よるの読書日記
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| 2003年05月31日(土) |
危険人物 取り扱い要注意 |
『王室スキャンダル騒動』<遠藤淑子/白泉社> ヨーロッパの小国で身体の弱い父王に代わって政務をとる、 変わり者でお金に目がなくて(←財政赤字だから)、 トラブルとは切っても切れない仲のエヴァンジェリン姫と そのおかげで平穏無事とは無縁の日常を送る執務官、 オーソンのお話。 無茶で乱暴で過激なお嬢さんと苦労性で真面目で説教魔の男、 という組み合わせは遠藤まんがに付き物ですが、 この作品が原点に当たるのかな。 あと、自分でも認めてるけど爆発と動物も絶対に出てくる。 執務官達にいたっては自国のお姫様をオーソンになついてて 言うことをよく聞く、とか動物扱いしている。本人は お姫様扱いと言う言葉があるのにこれは何だ!とか 怒ってますが、仕方ないだろうな〜。猛獣より手におえないもん。 でも、こういう破壊神様みたいなひと私は結構好きです。 お友達になりたいぞ。 一緒に「トウシューズに画鋲」「踊ると破けるチュチュ」 「ラケットを隠す」「密室に閉じ込めて試合欠場」 ……楽しそうじゃないか。
『女のことわざ辞典』<林真理子/講談社> 内容がやや古いですが。1989年の本だもんね。 でも、なかなかためになりました。 むつかしきは男女の中、わかっちゃいるけどやめられない、 ってとこでしょうか。傍観者は楽ですが。 彼女の教えが実践に役立つ日は、あまり期待してない。
| 2003年05月28日(水) |
このミステリーがすごい! |
『てのひらの闇』<藤原伊織/文藝春秋> うーん、今年の一番星に当たっちゃったかも。少なくとも 前半お気に入り一位は間違いないぞ。タイトルにまず惹かれる。 主人公堀江は大手飲料メーカーの広報担当、肩たたき寸前の アル中気味(またかよ)サラリーマン。ある日、社長直々に 呼び出された彼は、人命救助を奇跡的に捉えた瞬間のVTRを 見せられる。しかしその映像の持つ問題点に気づいた彼はそれを 指摘。その翌日、社長の自殺が報じられ……。
物語も秀逸で一気に読ませます。が、それはこの際 置いておいて、謎を解く鍵でもある過去の 設定がいいんですよねー。 坂崎と若。菅原文太と佐藤浩市でぜひ映像化してほしい。 単に主従ものに弱いんだろと言う指摘には すんませんねと笑うしかないが。
『コスメティック』<林真理子/小学館> 婚約者を振る台詞が“失敗する時間がもったいない。” カッコいいー! 広告代理店の窓際OLからヘッドハンティングされ、外資系 化粧品会社の広報担当に転進した女性の奮闘を描く本作。 WOWOWでドラマ化されたとき、民放各社がスポンサーに 恐れをなしてできなかった、とか言われていましたが。 そごいぞコスメ業界の内幕。化粧品の原価一割とか、 外資系コスメの売上全部合わせても化粧品全体の二割で 国産企業がすごく強いとか、本社が広報の仕事振りを 査定するのに雑誌に掲載された大きさ定規で測るとか。
そう、雑誌の力って大きいんですねー。私あんまり ファッション誌とか読まないんでびっくりしましたが。 そう言えば昔、今井美樹のドラマで『ブランド』だったかな、 ファッションの広報担当主任が出てくる話がありましたが、 あの時やたら雑誌の人が偉そうなんで何でかなー、と思った覚えが。 記事が売り上げに直結するんだもん、当然よねー。ちなみに 大手雑誌の美容担当には各社から毎週ダンボールで新商品が届くとか。
それに立ち向かう広報の人も、化粧品会社の顔として 2か国語3か国語を操れるのはもちろん、 最先端のファッションやメイクに身を包む文字通り 歩く広告塔でなければならず、その上実力がなければ 簡単に首が飛ぶオッソロシー世界に身を投じているのです。 確かに大変でしょうが、こんないかにも女のものを売る企業で 女としてばりばり働くって確かにものすごい充実感だろうと思う。 もう専業主婦とか永久就職なんてつまんなくなっちゃうだろうな。
