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| 2014年06月02日(月) ■ |
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| 第1・第2は順位じゃない。役割が違う。 |
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映画「25年目の弦楽四重奏」(ヤーロン・ジルバーマン 監督)から。 弦楽四重奏は、弦楽器4本の合奏形態であるが、主に 第1バイオリン・第2バイオリン、ビオラ・チェロ。 この程度の知識で観始めたが、大きな勘違いに気付いた。 2本のバイオリンは、2人で同じ旋律を演奏し、 演奏技術の順位だと思ってたいたから・・。(汗) 作品中、第2バイオリン演奏者が、ある女性に言い放つ。 「第1・第2は順位じゃない。役割が違う」。 「どう違うの?」と彼女が訊ねる。「主旋律を弾いたり、 その下だったり。ソロ的な要素の第1バイオリンと、 水面下で豊かに流れるビオラやチェロを第2がつなぐ。 みんなをつなげるのが、僕の仕事だよ」と誇らしげに答える 第2バイオリニストが印象的だった。室内楽形態の中で、 ピアノ三重奏は三者の競い合う性格が強いのに対し、 弦楽四重奏は四者が協調して一つの響きを作る性格が強い。 だから、調和役ともいえる第2バイオリンの役割が大切、 「僕がいないと退屈な三重奏団だ」と言いながらも、 思いっきり「旋律」を弾く第1バイオリンへの想いもある、 その葛藤が、とてもうまく表現されていた作品である。 「第2バイオリンの演奏が、色彩、質感、リズムを与える」 「第1バイオリニストを引き立たせ、決して自分は前に出ない」 「たとえ第1が優秀でも、第2の質によってより際立つんだ」 そんなフレーズが印象に残った。 機会を見つけて「ベートーベン弦楽四重奏曲(作品131)」、 聴いてみようかなぁ。
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