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| 2002年02月13日(水) ■ |
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| 「ちょっとこの歓声をお聞きください」 |
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このところ、ソルトレークにはまっている。そう、冬季オリンピックだ。中でも、フィギアスケートが好きで、昨日も今日も、テレビの前から動けずにいた。
伊藤みどりでフィギアスケートを見るようになった私は、「フィギアはやっぱり女子シングルやろ」と思っていたが、この2日間でずいぶん考えが変わった。
昨日のペアで印象的だったのは、銀を獲ったカナダのペア。「ある愛の詩」という曲で演技をしたのだが、実に素晴らしかった。私みたいな素人が言うのは何だが、音楽と動作がマッチしていたし、何より表情や仕草が良かった。
フィギアの審査の一つに「表現力」というののがあるが、一般人が真っ先に目がいくのは、やはり女性の表情ではないかと思う。華やかな衣装にパッと晴れ渡る笑顔。
しかし、このカナダのペアは笑顔はほとんどなく切なそうな表情や髪をかき上げる仕草が印象に残った。また、普段は目のいかない男性の表情にも惹きつけられた。愛は甘いだけではないということを如実に表していて、これぞまさに「ある愛の詩」という感じ!
衣装も、他のペアがドレッシーなのに対して、女性はグレーのカットソー(みたいなもの)に同系色のミニ、男性はブラウスの上に紺のセーターといういでたち。まさに普段服。
リアルタイムでの演技の他にVHRで3回見て、3回とも「すご〜い」とうなってしまった。
メダルの色は残念ながら、「銀」。演技で勝って勝負に負けた、と言った方がいいかもしれない。
今日は、男子シングルのショートプログラムが行われた。フィギアスケートは好きだが、男子にはそれほど興味がなかった。伊藤みどりのような強烈な存在を男子で見つかることが出来なかったからかもしれない。知っているのは、本田武史という選手のみ。彼ですら、どういう選手か知らない。
初めて見る男子のフィギアは、「力強い」という印象を受けた。回転数の多さはもとより、アップテンポでの軽快な動きや氷を捉えるときに、ブラウン管のこちらにも聞こえる「ガッガッ」という音。
優勝候補の一人、ロシアのA.ヤグディン選手の演技は完璧だった。彼独自の氷を投げるパフォーマンスに自信にあふれるジャンプ。実況アナウンサーが「もう2分40秒(ショートプログラムの演技時間)が過ぎてしまいました」と言っていたが、それだけ魅了される演技だった。観客は全員立ち上がり、あふれんばかりの拍手。場内は興奮さめやらぬ、という感じだった。
そんな中、日本のエースと言われている本田武史の登場。正直、「やりづらいだろうなあ」と思った。実際、演技の始まった当初は表情が硬いように思えた。
しかし、中盤、ジャンプが成功したその瞬間から、パッと表情が明るくなり、笑顔も出て来た曲はアップテンポになったが、その速さに負けずに伸び伸びを滑っていたのが、見ているこちらにも伝わってきた。
結果は、なんと2位! 大健闘!
私はフィギアのことなど、全くと言っていほどわからないのだが、もしかしたら、中盤以降の「変わり様」も評価されたのではないかと思う。
聞いた話なのだが、アイドルというのは、見た目のかわいらしさやスタイルの良さより、「これから伸びる」とか「今、伸びようとしている」という子を採るのいだという。
また、高校野球でも、一つのプレーがきっかけで大きく成長したり、また大舞台で大きく飛躍を遂げる選手も少なくない。
明後日のフリーで、どういう演技をするのか。今から楽しみだ。
テレビで見ていたので、当然、実況や解説も耳に入ってくる。そこで、印象に残ったことを一つ。
前述した優勝候補・A.ヤグディン選手の演技のあと、歓声はなかなかやまなかった。そこで、ふと実況者が言った。
「ちょっと、この歓声をお聞きください」
そして、テレビからは歓声だけが聞こえた。実況アナウンサーも解説者もしばらく口をつむんだ。
じっと聞いていると、自分もその観客の一人になているような幻覚すら起こした。いや、本当に。
巷ではしばしば、「日本の野球の実況アナウンサーや解説者はしゃべりすぎ」と言われるが、それもそうかもなあと思った。
スポーツ選手にとって休憩も大切であるように、彼らも時には「話さない」ことが必要なのかもしれない。
〜つれづれ“ちょこっと”お仕事日記(前偏)〜
実は、前回の仕事の最終日に新たに仕事が入っていた。それが今回の仕事。今回は、変則で、今日は夕方4時かた夜9時まで、明日が朝9時から夕方5時までだ。
作業内容は、集計。これまた入試関係の仕事で、計算機を使ってひたすら数字を確認していく作業だ。
実は、私、計算機を使うのが好きで、My計算機たるものも購入している。だから、正直、「おもしろそうだな」と思った。
しかし、私の場合、下手の横好きのようで、計算機を使っているにもかかわらずしばしば計算を間違え、指摘を受けた。
ずっとこの仕事をしている人が、「今日はめちゃくちゃ忙しい」と言っていたが、なんてことなかった。
1時間くらい電卓たたいて、30分休憩。おまけに、時間をせかされることがなかったし、実際は30分前に終わったが、タイムカードはしっかり21時でOKだった。
これまで、入試関係の仕事を2,3させていただきているのだが、派遣会社からの仕事なので、一度一緒に仕事をしていた人と再会することもある。
今日は、9日まで仕事をしていた方と再会し、帰りも途中まで一緒に帰った。
私は、派遣で働いている人とは気が合わないし、「この人と話したい」という興味が湧いてくる人もいなかった。
しかし、彼女は例外。実は、彼女、音楽団に入ってオーケストラをやっている。今は、閑散期なので、短期バイトに来ているというのだ。収入は、安定していないし、貯金もない。それでも「好きなことが出来る自分は恵まれている」と言う。
色々お話を伺ったが、今話しきるのはもったいないので、機会を見て、日記に書いていきたいと思う。
そんな彼女に「自分、いくつ?」と聞かれた。私は普通に「26です」と答えた。
「ふ〜ん、26か。私が26のときは、まだまだフラフラしてたなあ。やりたいことすれば?私は、小さいころから、音楽しか見えてなかった。だから、こういう風にしか生きれないと思う」。
実は、このところ、就職かバイトかで迷っている。そして7割方「就職」に気持ちが傾いていた。「正社員なんて一生ゴメンや」と思っていたので、自分でもびっくりしているのだが、興味惹かれる仕事が一つあるのだ。
でも、変則であるその仕事につくと、間違いなく野球を見る機会はぐっと減る。空いた時間で野球を楽しむことも大事だし、また時間がないからこそ濃密に野球を堪能できるのではないかと考えていた。そして、実際、お金も欲しい。
やりたいことすれば?、と彼女は言った。 私のやりたいこと、もちろん「野球を見ること」「野球を書くこと」だ。そして、また、「一度でいいから社員としてきちんと働いてみたい」とも思っている。時間とお金のバランスが取れない。それは分かっている。だから、もう少し迷ってみよう。
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