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■ cat 〜Plum Tart〜 にょ
「むむむっんっ!」
可愛らしい声が呻いている。それは気を張っているという声らしい。
「ど、どう?」 「もう少しだけ力を抜いても平気なんじゃないか?」
そう話しかけると、表情は強ばったものからだんだんと穏やかなものへと変化する。
「平気?」
おどおどした様子で少女は問いかける。
「あぁ、大丈夫だ。」
そう答えてやると、嬉しそうに微笑んだ。 怒っている顔も泣いている顔も可愛らしいが、やはり笑った顔が一番だなとアスランは思う。
「キラ。」
名前を呼ぶとその身体が近付く。手を伸ばせば触れられるという距離から、簡単にキス出来そうな距離へと。
「何?」
全ての仕種が可愛く見えるのは自分の頭がおかしいからだろうかとも思ったのだが、それを治したいとは思わない。彼女に夢中ならそれでいいのではないかと自分の中で割りきった。 手をその細い腰に回してから、耳たぶを甘く噛む。するとキラは身体を振るわせ、丸い人間の耳は三角のぴんと尖ったふさふさしたものに変わった。
「にゃ、アスラ……。」
彼女は人間と猫を掛け合わせた存在の為に、どちらの姿も不安定なのだ。だからこうして意識を少し反らしてやるだけで、すぐにどちらとも言えない形へと戻るのだった。
「せっかく、ちゃんと出来たのに……。」
キラの声が沈んでいく。キラの身体は双子であるカガリとは違い人間の姿をずっと保っていることが出来なかった。いつも耳やら尻尾がはみ出しており、それを気にした様子であった。
「これくらいで変わってたら一人で外を歩けないだろ。」
アスランの言葉にキラの尖った耳がぴくっと反応し、少しだけ垂れ下がる。 そんな耳をアスランは優しく唇で挟み込んだ。
「だからキラがちゃんと人間の姿になれるようにいくらでも付き合うよ。もちろん、ちゃんとなれるようになっても離さないけどね。」
そうして、柔らかな耳をふにふにと撫でた。 この姿も好きだからもう少し見ていたいな、という心の声を飲み込みながら。
2010年05月04日(火)
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