幸せ記録帳
涼香



 花火

 花火を見ていると、わたしはいつもドキドキする。
 一瞬の爆発音に、夜空を彩る光。
 そのすぐに散ってしまう空の花は、とても綺麗で、でもすぐに消えてしまう。
 なのに、観た花火の記憶は、心に記憶にずっとずっと残っている。

 友達と行った夏の花火大会。
 場所取りが大変で、人ごみが苦手なわたしは実はちょっとしんどかったりもしたんだけど、それでも、記憶に残っているのは、あの公園の樹の間から見た、大きな花火。

 文化祭の後夜祭。自由参加で、最初はさっさと帰るつもりだったのに、やっぱりお祭り気分を味わいたくて残っていて。そしたら、最後に校庭で打ち上げられた花火。ああ、これで本当に文化祭が終わっちゃったんだな、って思うと同時に、ちょっとだけ青春ってこういう感じなのかなぁと思った。

 海で花火しようと計画を立てて、クラスの子たちと騒いだ花火もあった。海風でなかなか火がつかなくて、散歩に来ていたおじいさんにダンボールを借りたりして、ようやく始められたものの、その後も何回も日が消えて、そのたびに火を灯して、花火に火をつけて。すごく楽しかった気持ちは今でも心に残っている。

 他にも、毎年キャンプでの花火とか。
 田舎のおじいちゃんやおばあちゃんとやった花火とか。
 近所の友達誘って毎晩のようにやっていた花火とか。
 思い出そうとすればするほど浮かぶ花火の記憶。
 打ち上げ花火、線香花火、噴水花火、ロケット花火、ねずみ花火。

 素敵な火薬の使い方だと思う。

 幸せをありがとう★

2003年03月18日(火)



 一瞬

 昔、もう5年以上前の話になる。
 学校帰りのいつもの友達との会話、そのなかで言われた言葉を、今でも忘れられないでいる。

 「涼香ちゃんって、一瞬って口ぐせ?」

 言われるまで気づかなかったけれど、確かに「一瞬」とか「瞬間」とかいう言葉は、わたしの会話の中によく登場していて。
 その頃は、それがすごく嫌で、何か話そうとするたびに、注意してたように思う。無意識のうちに「あ、つかっちゃいけない言葉だ」と思ってた。

 けれど、最近になって、それほど気にすることじゃないよな、とようやく思えるようになった。確かに、何度も繰り返されると、新鮮味がなくなる言葉なんだけれど、わたしにとっては、自分が感じた一瞬を話したくて仕方ないわけで、その言葉なくしては語れない思いがいっぱいあって。

 それでも、ここ数年のうちに習慣となった、使いすぎはいけない、という考えが修正されることはないと思う。でも、使いたいと思ったときには思い切って、使えるようにしたい。
 自分が感じた一瞬・瞬間を伝えるために。

 幸せをありがとう★ 

2003年03月09日(日)
初日 最新 目次 HOME