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| 2014年05月14日(水) ■ |
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| (モンタージュ写真は)抽象的な印象を伝えられない |
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書籍「祈りの幕が下りる時」(東野圭吾著・講談社刊・381頁)から。 いろいろな場面に、犯人を探すヒントが散りばめられていて、 知らない間に、グイグイ引き込まれてしまった作品である。 そんな中、この発想はどこかで使えるかな、と思えたフレーズ。 警察の犯人探しに、似顔絵が使われている理由。 「かつて、警察で頻繁に活用された、モンタージュ写真がすたれたのは、 あまりにも具体的すぎて、抽象的な印象を伝えられないからだ。 逆に、似顔絵は、目撃者の話を聞いた係官が、 イマジネーションを働かせて描くだけに、印象を優先させたものとなり、 見た人間の記憶を刺激しやすくするのだ」 ちょっとくらい顔かたちが違っていても、その人が持っている印象、 たとえば「明るい」とか「暗い」といった抽象的な印象のほうが、 犯人を探す場合に役に立つようだ。 それって、世の中の情報がデジタルになればなるほど、大切な要素であり、 機械とは違った、人間独特の勘みたいなものだろうか。 「第一印象」などという言葉もあまり耳にしなくなったけれど、 以外と、自分で感じた「印象」って当たっていることが多い気がする。 「客観的」な判断も大切だけれど「主観的」な意見も大事になってくる。 そうでなければ、みんな同じ考え方、同じ判断結果になってしまうから、 もっともっと「主観的意見」や「第一印象」を大切にしていきたい。
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