よるの読書日記
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2003年04月30日(水) 間違えて静かなる帝王

『五代目山口組がゆく!』<監修・山田勝啓/双葉文庫>
……間違えたんですわ実は。店頭に並んでるのをぼーっと見て
「へぇ〜。山口さんが監修してるんだぁ…。」
山口じゃなくて山田だし!大体山口組の親分は3代目から
世襲じゃないし、今渡辺さんじゃ〜ん。知ってた筈じゃん自分〜!
でも山口組の歴史とか結構面白かったです(笑)。
マジで血で血を洗う抗争史なんですね〜。仁義なき戦いって
実話だったんだ。それと山口組系直系組長の経歴リストもすごい。
皆誰がつけたんだ!というどすのきいたキャッチフレーズが。
曰く、「北陸の帝王」「九州のドン」「瀬戸内のカポネ」
「東海道の暴れん坊」「京都所司代」「山口組の沖田総司」
「北海のライオン」………。他にも侠客とか武田信玄とか
行動隊長とか知恵袋とか大久保彦左衛門がうようよいる組織、山口組。
その勢力分布図も興味深いですが、知れば知るほどお近づきには
なりたくないです。愛した男が極道だった、ってことだけは
どうかありませんように。ないと思うけど。
大体よく考えたらどんなかっこいいこと言ってても
「堅気に迷惑かけない」身上が尊敬される時点で何か間違ってるだろう!


2003年04月22日(火) 表紙は織田裕二

『T.R.Y.』<井上尚登/角川文庫>
映画とはまた一味違っていて面白かったです。
特に喜春姐さんがすっごくいいです。
若い頃は黒木瞳だったかも……な(笑)、
チャキチャキで威勢がいい芸者屋のおかみ。
気風が良くて度胸も満点な彼女こそ、この物語に
出てくるすべての男達のゴッド・マザーなのです。
こういうかっこいい姐さんになりたいですねぇ〜。

ただ、結構台詞にも地の文にも情報がいっぱい詰まってる分、
私にしては読むの時間かかったほうだと思います。
ポンポンとスピーディに読みたいストーリー展開なんだけど、
咀嚼に時間がかかっていらいらすると言うか。
たぶん映画の印象が強いので、そのペースにあわせて
読んだのが敗因では…って誰に負けたわけでもないですが。
登場人物も事件の展開も映画以上に複雑ですから
仕方ないですわね。もしも映画で「子供だまし」と
思ったひねくれたお人には原作を読むことをオススメします。
あ、そうそう一つだけ注意。諸葛亮孔明って田中芳樹あたりが
一番嫌がる人名の書き方でしゅ。中国を舞台に書いてるんだから
気をつけましょう。


2003年04月21日(月) オカンは強し


『花ざかりの君たちへ』20巻<中条比紗也/白泉社>
……いつの時代も母親って強いもんですよね、ホンット。
中津オカンも梅田ママもね。
「痛い思いしたんだもん幸せになってくれなくちゃっ!」
って、すげえ真理だと思うぞ。でも欄外の所に書いてる
作者さんのお母様も相当なスパルタ……(笑)。
「今思うとなんでそこまで叱られなきゃいけなかったかギモン」
って何かわかるなぁ。誰でも振り返ってみるとそういう体験の
一つや二つあるんじゃないですかね。
私は強情な子供だったのでよくありました、ふふ。
子供もいつまでも天使じゃないですからねー。
闘って闘って母は強くなるのよね。
おかげでうちは未だに敵いません。ていうか、今まで
進路とか夢とか男とか、力の限りぶつかる議題がなかった、
と言うのが大きいか。うわ寂しい娘。


2003年04月19日(土) ざる脳


『ハリー・ポッターの基礎知識』<東京ハリー・ポッター学会/ぶんか社>
『ハリー・ポッターの魔法の世界』<ディヴィッド・コルバート/角川書店>
関連本です。読んだそのときは感心するのだが内容はほとんど
覚えられない(笑)。錬金術師の記録等からハリーの生年月日を
計算してたのだけちらっと記憶に残ってます。学年で言うと
一,二年下ってところかしら。意外と近いじゃん!
でも、ダドリーの持ってるおもちゃからするとやっぱり
最近の子供って気がします。まいっか、ハリーが若い方が
シリウスも少しは若いってことよね。


2003年04月18日(金) 巻を重ねるほど面白い!