1巻しか日記には何故か登場してませんがもう 『君のいない楽園』<佐野未央子/集英社>も五巻。 順調に成長して中学三年生の十萌ちゃん。 八神君とのやりとりとか、なにやらこそばゆく もどかしくって妙に懐かしいですなぁ。 価値観も考え方も全く違うのに、何か気になっちゃう。 この二人がどうなるのか、気になるところです。 あっさり初恋が成就してもなんかいかがわしいとは思うし。 三果子さんが気の毒な気もするし。頑張れ八神。 現実は高校違っちゃったらそれまでだとも思うけどねぇ。 私なんか中学時代の同級生の消息ほとんど知りません。 皆生きてるのだろうか……。
しかし彼女の一人称は相変わらず十萌。言葉づかいは乱暴で (初めて覚えた言葉…おうおうおう)格闘技をこよなく愛し スカートの下にはトランクス着用の少女なのですが。 でも「あたし」とか「私」がまだ似合わないのも確か。 オレとか言ってる方が有り得てしまうかも。 大好きなパパがつけてくれた大好きな名前だから、というのが あるんだろうな。
| 2003年05月23日(金) |
呑んだら酔うな 雰囲気に |
『一緒にごはん』後編<谷川史子/集英社> 少女マンガの王道「一つ屋根の下ラヴ」後編です。 前編は休止中に読んだ模様。現実に女の子一人で男子寮に 住み込んだら甘ずっぱいどころか危険。 「無事に暮らせてるの?」というご学友の懸念、ごもっとも! 黙認してるなんて本人もどうかしてると思うが周囲も呑気過ぎだ。 まー私の持ってる男子寮生のイメエジというのは女子寮に 入ってた時交流行事で見かけた方々が基なんで、皆が皆 荒くれ者っぽい(たまたま?)わけではないと思うのですが。 別に何かされたわけではないのだが……むしろ個々と話するだけなら 紳士だったような……まぁでも寮ってお酒がからむ行事も多いしね。 行事に必ずお酒がからむといった方が正確だろうか。 何度も酔っては(寮生以外ではあるが)押し倒されてる梅ちゃん、 君は飲まないほうがいいのでは……。
ちなみに前後編ともに読みきりが1つずつ収録されてますが、 これもどっちも「一緒にごはん」な二人の話。私は『秋便り』が 好みでした。谷川さんって結構昔はヒロインにいぢわるしたり 誤解させるような女の子にちゃんとフォロー入れてたのに、 最近しなくなりましたねー。現実はたぶんそういうことの方が 多いんだろうが。ヒロインの年齢がやっぱり関係してるのかな。
『癒される旅』<田岡由伎/講談社> 副題が「極道の娘が自分探し」で、田岡さん。 この人って喜多郎と結婚してたんでなかったかな。 じゃあ本名は喜多さんなんだろーか。と思って読んだら たまげましたね。喜多郎と言えば壮大で荘厳な音楽作る人で、 結婚相手にまあ世間からは忌避されかねない女性を選ぶ人なら 相当な胆力の持ち主かと思ってたけど、うーん、ファンの人は 読まないほうがいいかも。あんまり誉められたことは書いて ありません。この方、今はカウンセラーをしてらっしゃるとかで 人の悩み聞くくらいだから自分の中では整理のついた問題らしく、 当事者としては冷静に書いてあるように思えるけど、元夫の 言動はひどいです。えー、がっかりって感じ。作品=人間性と 思いたいところですが、あの哲学者的風貌からは 想像つかないごたごたっぷり。
結婚したことばかりが有名みたいですが、実質夫婦生活は 相当短かったみたいですね。 結婚して、歯車が合わなくなったころに妊娠、 実家帰ってる間に実母の病気が悪化、その看病と母を亡くした姪の 面倒を見るために妻がぐずぐず実家にいる間に自宅に 元カノを連れ込みそのままなし崩しに別居、ずーっと はっきりしないまま別居、子供とまともに暮らしたことないまま離婚、 嫁入り道具そのまま置いてある家で再婚。離婚の常識は よくわからないし、こういうもんは出て行くほうが引き取りに 行くものなのかもしれませんが、送るぐらいしてやれば? 次の奥さんもどんな神経なんだろ。 傍目から見たら奥さんが夫をないがしろにして先に出てった図式かも しれないけど、戻ってきても入れようとしなかったのは夫なんだよね。 まあたぶん喜多郎氏側の言い分もあるんだろうし、 今は友達で(ホントか)、ケリがついてるみたいですが。 どうにもはっきりしない人だったみたいですね。自分を 悪者と認めるのがイヤ、みたいな。作品から想像つかない小物ぶり。
