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| 2015年11月14日(土) ■ |
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| 深みってのはね、出そうと思っても出せるものじゃないの。 |
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映画「深夜食堂」(松岡錠司監督)から。 深夜しか営業しない食堂「めしや」に集る人たちは、 マスターの料理と、何ともいえない居心地の良さを求めて、 毎晩たくさんの人々が集まって来るらしい。 そんな中、余貴美子さん演じる料亭の女将は、 ぬか床をもって来店し、若い人たちに向けてこう呟いた。 「深みってのはね、出そうと思っても出せるものじゃないの。 時間がかかるのよ、私たちみたいにね、マスター」 その場面設定を説明するのがなかなか難しいが、 台詞として面白かったので「気になる一言」に選んでみた。 食品の「味の深み」はもとより、人間としての「深み」は、 いくらお金を積んでも、出せるものではない。 また、短い年月では「深み」は出せるものではないと、 「ぬか床」を渡しながら言うところが面白い。 人間としての深みを出すには、それなりの人生経験をし、 知識と知恵がバランスよく整った頃合いに自然と出るもの、 そう言いたげだった。 さらに、その「深み」という言葉は、自分が使うものではなく、 周りの人たちが、その人柄を感じとって、使うものだと思う。 歳を重ねてくると「深みのある人」と言われるのに憧れるのは 私だけではないだろうが、これが難しいんだなぁ。
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