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■ 忘れな草。41 にょ
なんで忘れていたのかそれも思い出した。ずっとふせぎこんでいて、けれどある日彼女が現れて。 前と変わらずピンク色の奇麗な髪をなびかせて、月を背に現れた。あの時の血まみれな様子とは違い、黒いドレスを身にまとって。 そして持っていた大きな鎌を軽々と動かすと身体の力が抜けていった。多分あの時、ラクスがアスランの記憶を封印したのであろう。 だからと言って忘れていいはずがなかった。封印されたとしても、ラクスの存在を消していいはずがなかった。 彼女は確かにそこに存在したのだから。その存在したという証拠が記憶なのだから。
「けれどそのままだったらお前は壊れていただろ…?」
確かにカガリの言うとおりだった。あのままだったら壊れていた。まだ幼かった目で友人が血まみれの姿になったのを見てしまったから。
「カガリは…俺がまたあんな風にならないように気を使ってくれていたんだな。」
カガリは一言も彼女のことを言わなかった。彼女の存在を無にするのはとても辛かった。けれどそれ以上に壊れてしまいそうな人が彼女の側には二人いた。 アスランとキラ。 キラもあの日以来、しばらく誰とも口をきけなくなっていた。カタカタと身体を震わせ、ずっと何かに怯えていた。 そのキラが声を出せるようになったのはアスランがまたキラの元に遊びにくるようになってからだった。
「私は…私も悲しかった。ラクスが突然いなくなって…。けれど泣き叫ぶことも…出来なかった…。」
辛かったのはキラだけでもアスランだけもない。カガリもそうなのだ。けれどすがれる相手などおらず、ずっと気を張っていた。自分が強くなくてはいけないと。 あの時のことを思い出すようにカガリの目からはつぅっと涙が流れた。ずっと二人の前で流す事の出来なかった涙が。
「…すまない。今日は帰るよ。」
カガリは自分の手で涙を拭った。見られたくない、と。そんなカガリをアスランは見上げた。
「ごめんな、ずっとカガリも辛かったのに気づいてやれなくて。」 「お前はキラしか見てなかったからな…。キラにお前が近づくのは気に入らないけれど、お前が側にいるとキラが嬉しそうに笑うんだ…。私は、キラが笑ってくれるのが一番嬉しいからな。」
そう言ってカガリはキラに一言声をかけて部屋から出て行った。 二人きりの病室。そこは外からの音と、二人の心音と息づかいのみの音が存在していた。
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キラが出てこなくてすいませ…いや、いるんだよ。寝てるだけで。 しかしまだ終わらない…長いなぁこれも。
2006年02月04日(土)
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