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| 2014年10月29日(水) ■ |
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| 秀吉のことばに、利休がだまって(深々と)うなずいた。 |
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書籍「利休にたずねよ」 (山本兼一著・PHP研究所刊・418頁)から。 ストーリーが、利休切腹当日から遡る展開からか、 これからどうなるんだろう、というような、 ワクワクしたり、手に汗握る展開というよりも、 「どうして?」を静かに確かめていく感覚が残る作品。 冒頭、秀吉から「死を賜った」利休の呟きは、 「女と黄金にしか興味のない下司で高慢な男が、天下人になった。 そんな時代に生まれあわせた我が身こそ、不運である」。 それなのに、利休は秀吉の何気ない台詞に対し、 「侘び・寂び」に対する理解者として、頷くシーンが何度かある。 「『瓜はもぎたて、むきたてが馳走か』・・・ 秀吉のことばに、利休がだまってうなずいた。 『四季折々の風物にこころを砕き、なにに命の芽吹きがあるかを 見つめておるつもりでございます』」とか 「『茶を飲むのに外道も王道もあるまい。 その日、その時のこころに適うのがなによりであろう。』 秀吉のことばに、利休が深々とうなずいた」 他の者に対して、利休が「だまって」とか「深々」と 頷くことは少ないからこそ、私にはそのシーンが鮮明に残った。 結末は悲劇に近かったけれど、利休の茶に対する秀吉の理解は、 どの武将よりあったのではないか、と推測される。 この二人の関係、微妙だったんだよなぁ、きっと。 どちらも引くに引けない立場って、難しいな。
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