野生の森
高瀬志穂



 拍手より。


 一番好きな人は?と聞かれたら答えは簡単に出るだろう。
それは恥ずかしくもあり同時にうれしくもある。

 一番嫌いな人は?
そう聞かれてもすぐに分からない。人を好きでいられるのは幸せだけども嫌いでいるのは悲しいから。
 
 誰?
答えるならばもしかしたら一番好きな人の名前。好きでもある。けれど好きすぎて嫌いにもなる。それほど心揺らす人物だから。

 じゃあ嫌い?と聞き返されれば違うと答える。一番嫌いだけれどもそれ以上に好きだから。嫌いな部分まで好きになるほど好きだから。

「それは俺のことか?」

 にやにやと笑いながら唇を指で撫でられる。だから返すように頬に手を当てた。

「他の誰かがいいの?」

 そう問い返せば自信に満ちた顔で笑い返す。

「いや、俺以外ならそいつを殺すよ。キラの一番が俺になるように、何人でも。」
「そんなことしなくても僕はアスランのものだし、アスランも僕のものでしょ?」

 頬に当てた手をそのまま首の後ろへと移動させ、抱きつくと腰に手を回される。それは甘い刺激。

「あぁ。そうだったな。」

 目を開ければ虚実、耳をすませば真実、触れる感触は幻、鼻を刺激するは甘い香。舌を絡め瞳を合わせ誘惑の海へと二人で落ちる。ここは楽園か地獄か。

「誰にも渡さないし、誰のところにもいかないよ。何を犠牲にしてもキラ以上に手に入れたいものなんてない。」
「平和が欲しいんじゃないの?」

 唇が触れるか触れないかくらい近づけ、くすくすと笑いながら話をする。何が楽しいのか、何がおかしいのかなんて分からない。けれど笑いが止まらない。

「お前と暮らす平和ならな。お前がいないなら興味ない。」
「ふぅん。じゃあ僕は死ねないしアスランも死ねないね、世界のために。どちらか欠ければ簡単になくなるかも、こんな脆い世界。」

 興味なんてない。相手以外。それは今までの罪の証なのかというように。
 犯した罪が大きすぎて壊れてしまった心。ならいっそどこまでも壊れてしまえばいい。

「生きて。世界のためじゃなくて、僕の為だけに。」

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 これで漫画描くはずでした。暗いってか黒いネタですが…。
いつまでたっても描けなそうなので文章でまとめてみたり。まとまってないですけど。
黒アス黒キラも好きです。大好きです。


2007年04月28日(土)
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