初日 最新 目次 MAIL HOME


しもさんの「気になる一言」
しもさん
MAIL
HOME

My追加

2016年03月24日(木)
ちょっとそこまで

夕方、仕事を終えて帰宅したら、玄関先で娘にあった。
自転車で、どこかへ行くところだったようで、
「ただいま」と声をかけたあと「今から、どこへ行くの?」と訊いた。
その答えが「ちょっとそこまで」(笑)
久しぶりに、このフレーズを耳にして新鮮だったので、メモをした。
ついつい仕事柄、相手に対して正確な答えを求めてしまいがちだが、
この「アナログ感覚」の「ちょっとそこまで」もいいな、と苦笑い。
急いでいたのか、説明するのが面倒くさいのか、それさえも分からないが、
その返事を耳にした父親の私は「こんな時間にどこへ行くんだ」ではなく
「そうか、気をつけて行ってこいよ」という台詞を口にしていた。
一連の流れの中で「どこへ行くの?」「ちょっとそこまで」「気をつけて」、
そんな短い会話だけど、くどくど説明を受けるより楽しかった。
「デジダル全盛」の時代だからこそ「アナログ」の言葉に惹かれる。
「儲かってる?」「う〜ん、ぼちぼちかな」
「どこいくの?」「ちょっとそこまで」
「出来ぐあいは?」「まあまあかな」
「いつ頃になりそう?」「もうちょっと」
「YES」「NO」を求めることが優先される仕事では使えないような、
曖昧な会話・単語も、家庭に戻ると、このゆるい感覚が妙に心地よい。
仕事と家庭の「ON」「OFF」の切り替えは、
服装だけでなく「会話」も大きな要素なんだな、と気がついた。
この会話のあと、しばらくして、娘が帰宅した。
「あぁ、本当に『ちょっとそこまで』の距離だったんだ」と感じた私は、
まだまだ「切り替え」ができていないな、と反省した。(汗)