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しもさんの「気になる一言」
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2014年06月14日(土)
なんだか、なんでも取り返しがつくみたいな

書籍「私の男」(桜庭一樹著・文藝春秋刊・379頁)から。
以前、直木賞作品として読み、最近、映画化されたと聞いて、
鑑賞前に原作を・・ともう一度、読み切った。
キーワードとなるのは「サムシング・フォー」。
(Something Four) は、結婚式における欧米の慣習。
結婚式で花嫁が4つのものを身につけると、
幸せになれるというものである。
由来は「マザーグース」の歌らしい。
幸せになれたかどうかは、その人の考え方次第だが、
人生は取り返しができるのか、どうか・・
そんな視点に頷き、この言葉を選んでみた。
「東京の花火大会って、年に一回じゃないのね。
あっちこっちで、何度も何度もするんだって。
なんだか、なんでも取り返しがつくみたいな」
人生において、これだけはどうしても譲れない、と
思っていたことが、意外と大したことでなかったりする。
どうしても、これじゃなくては・・と欲していたものが、
意外と、そうでもなかったり、人間の欲は限りないが、
物語の中で、こんな言葉に反応し慌ててメモをした。
「意欲なんてものは、ありすぎてもなさすぎても、
生きるのに不便なだけだと思う」
なさ過ぎると、生き甲斐とか、やる気が起こらないが、
あり過ぎても、自分だけで空回りし、周りに迷惑をかける。
それは、私も経験としてわかる気がした。
愛する人の全部を自分のものにしたい、という欲は、
生きていくのに不便な環境を作ることなんだろうなぁ。
映画は、どんな部分にスポットを当てているんだろうか、
その違いをじっくり眺めてみたい。

P.S.
「サムシング・フォー」とは、
家に伝わる古いもの(Something Old)
門出にふさわしい新しいもの (Something New)
幸せな人から借りたもの(Something Borrowed)
青いもの(Something Blue)