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| 2016年02月20日(土) ■ |
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| 着物は「時間」と「心」に余裕がないと・・ |
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昨年の10月まで、私の部下だった職員の結婚披露宴。 受付で手渡された席次表を見て、私の隣に見覚えのない名前があり、 肩書きを確認したら「(株)扇四呉服店」の御夫妻だった。 約3時間を、せっかく同じテーブルで過ごすのだから・・と思い、 自己紹介しながらお話をうかがったら、 呉服店を営む新郎の父親が、30年ほど前に修行させていただいた 滋賀県近江八幡市の老舗呉服店の中村御夫妻だと知った。 交わした内容の数々に、まさしく「近江商人」の血が流れていた、 そういっても過言ではないほど、穏やかな話し振りの中に、 私を唸らせる言葉が溢れていた。 もちろん着物文化については、私の本当に浅い着物の知識にも、 面白そうに頷いていただき、申し訳ないほどである。 そんな中、私が「なかなか着物を着る機会がなくて」と呟いたら、 「着物は『時間』と『心』に余裕がないと・・」と助言をいただいた。 着物はさっと着て、さっと脱ぐ洋服と違って、 着る前の準備と着終わった後の片付け(?)に時間がかかるから、 まずは「時間に余裕がないと・・」と言い、 さらに、普段からの自分の「心に余裕がないと・・」と付け加えた。 お洒落やブームではなく「時間と心」といった「生活」に余裕がないと、 上手く着こなせないのかもしれないな、と感じた。 時間が経つにつれ話がはずみ、お猪口に冷酒を注がれながら、 「時々着ると、着物に着られているようで・・」と笑いながら話したら、 「慣れですよ」と、さりげなくアドバイスをいただいた。 「本当に着物が似合う男になりたい、と思うなら、毎日着ることですよ」 そう言われた気がして、一瞬、背筋が伸びた気がする。 最初から着慣れている人はいない、慣れれば着物が体に馴染みます、 きっと、そういうことなんだろうな。 日本の歴史の中で大事な役割を果たした「近江商人」と話ができたこと、 単なる偶然と片付けず、これからも大切にしたい人間関係である。
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