かくのごとき経験を経て今カウンセラーやってるこの人がいるわけですな! カウンセラーにしては「自分は身長何センチで何キロの大デブだった、 だからもてなかった」という判断基準がそれ、本当に太ってる人が 聞いたら怒るぞってなものだったり、息子が金髪にした時の感想が 「IQナントカ以下」だったり、どうよという表現がありましたが。 それにあんまり落ち込んでる時に「私はカウンセラーに向いている!」 と公言するような自信たっぷりな人に会いたくない気は、するんだが……。
『魔羅節』<岩井志麻子/新潮社> 何とも恥ずかしいタイトルです。いいのかこんなのつけて。 よく知りませんが読み上げソフトとか使ってて人に聞かれると 恥ずかしいかも。こんなの生真面目に読むんでしょうか機械。 もっと書いてやれ、まらぶしまらぶし。まらまら。 ――小学生か、私は。 短編集で、表題作も入ってます。岡山が舞台であることが 多い作者にしては、別の地方の話もあって、色々 模索してるのかなぁ?よくわかりませんが。 まぁどこが舞台でもえぐい話には変わりないけど、 あの岡山弁が怖さを助長するんですらぁ。岡山の人ごめん。
『きものをめぐる物語』<林真理子/新潮社> 林センセイってホラー作家になっても大成してたんじゃないだろうか。 怖いよこの本。図書館で借りたので良かったー。手元に置いておくの怖い。 短編集ですが全編怖い。おんなの、着物にまつわる怨念情念因縁が 全て詰まってます。もう甘っちょろい心理サスペンスなんかより よっぽどドロドロドロ。これはやっぱり大事にすれば孫子の代まで 持つ、という着物ならではなんじゃあないでしょうか。 西洋でも着道楽な人はたくさんいたと思いますが、たぶんよっぽど 奇抜な色柄でなければ形として完成されてる着物と違って、 流行り廃りがはっきりしてる分、どんな高級品でもそうドレスに 愛着は湧かないのでは。曰くが付きまとう意味では宝石のほうが 近いのでは……と思うのですがどうでしょう。 『リング』が怖くて二度と観れない、って人の気持ちがようやくわかりました。 正直言うと、もう読みたくない。読んだことない人にはオススメしますが、 私は絶対もう読まない。ちなみに挿絵に『ぼっけえ、きょうてえ』の 表紙と同じ絵が使われてます。甲斐庄楠音の『横櫛』だそうです。
『ハーモニーの幸せ』<田口ランディ/角川書店> 最初、男なのかと思ってましたらこれはハンドルネームらしい。 ネットが生んだ作家さんなんですね。 一個のおにぎりで悩み苦しむ人を何度も救った、という東北の 女の人に会いに行った話が良かったです。 おにぎり。今、コンビニでも高級志向でおいしいのが買えますが、 でも手軽で気軽なジャパニーズファーストフードの代名詞的存在。 それをその人は一個一個心をこめて握る。 「面倒くさいと言うことが嫌い。」とその人は笑う。 有機野菜だの無農薬にこだわらない。農家の人が売れないからと くれる小さなおいもを、丁寧に皮をむいて料理する。
これってたぶん昔はどこのお母さんでも毎日やってたこと なんじゃないかと思うんですね。 今の忙しいお母さんにそれを毎日しろとは言えない。自分にやれって 言われても絶対できない。でも時々でいいから、もっと 食について真面目に向き合うべきだよなー。スーパーで簡単に 買えるお惣菜、おにぎり1個だって、必ず誰かの手がかかってる。 たまのお休み、遊園地に行ってなんびゃくえんのジュース飲むのも いいですが、ちゃんとお米研いで、お鍋でご飯炊いちゃったりして、 家族全員でおにぎり作ってみてはどうでしょう。 不恰好で大きいお父さんのおにぎり、やっぱりきれいなお母さんの おにぎり、庭がある人は縁側で、なきゃ近くの公園まで歩いていって、 そこでぱくつくのも乙なもの。魚沼産コシヒカリじゃなくても、 絶対美味しいに決まってる。