『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』上・下<J.K.ローリング/静山社>
やるやってしまうと聞いてはいたが本当にやってしまっただよ一気読み。
大親友ロンと大喧嘩してしまったハリーですが、
ああーやっぱりねーと妙に納得した私です。
一巻の名場面として、初対面のロンとハリーがワゴンいっぱいの
おやつを食べるシーンを上げる人は結構いるみたいなんですけど、
私だったらもしかして、すっごい遠慮して、遠慮し過ぎて
気まずくしちゃうかもしれない〜。とずっと思っていたのだ。
そうしょっちゅうおごってもらってちゃ気にするよねぇ。
何とか雨降って地固まったようで良かったです。

今回のいい見所と言えばやっぱりレディなハーマイオニーちゃん
でしょうかね。蛹が蝶になるように女の子は一気にきれいになるからね〜。
この3人の関係もこれから目が離せないポイントかも。
でもずーっと仲良しでいてほしいですね、できればこの子達には。

そして一番萌えたのはやっぱり黒いわんこであろうか……。
仕方ないだろうこの話の中で私の好きな要素を一番たくさん
持ってるんだから!彼と別れて帰るとき、ロンがハリーに言った
台詞にもう練りわさび食べたみたいにつーんとしてしまいます。
この人に、ハリーと一緒に幸せになって欲しい(変な意味じゃないよ)。
何か庇って死んじゃったりしそうで、またそういうシーンが
容易に想像できちゃって、心配……。


2003年04月17日(木) タンゴは黒猫 ワルツは白い犬

『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』<J.K.ローリング/静山社>
身内の悪口言われるのってこたえますよね。
何でだろう。例えば私の日記を読んだ人に
「よるパパって最低だよね〜。」
と言われたらやっぱり辛い。庇ってしまうかもしれん。
「これでも大分茶化してるし、過去の悪行にはあまり
触れてないのよ。」(←庇ってない庇ってないっ。)
ハリーなんか両親に対しては本当100%思慕しかないから
余計辛いだろうな。もし生きててくれれば
「うちのお母さん、身体にいいからって嫌いなもの
ばっかり僕のお皿によそうんだ。」みたいな子供らしい
不平不満もあったでしょうが、それすらないんだもんね……。

その分ハリーの名付け親ご登場は良かったですぅ〜〜。
今まで一人ぼっちだったハリーに、甘えられる人が
できたということが、もうあたしゃ嬉しくて嬉しくて。
その上こんなにまで人のツボを押さえた人物設定で
いいんでしょうか。ああ〜もう〜。


2003年04月15日(火) ばかのなまえ

『日蝕』<平野啓一郎/新潮文庫>
正直言ってもいいですか……あんまりよくわからなかったです……。
馬鹿呼ばわりを覚悟で言えば、果たしてこれが普通の現代文で
書かれていたとして、同じだけの評価を受ける
作品だったのでしょうか……。そんでもって解説もまた
難解でわかりにくく……。何なのさっ。
中世で神学僧が出てくると言うと映画『薔薇の名前』を
思い出しますが、そう言えばあれもわかんなかったな。


2003年04月14日(月) ゴースト 倫敦の幻

『イギリスに伝わる怖い話』<高橋 宣勝/大和書房>
ヨーロッパでいちばん有名な幽霊といえばハムレットのパパですが、
はて、キリスト教って幽霊はありなのか?というのが
長年の素朴な疑問でありました。天に召されるわけだしね。
やっぱり宗教的にはないことになってるみたいですが。
イギリスの人がミステリーツアーだの幽霊屋敷だの
好きってよく聞くし、怪談もいっぱい残ってるみたい。
それについて色々論じた本です。何と、北海道大学だったか、
大学の通常講義や他大学でも集中講義として行ったものを
まとめたものだそうで、いいなー、こういう講義。特に夏季。


