兼松孝行の日々つれづれ

2007年01月24日(水) MOVIE「それでもボクはやってない」

遂に3本目。
3本の合計時間が約400分。
一日で見るには修行のような数字だ(と思う)

周防監督が11年ぶりに世に出した映画だ。
内容的にはエンターテイメントというよりは問題提起のための映画。
もちろんエンターテイメントな要素はしっかりと盛り込んである。

こうした公務員を題材にした問題提起型の映画で描かれる公務員像は「間違いを認めようとしない」公務員像だ。
確かに「役所は間違いを犯さない」と働く側も受け止める側も知らず知らずのうちに刷り込まれている節がある。
役所側は間違いを認めることは「ものすごい恥」だととらえる風潮がある。
しかし、所詮は人間のすること。
常に100点満点ばかり取ってる人しか公務員になってないわけではない。
間違いは必ず起こる。
有罪率99.9%なんて言う数字はあり得ない。
国家権力がみんなそろって、事件の入り口の間違いをただそうとしなかった結果がこの数字であり、えん罪事件だ。

この映画は警察や裁判所や検察、あるいは弁護士の現状を忠実に再現していると言ってもいいだろう。
同じ系列の職場にいるオイラにとっては、この映画は対岸の火事ではなく、一歩間違えれば同じようなことが目の前で起こってしまうかもしれないし、同じ間違いを住民にしてしまう可能性だってある。

この映画の最後の最後に希望が見えるかもしれない瞬間、一気にどん底にたたき落とす結末が。
でも、そうしたからこそこの映画に意味があるんだなと思った瞬間でもある。

被告や被害者、公務員、傍聴人、いろんな人を被告人の目線で見渡すことで、いろんなことが見えてくるし、構造が分かりやすい。
今の場面で監督が描きたかった問題が何かということがはっきりと見えてくる映画だった。

3本そろって取り留めない感想になったが、気がついたことが有り次第更新しようと思う。
何にしても一日で3本見るのはなかなかしんどかった。。。


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