『キャンディライフ』<小川彌生/講談社> はっきり言っちゃおう。嫌いだこのヒロイン。 ひたすら他力本願で。少しは成長してくれるのかと 思いきや、一巻完結でハッピーエンドだし。 不幸な時に「どうしてあたしがこんな目に!」 とか泣く女なんかつまんない。男に捨てられたのは あんたの見る目がないからで仕事を首になるのは 他の子の方が使えるからなんだよっ。 そこで何にも悩まずあっさりまっすぐ男にすがるな。 しかも全然好きでもない奴に。
「スミレちゃん(きみはペット)の姉妹も大活躍!」の 宣伝文句につられて買って、私のような思いをした人は 結構いるのではないかね。実際この阿呆なヒロイン よりも、きみぺではひたすら怖いけどこの物語では ちょっと感情表現が不器用なお姉様のほうがずっと 感情移入できるし、まず明らかに作者自身その傾向が 顕著に見られると思うんだよね……。 読者受けを狙って作者が好きじゃないタイプを無理矢理 ヒロインにしてはいけません、ということですな。
しかもずれている。ついでに「あいとまこと」も ずれている。梶原一騎原作の漫画ですか〜。 メイン購読層がいくつか知りませんが スミレちゃんより下の世代にはわからないと思うぞ〜。 私なんか「♪まこ 甘えてばかりでごめんね」だと思ってました。 そしてひょんなことからそれは「愛と死を見つめて」 であり、歌は「みこはとっても幸せなの」と続くことを 知りました……。
| 2003年05月15日(木) |
映画のロケ地は新潟県 |
『 連合赤軍「あさま山荘事件」 』<佐々淳行/文春文庫> 映画の原作。というか実際の事件のドキュメント。 しかも指揮に当たった本人が記した、犯罪史上においても 将来貴重な文献になるであろう作品。 読み物としても実話の重みがあって読ませます。
失態だらけだぞ長野県警。口で言ってることとやってることが 違うぞ長野県警。オチまであるのか長野県警。 と、まあ長野の警察関係者の血圧をつい心配してしまう内容が 満載です。うーん。誇り高き教育県で俄かに起こった 凶悪事件に冷静に対応しろと言うほうが難しいんだろうし、 所轄と本庁の争いって未だにヒット映画のテーマになる問題だしなぁ。 長野県側の言い分もあるとは思うのですが。 人命がかかってる事件で喧嘩してる場合か?というのは ありますな。アメリカだと地元の保安官がFBIとちゃんと 連携してるっぽいのにねぇ。今頭に浮かんでるのは ツイン・ピークスなんで適切かどうかはわからないけど。 あ、そう言えばこのとき長官だった後藤田さんは日本に FBI制を導入しようって構想がある人でしたっけ。
『ハリー・ポッター裏話』<J.K.ローリング/静山社> 作者自身がインタビュー形式で語る、唯一と言っても いいであろう正式な関連本。発売元も本編と同じ静山社。 本の内容や今後の展開よりは作者の経歴とか愛読書について 詳しい感じがしました。 うーん、やっぱり子供のうちに名作にたくさん触れることは大切ね。 今ハリーを読める子供は幸せかも。
『何もそこまで』 『何が何だか』<ナンシー関/世界文化社> もうこの方の文章が読めないと言う事実。何か落ち込みます。 今後、やってる仕事はやたら安い(女優でも歌手でもなく バラエティタレントとしか言いようがない)のに私生活だけ 妙にゴージャスっぽい神田うのにいったい誰が突っ込んでくれると 言うんでしょう。 ついでにこの二冊を続けて読むと、田原俊彦の落ちぶれていく過程が 明確に追跡されてて泣けます。本当にファンじゃなくて良かった。 私はも〜、この人の庶民の視点に立脚された鋭い感性が大好きで、 珍プレーのナレーションはみのに限るぜとか、ついつい同学年で 芸能人をくくっちゃうとか。これからもまだまだ彫って欲しかったわ。
ちなみにうちの近所の書店では追悼コーナーができていた。 見る目あるじゃん。ただ、系列書店が協賛している絵画展の前売り券に ついて聞いても誰もわからなかったり、売り場にない本を尋ねても その場で他の支店にないか問い合わせるとかお取寄せしましょうかと 言わないとか、商売意識がどうにも希薄なお店なんですが。
