野生の森
高瀬志穂



 忘れな草。32 にょ

「こんなに俺をいじめてるのですから。」

 けれど絶対に彼女はアスランをからかっている。意地悪だけれども、それだけじゃない。ただそれだなのだ。そういう気持ちがあるかないかと聞かれたら、絶対あると答えるだろう。

「あら、いじめてますか?生きるチャンスを与えて差し上げてるのに。」

 少女は首を傾げた。まるでそんな気持ちは全くないというかのように。

「チャンスかも知れませんけど最悪の選択しかないじゃないですか。どちらを選んでも後悔しか残らない。」

 どう考えても最善の選択なんて思いつかない。誰かが犠牲になる選択しか彼女は与えてはくれていない。

「それはその人の考え方によってですわ。あなたが他の女の方を抱けば話は済みますわ。」
「それでキラがショック死したらどうするつもりですか。」
「あら随分自信があるのですわね、愛されてるって。」

 くすくすと少女は笑い、アスランは苦笑いをした。

「そう思いこんでいるだけかもしれませんよ。そう思わないとやっていられませんから。」

 愛している、愛されている。思っている分、思われている。そう思い込んでいるだけかもしれない。
 だって、相手の気持ちなんて分からないのだから。

「あらじゃあちゃんと告白すればいいじゃありませんか。」
「しましたよ、ちゃんと。」

 することには、した。だから今、恋人同士ということになっているのだ。それは子供じみた愛かもしれないけれど。

「けれど彼女はあなたに心を許しているのでしょ?」
「まぁ、少しの隠し事はあるみたいですけど。」
「じゃあ閉ざしているのはあなたの方かも知れませんわね。」
「え?」

 少女の言葉に、アスランはほんの少しだけ驚いた声を上げ、少女を見た。

「人に踏み入れられたくない場所はあります。けれどあなたは誰にも踏み入れて欲しくない、誰にも心を許してない感じがします。棘で覆われた檻の中にいるようで、いつでも回りから一歩引いているかのようで。」

 その言葉はアスランに重くのしかかった。けれど肯定したくない。心の隅で思っていたけれど、ずっとそうではないと否定し続けてきた思い。
 自分でそれを理解はしていた。だから努力しようとした。けれど人に弱い部分をさらすなんて簡単になんて出来なかった。
 だから隠し続けた。そんなことはないという感じに。そんな風に自分を作っていた。
 けれど見破られた。それは彼女が人間ではなく死神だからだろうか。

「・・・そうですか?俺としてはあなたの方がそんな感じですよ。」
「私は死神ですから。」
「そうではなくて。そういうことを除いてもあなたは一歩引いていませんか?そもそも死神ってのはどんな存在なんだ?」



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 携帯買い換えということで、新しい携帯に全て移そうと思ったんだけど、残念ながら数が多すぎて移らなかったので。
ということでパソに送りまくった一つです。

つか、インパクト前日から止まって・・・!!すいません。
パソに送った分くらいはちょこちょこ更新します。
誰が見てる見てないどころか、誰も見てなそうですけどね。


早くラクアスから抜け出したいんですけど。とか思ってたりはするんですよ。



2005年03月06日(日)
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