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| 2011年10月25日(火) ■ |
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| あっ、わかってる、わかってる、しっかりおやり。幸せにな |
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映画「秋刀魚の味」(小津安二郎監督)から。 今更、私がわざわざ書かなくても・・と思うくらい、 驚くほどの人たちが、この作品の感想をネット上に書いている。 そしてまた、全編を通して、一度も登場しないのに、 タイトルが「秋刀魚の味」だから、その推測も多くの人が・・。(笑) 一度、「秋刀魚の味」で検索して欲しい、本当にビックリするから。 さて、私は私の方法で・・とメモした台詞を振り返って眺めていたら、 ひとつ気付いたことがある。 1回の台詞が非常に短く、NGを出すような長い台詞は無いに等しい。 それが、ひとつのリズムとなって、画面の切り替えに繋がっている。 日常生活の家族の会話って、こんなもんだよなぁ、と感じた。 最近、1人の台詞が長くて、走り書きでメモをするのに苦労するが、 この作品は、そんなことは1度もなかった。 だから今回の「気になる一言」は、あえて長い台詞を選んでみた。 岩下志麻さん扮する娘が、結婚式を前に、父親役の笠智衆さんに、 お決まりの挨拶をするシーン。 「おとうさん・・」と口にした途端、その後の彼女の台詞を遮って 「あっ、わかってる、わかってる、しっかりおやり。幸せにな」。 これが、娘を嫁にやる父親の気持ちであり、 「長い間、お世話になりました」というフレーズは耳にしたくない、 父親の本音が伝わってきた。 ニュースになるようなことは何も起こらない、 どこにでもある日常生活なのに、こんな温かい胸を打つ作品になるのは 「魔法」を使っているとしか、言いようがない。 そう「オズの魔法使い」ではなく「小津は魔法使い」です。
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