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| 2013年09月02日(月) ■ |
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| 季節外れの風鈴ほど、悲しい音はないもの |
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映画「あなたへ」(降旗康男監督)から。 今回は、オーソドックスに気になる台詞を選んでみた。 作品冒頭、夫婦役の高倉健さんと田中裕子さんの会話。 「いい音だ」と、風鈴の音に感激する夫。 「でも、秋になったら忘れずにはずさなきゃね。 季節外れの風鈴ほど、悲しい音はないもの」と妻。 この会話が核となって、物語は展開する。 「いつもでも自分のことを思い出してくれるのは嬉しい、 だけど、時が来たら、私のことを忘れて、 あなたの人生を歩んでください」 そんなメッセージを伝え、妻は病気で死んでいった気がする。 ラストシーン間近に、夫が悟るシーンを発見して頷いた。 「女房にとって、自分はなんだったんだろうって、 そればっかり考えながらここまできました」と悩み続けたあと、 「あなたにはあなたの時間が流れてる、そう言いたかったんだと」 だから、墓に埋めずに「故郷の海へ散骨」という方法を、 「あなたへ」と書いた、夫宛てのはがきを残したに違いない。 全体には切ない物語だったが、夫婦とは?・・と考えさせられた、 静かだけど胸にしみた作品である。
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