しかし、主人公は、キャッチャーやそのチームとはソリが合わなかった。が、最後の最後、気持ちが通じ合って、いつもは敬遠するスラッガーに勝負を挑んで打たれ、そこでそのチームは終わりを告げた。

 あまりにリアリティーにあふれ、かつドラマチックでもハッピーエンドでもない物語。実は野球マンガでは珍しい。当時、なぜレジに走らなかったのか。今でも悔いが残る。

 ハッピエンドの野球マンガは数多くある。そして、今もなお多くの人々に愛されているし、また、夢があるので、これからも無くならないで欲しいと思う。

 でも、ハッピエンドではない野球マンガも読みたいなとも思う。

 最近、オリンピックを見ていて思うのだが、スポーツ選手にとっての満足感や感動って、周りの評価や順位や点数、勝敗とは別なところにもあるのではないだろうか。だから、そういう部分を表現するにおいて、ハッピーエンドではない「野球マンガ」は打ってつけだと思うのだが。


 〜つれづれ“ちょこっと”お仕事日記(後編)〜

 私はバスが苦手である。旅とかで使う座席間の広い長距離バスの窓側なんかは好きなのだが、通勤等時間の決めだれているとき渋滞にあるような街を走るバスに乗ることにものすごく抵抗がある。だから、仕事を決めるのでも、バスを使わなくてもいいところというのは条件だ。今回は2日だけということで、やむなく了承したが、今後はここでの仕事はまず引き受けないと思う。

 さて、今日は、午前中は計算機を使った仕事をし、午後は受験表の整理をした。受験表の整理は4人一組での作業となった。

 小さいころからそうだが、私は複数の人とグループを作ると、必ずと言っていいほど孤立するタイプの人間だ。昔は、「私の性格が悪いから、みなに好かれていないんだろう」と自分を責めていた面もあったが、こういう初対面の人に対してもそうなってしまうので、どうやら私はそういう星の元に生まれて来ているのかもしれない。

 当然、今回も知らぬまに作業は他の3人で進められていた。ところが思いのほか、作業ははかどらないようだ。行方不明の受験票があるのだという。しかし、よくよく見たら、拍子と中身が違うだけで、実際行方不明の受験番号などなかった。つまりは、中身よく見ずに、表紙だけを見て判断していたのだ。いい加減な私でも、それはちょっといい加減というか安易やで、と思った。

 前編でも言ったが、この仕事は非常に楽な仕事だった。だから、ずっと仕事をしてきた人は、頭が楽モードのなってしまっているのかもしれない。

 結局、17時の予定が16時半には仕事は終わった。(タイムカードは17時。なんというおいしい仕事だっ!)。帰り、最寄りのバス停でバスを待っていると、あられのような雪が降ってきた。雪は「シャラシャラ」という音がした。