ほっこり日記
ふー



 少し前の話だけど。

このところ、本当に物覚えが悪くなってしまった。
それで、思いつくままにメモを取ってそのメモを忘れるのだ。
そのあと、何かの弾みにそれが出てきて、ああそういえば、
こんな話しを日記に書こうと思っていたんだと思う。

そんな話しのひとつ。



駅に向かう道に面して、電鉄会社の社屋がある。
かなり古い建物で、道沿いに八重桜が植わっている。
桜が満開を過ぎたころになって、八重桜が満開を迎えた。


それをみて、私ときたら

「ああ、桜餅の木だ」

と思ったのだ。
八重桜のこんもりした花の下に葉が出ている。
それが満開になっていると、一本の木が
桜餅千個の木に見えてしまうのだ。

きれい〜というより先に、ごくって喉がなった。
パブロフの犬じゃないが、口の中に塩味のきいた
こしあんの味がよみがえったのだ。

テレビで前に催眠術で大嫌いな果物を大好きなヒトに
見立てて食べさせる、という悪趣味な番組があった。
それを見ていた私も悪趣味だが、見事に当人は
不思議そうに、見た目は果物だけど確かにあのヒトだ、
そういったのである。

催眠術にかかっていたら、花ごとむしゃむしゃ食べて
ああおいしいって本当に言ってるんだろうな私。


なんでもない、そういう話。

















2005年05月10日(火)
初日 最新 目次 MAIL