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しもさんの「気になる一言」
しもさん
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2003年05月14日(水)
客の気に入った器が、その人にとって名作なんだ

読みきれる自信がないけれど・・
「秘花」(連城三紀彦著・527頁)を読み出した。
その中に、陶芸教室の先生が生徒の作品と一緒のスペースに展示。
値段にも大差を付けず、一見しただけではわからない並べ方をする
シーンが出てくる。
生徒のそんなことしなくても・・と気を使う雰囲気を察して
先生が一言呟いた台詞が、気になる一言。
「名前なんか焼き物には関係ない」と言い切ったシーンである。
これは「陶芸」というジャンルに限った話ではないと思う。
どんな素人の絵画、どんな無名の人の書でも、
気に入って飾っておきたいと、心が動けばその人にとって名作、
そんな気がする。
あの人が描いたから名作、ではなく、私の心が感動したから名作。
そう解釈してみると、美術館めぐりも楽しくなる。
もしかしたら文章の分野でも同じことが言えるかもしれない。
書いた本人でさえ忘れているような文章を、
私は大切に保存しています・・というメールをいただいた事がある。
正直嬉しかった。こんな素人のコラムを覚えていてくれるなんて・・。
だから、この一言が私のアンテナに引っかかったのかもしれない。