2003年04月13日(日) トリビアの底なし沼

『日本猟奇・残酷事件簿』<合田 一道/扶桑社>
<本からのトリビア>
出歯亀は、女湯覗きの果てに妊婦強姦殺人犯になった。

<補足>開業したての銭湯は事件後客が減り閉店に追い込まれた。
二次被害と言えよう。

へぇ〜。って思いました?私は思いました。でもちょっと投稿は
しにくいですよね。深夜枠の時に知っていたら、してたかも。
デバガメって言葉の響きが何かユーモラスで、勉強会で
初めて女友達をうちに連れてきたおにいちゃんの部屋を
家族全員で偵察する、あるいは友達の初デートを
仲良しグループがつける、みたいな微笑ましい(?)イメージが
あったのですが実在の人物は本当に変質的で気持ち悪い。


2003年04月12日(土) 言葉、言葉、言葉。

『ものいふ髑髏』<夢枕獏/集英社>
ぞくぞくと楽しい短編集。古典風の作品もあるので
『陰陽師』が好きな人には特にオススメ。
『びくいしとい』は、後ろから読むのがミソ。
巻末のあとがきを読むまで気づかなかったけど……。
言葉を愛してやまない作家さんなのだなとわくわくしました。


2003年04月08日(火) ほな行きまひょか〜

『大阪街図』<京阪神エルマガジン社>
これ、ガイドブックだと思うのですが、文章がとても
面白いので。姉妹本として京都、神戸があるみたいです。
いかにも地元を知り尽くしている、という雰囲気と
有名ガイドブックと違って広告ページがほとんどない分
軽いのもいい。ただ、この中の地図を見ても鶴橋では
迷子になりました。うちらだけだろうか……。


2003年04月07日(月) ブラックホール

『輝夜姫』21巻<清水玲子/白泉社>
……変だと思ったらすみません20巻を書いてないのですね。
いや、図書館も行ってないし、本もあまり買ってないし、
復元しようと思えばできないことは……。
この本の山から2002年の6月から11月前半までに
買った本を探すことくらいは……どうでしょう……。

前作ではずっと生死が不明だったマギーが再登場、
更に今まで名前しか出てこなかった柏木さんが
意外な関係者として初登場。由と絶交しタイに戻った碧に
仕掛けられた罠……とスリリングに展開し、
今回はその柏木さんが物語最強の敵として執拗に
晶と月の石を狙ってきます。この人有能だわ
どんな姦計もためらわないわ手強い大悪党
なのですが、何故か敬称抜きで呼べない。怖い(笑)。
とりわけまゆに対する態度はヒドイ。
身近にうんときれいで賢い子がいたとしても、
自分の子が一番可愛いのが親のはずなのにね。
他のドナー達も「自分のお腹を痛めた」子達の生命の
スペアとして世に生を受けた訳で、それって愛と
いうよりはエゴだと思うのですが。
さて、次に犠牲を祓うのはどっちだ?緊迫の展開は
まだまだ続く。そして私の2002年夏も空白のまま。


2003年04月06日(日) 遠藤印お徳用

『スイート ホーム』<遠藤淑子/白泉社文庫>
好きな作品がたくさん入っていて嬉しい文庫。
化学室の雑巾水をかけたポトスが三年かけてやって来る
『ポトスの恩返し』とか、お見合い相手がくまに見える
『四百年前の約束』。将軍の寵愛ではなくどちらが本当に
強いかを争って戦争してしまう『熱闘!大奥』とか。
設定の奇抜さ面白さがたまりません。
これが綺麗な絵、可愛い絵じゃないのが、かえって
リアルでイイのかも。


