ほっこり日記
ふー



 書評から。

 5月8日付けの朝日新聞の書評欄に山崎浩一さんというコラムニストが書いている。『子どもが育つ魔法の言葉』という本のことだ。


 ただ全編に漂う「嫌われないように穏便に子どもをコントロールしたい、という日本の親たちの欲求をも肯定してくれそうなムード」こそが、このベストセラーの隠れ要因であるような気がしてならないのである。


 つまるところ、思い通りに育てたい、わけだ。子どもは微妙なその意向を汲んで幼少期こそ素直に従っているが、青年期にいたるどこかの段階で自分を生かそうとすればその親の意向に反することになり、いい子でいられなくなることに自信を失ってしまう・・・のではないだろうか。

 親から自立して自分だけでしっかり生きていってほしいと思えば、そうした自立の傾向を、心に涙でも顔では笑って送り出さないといけないと思う。でも子どもは親に気を使っている。「嫌われないように穏便に・・・」なんだか、情けなくもあり、非難されずにってあたり、思い当たって苦しい。








2005年05月08日(日)
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