| 2003年05月09日(金) |
わからんでもないが結論としては |
『光の雨』<立松和平/新潮社> 連合赤軍事件をモデルにしたお話です。事件から 数十年後、釈放され孤独に生きる老人が死を前に知り合った若者達に 銃を盗み、世間から隔絶された環境に逃亡したことで 銃に支配され、仲間同士で「総括」という名のリンチ殺人が 繰り返されていった当時を語る、という設定。 私は生まれる前なんで、どうしてもオウムを連想してしまうんだけど、 社会から逸脱した行為を繰り返して結果社会らから排斥される 小集団はお風呂に入らず武器や兵器を持ちたがりリンチ殺人が 横行する、ってお約束でもあるんでしょうか……。
読んでみて、かなりこれは事実に近い物語なのではないかなーと 感じました。山中で響く「総括せよ!」の声。 次は誰の、何が批判されるのか。拒否すれば次は自分が、 との思いから仲間を殴る者達。また批判の先鋒に立つ男の秘めた小心。 正直、それでも当事者達の心境の理解はできないしわかりたくないのが 本音です。ただなんとなく「彼らの心の闇に迫る」とか言うほどの ものでもなく、妊婦リンチしておいて子供は革命の子だから 助けたいみたいな幼稚さがあったりして、どこかで エスカレートしたものの本当に彼らが凶悪そのものだったのか、 というと違うのかも、とは思いました。 ナチスドイツ、大日本帝国、北朝鮮民主主義人民共和国。 ヒステリックで独裁的なリーダーとその愚かな命令に 従わざるをえないその他の事例はたくさんある。 んー、でもあさま山荘はいかんだろう。それに尽きる。
『きみはペット』6・7<小川彌生/講談社> 取材に行ったO温泉(船でしか行けない)って富山の 大牧温泉じゃないかな。よく2時間ドラマの殺人事件にも 使われます。携帯圏外でびびったとありますが、 都会の人はこれだからもー。山間部なんだから仕方ないじゃん。 今年私が旅したところも圏外になったところ多かったっすよ。 私の母校なんか数年前までは、一応金沢市内にもかかわらず すごく電話のつながりにくい場所でした。田舎自慢。
7巻では遠距離恋愛がスタート。ユリちゃんとの友情も 描かれてます。 SATC(「SEX AND THE CITY」)なんか 観てても思うんですが、もしかしたら大人の女にとって 恋愛より友情のほうが維持していく上では難しくて、でも 大切かも、と思っちゃったりもしました。 得難い友人がちゃんといる、ってありがたい事だよなぁ。
『きみはペット』4・5<小川彌生/講談社> 3巻でも思ったけど最初に比べて犬モモ、縮みましたね。 回想シーンでスミレも子供だったし仔犬なのかと思ったが、 この大きさで確定らしい。 4巻は特に好きな話が集中して入っているですが、 人モモが犬に見えてしまう話が一番好き。 期待が外れた時のショックな顔とか、飼い主を心配する顔とか たまらなくかあいい。とても猫好きの編集者が持ってくる 猫の資料を元に描いてるとは思えないリアルさ。 かあいいんですよ。ああたまらん。 単に犬好きってだけの話なんですが……へへ。
5巻ではとうとう男かペットか(それだけじゃないけど) を選ぶ局面に。難しいですよね。ペットは特殊な事例にしろ、 男の人は婿入りでもなきゃ考えないことだもん。 結婚で失ったり諦めるもの。苗字、仕事、遠距離の場合なら 今済んでいる所での生活。私なんか「ペット」を「本」に 置き換えたらくらくらしてきちゃいました。 「新居にそんなに置けないよ」と言われたらきっと 泣くでしょうね。マリッジブルーに火がついてしまうかも。
| 2003年05月06日(火) |
アメンボアカイナアイウエオ |
『っポイ!』22巻<やまざき貴子/白泉社> とうとう国籍も人種も超えたご友人がご出現。 平ちゃんは歩けば友達に当たるのね……勉強してろよ。 しっかし日本語がまあまあできる、という設定のアメリカ人が 片仮名交じりでべらべら話すので読みにくかったよ!