2003年04月04日(金) お嬢様の匂ひ

『ノルウェイの森』下<村上春樹/講談社>
えーっと、確か昔お嬢様ブームってありましたよね?
もしかしたらこの小説がかかれるちょっと前かもしれないけど。
何かね、そんなことを思い出しました。
主人公が深く関わることになる3人の女性が、揃いも揃って
「名門女子校に通っていた」とか、「本格的にピアノを学んでいた」
(今はそうでもないけど一昔前はやっぱり相応の家庭の娘じゃないと
無理だったと思うのね)“お嬢様”の資格を持ちながら、
なりきれないおんな達なのです。どの辺がなりきれていないのか。
ずばり下半身関係が。誰彼構わずふしだらって訳じゃないけど
21世紀の今読んでも信じられないほどあけすけなんです。
あんた達は『SEX AND THE CITY』(NYのキャリアウーマン
4人組が繰り広げる過激な恋愛生活を描いた海外ドラマ。R‐15。)
の登場人物かー!?それも恋人でもない男に話すかそういうこと。
こういうのいいんですか男性諸君。昼は貞女夜は娼婦、みたいで
そそるわけ?何か間違ってるぞ、絶対。


2003年04月03日(木) 琥珀色のときめき

『すてきな紅茶生活』<斉藤由美/PHP>
英国紅茶の代名詞のように、やっぱり出てきましたPGチップス。
日本でいう「伊藤園のお〜いお茶」みたいな存在なのかな?
そうだよね、私だって日本茶は好きだが茶道は不心得だもん。
イギリスの人はアーリーモーニングティーでしょ、
三度の食事にティータイム、一日に何杯も飲むのに
毎回ティーセット出してやってらんないよねぇ。
他にも紅茶の歴史やレシピなど、紅茶にまつわる
すてきなお話が満載の楽しい本でした。


2003年04月02日(水) 世界の果て

『不倫と南米』<吉本ばなな/幻冬舎>
本作品の舞台はアルゼンチン。遠そうです。遠いんだろうなぁ。
そこで祖国を思い出したり、海を越えて憎しみの電話があったり。
南米だろうとどこだろうとやっぱり本の中は
吉本ばななの世界でした。

しかし実際の南米はやっぱりまだまだ物騒みたいですね。
なかなか気軽に出かけられるもんでもなさそう。
身代金目当ての外国人の誘拐とか、政情不安に麻薬・テロ……。
遠くても地球上に確かに存在するその土地なのに。
つい他人事のように思ってしまう、私の気持ちが一番遠いのか。


2003年04月01日(火) 因果応報 自業自得

『ヒトラー検死報告』<同朋舎出版/ヒュー・トマス>
ネオナチな人に是非読んで欲しい一冊。
著者は世界的に高名な外科医だそうで、当時の検死資料や
死の直前の映像などから、明快な結論に達しています。
曰く、ヒトラーは自殺ではない。
晩年の彼がパーキンソン病だった、というのは一部に知られた
話ですが、どうも映像や関係者の証言によると相当進行していた
らしいのです。悪いけれどそんな人が、銃の引き金引いたり、
毒物のカプセル噛み砕くといった力のいる動作はまず無理。
死の直後の状況も関係者間でかなり食い違ってるんだって。
つまり、あのちょび髭の総統さんは、自らが取り立ててやった
側近さん達によって厄介払いされちゃったと言うわけだ。

更に付け加えると、どうも一緒の死体はそれらしい偽装工作は
してあるもののエヴァ・ブラウンではないらしい。
女にも裏切られてしまったのね。最後の日々を過ごした地下室
というのも、換気の設備が不十分で随分と素敵な環境だったようです。
幹部の子供達まで悲しい最期となったのはちょっと可哀想ですね。
ただこの本、ナチスドイツやヨーロッパ戦に詳しくない私には
逃亡した幹部の逃走経路の話だとか読んでもわからないところも
多かったです。そこがちょっと、欧米の読者に向けて書かれた
本と言う感じで難しかった。


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