
|
 |
| 2014年04月12日(土) ■ |
 |
| 花ひらき はな香る 花こぼれ なほ香る |
 |
映画「阿修羅のごとく」(森田芳光監督)から。 冒頭に「阿修羅」の定義がテロップで流れ、慌ててメモをした。 「阿修羅」とは、 「インド民間信仰上の魔族。外には仁義礼智信を掲げるかに見えるが、 内には猜疑心が強く、日常争いを好み、たがいに事実を曲げ、 またいつわって他人の悪口を言いあう。 怒りの生命の象徴。争いの絶えない世界とされる」 そして、作品後半に「女は阿修羅だよなぁ」のフレーズが突然現れる。 この「阿修羅」に関する「対」がとても効いていて、 さすが「原作・向田邦子さん」って感じで観終わった。 長女(大竹しのぶさん)の不倫、二女(黒木瞳さん)の夫の浮気、 三女(深津絵里さん)の嫁ぎ遅れ、四女(深田恭子さん)の同棲が 絶妙のバランス配置され、個性ある四姉妹を演じていて面白かったが、 もしかしたら主役は、仲代達矢さんと八千草薫さんの夫婦だったかもしれない。 さらには、長澤まさみさんが里見洋子役で、ちょっぴり出演していたのには驚いた。 ただ、気になる一言に選んだのは「花ひらき はな香る 花こぼれ なほ香る」 彼女たちが生まれた竹沢家に、そっと飾られていた軸(横長)の言葉。 これは故・森重久弥さんが、飛行機事故で亡くなった向田邦子さんの偲んで 墓標におくった言葉として知られている。 墓碑銘に刻まれている言葉は「花ひらき はな香る 花こぼれ なほ薫る」 (「香」は鼻で感じる匂い、「薫」は雰囲気や肌で感じる匂いとされる) 漢字がちょっと違うが、そのフレーズをサラッと使うあたりが、 監督・脚本家の妙ってところだろうか。 もう一度、図書館で原作を見つけて読んでみようと思う。
P.S. 昭和54年夏・毎朝新聞の投稿「主婦・四十歳 匿名希望」 新聞投稿は、匿名はダメじゃなかったかなぁ。(笑)
|
|