『おまけの小林クン』11巻<森生まさみ/白泉社> あんまり小林クンがこれ以上悲しい思いをする展開には しないでほしいなー。大切な、かけがえのない友達ができたことで、 またそれを失う不安に苛まれている彼が不憫です。 森生せんせ、小林クンを泣かせないでネ!(千尋クンは可。) 新キャラも登場でまだまだ続きそうでうれしいなぁ。 本の後半はぐっとアダルトな千尋の両親のお話。 何か色々考えちゃいました。 全体的にシリアスでいつものぽっぷんコメディのノリとは 違った感じでした。まあ長期連載ともなれば(勝手に決めてる) たまに毛色の違った作品があってもいいよね。
| 2003年05月02日(金) |
それぞれに不器用な人たち |
『きみはペット』3<小川彌生/講談社> ちょっとした疑問ですがスミレちゃんのお祖父様、 よく学歴も身長も給料も低い男(吉田君。水虫持ちのくせに 浮気相手を孕ませて出て行った。)との同棲を黙ってましたねー。 もしかして内緒にしていたんでしょうか。 その点蓮實先輩は子種検査さえオッケーなら即座にゴーサインが 出るでしょうね。間違いなく。 ところで親友ゆりちゃんの切磋琢磨もせずに自分は男運がないとか 思うなという台詞は素晴らしいですなー。心に響くよ。
さて今回は喧嘩の果てにモモも出て行っちゃうという展開に。 ペットも人だとけんかになるのね。当たり前か。まー現実に こんな忍耐強い二十歳の男の子はいないんじゃないでしょうか。 美女と暮らしてれば、相手が本当にはとこ(彼氏にはそういうことに) でもふらふらするだろうな。もっともはとこって六親等ギリギリだし、 ほぼ他人と変わんないよね。うちなんか多産な家系なもんで 何十人(百超えてる)かもいるかも知らないぞ。 なーんだ、はとこかーと安心してる彼氏、君もおかしい。
| 2003年05月01日(木) |
歌って踊れる可愛いペット |
『きみはペット』1・2<小川彌生/講談社> ドラマも始まるということで、本屋の試し読みに釣られて衝動買い。 大人買いって楽しいなぁ。 確かにペットは癒されるけど、大型動物は世話が大変そうだよなー。 私には無理だす。そもそも金銭的にとほほだ。食事だって ホームセンターで8キロ1280円、ってわけにはいかんだろうし。 光熱費とかばっちり人並みにかかるだろうし。 スミレちゃんだっていくらキャリアウーマンと言えマンションまで 買っちゃってローンも大変だろうに、やってけるんでしょうか? きっとそれだけの価値がモモとの生活にあるんだろうね。 確かにへこんでる時慰めてくれる存在ってありがたいだろうね。 動物と違って言葉も話せるし。
私の狭い世間にも、スミレ的な人は多いです。 負けず嫌いで努力家で、つい頑張りすぎちゃう女の子。 このマンガが受けたのは、彼女達の共感があったからだと思う。 男の子をペットに飼いたがる→女も強くなったもんだ、という とんちんかんな発想はなさらないでね、男性諸君。 しかしいくらなんでも血ゲロ吐くまでストレスためちゃあかんだろ、 スミレさん。そのうち死ぬぞ。
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