リュウの前から消える。
もうそれしか無かった。
元々私は8月で辞めると決まっていた。
それを早めてもらおう。
8月で辞めると決めた時は
まだゴリと付き合っていて・・・。
リュウにも、辞める話をしたら
「めっちゃうまいスキヤキ、ゴチしたる。」
そんな話になっていたけど・・・。
今となってはそれも叶わぬ夢となったのだろう。
ゴールデンウィーク前の最後の日。
私は上司(♀)と呑みに行った。
楽しい席だから、辞める話はしないでおこう。
そんな風に思っていたけど
彼女の方からその話を切り出してきた。
「みぃちゃん、辞めるのどうする?」
「8月までって言ってたのに、勝手ですが
もう、辞めたいので、求人かけてもらえますか?」
・・・言ってしまった。
いろいろと条件を出して引き止めてくれる彼女にも申し訳なかったけど
これ以上、リュウのそばにいるのは辛かった。
体はこんなに近くにあるのに
触れる事も、話し掛ける事もできないのは辛かった。
結局、上司との呑み会は楽しく終わって
気分よく酔っ払った私は
上司と別れた後に
どうしようもなく寂しくて
リュウに電話をかけた。
だけど、相変わらずリュウが電話に出る事はなく。
そのままメールした。
「もう、待つだけ無駄なの?」
リュウからの返信は
無かった。
翌日は大好きな友人達に会いに関東へ行く。
気分転換にはピッタリ。
リュウへの気持ちを
捨ててこよう。
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