野生の森
高瀬志穂



 忘れな草。11

 いや、自分はいつ死ぬか分かっている分、質が悪いのかも知れないし、逆にその日まで必死に生きられるかもしれない。

「部屋、もどろ?アスラン寝た方がいいよ。」

 心配そうにじっとキラはアスランを見つめる。悲しませたくないのに悲しませてしまったな、とアスランは心の中でそっと反省した。
 そしてこれ以上彼女を悲しませない為に、アスランはいつもの表情に戻した。

「・・・キラも来る?」
「え?」

 その頬にアスランは手を当て、そして形を確かめるようになぞる。月明かりしかないその場所だが、キラの顔は見る事が出来る。そしてその形も、柔らかい感触も確かめる事が出来る。

「今日だけ内緒でさ。」

 そういうとキラの顔から先ほどまでの暗い表情はなくなり、嬉しそうなものへと変わった。刊所が子供、というわけではないが、キラは喜怒哀楽が同じくらいの歳の子より激しい気もする。それは今までほとんど自分というものを出していなかったという反動であろうか。

「いいの?」
「俺はキラと一緒に寝たいなって思ったんだけど。」
「うんっ。」

 キラはアスランの首にきゅっと抱きつき、アスランはキラを横抱きにしたまま立ち上がり、そのまま気づかれないように部屋に戻ってきた。そしてキラをそっとベッドに下ろした。
 しかし、アスランはそのままベッドへと上がる事をしなかった。

「ちょっとトイレ行ってくるから寝てていいよ。」

 ベッドに横たわるキラの額にアスランはキスを落とす。それは”おやすみ”という合図のように。
 それを嬉しそうに受け入れたキラだったが、アスランが離れるとアスランの方を向いて首を横に振った。

「ん・・・起きてる。」

 眠い目を擦りながら、どう見ても無理をしているかのようにキラは答えた。けれどアスランもキラに寝てろだなんて強く言う事も出来ず、そのままキラの頭をぽんぽんと撫でた。

「どっちでもいいからここに居てくれよ。」
「うん、待ってるね。」

 キラに布団をかけてやりアスランは部屋を出た。そしてそのままトイレには行かず、足早に屋上を目指した。
 先ほど閉めた重い扉がまた開き、風がアスランを包み込む。

「聞きたいことがある。あの力は一日一回なのか?」

 誰もいないところに向かってアスランは問掛けた。彼女が聞いているのを知って、迷う事無く。

「えぇ、ですから相手は慎重に選んだ方がいいですわよ。」

 その問い掛けに答えるように死神は音を立てずにまた現れた。何度見ても死神というイメージからかけ離れた彼女がまた入り口の上に座っている。

「ですが私はそんなに暇じゃないのですよ。」

 そうは言いながらも彼女は微笑んだ。実に楽しそうに。人と話をするのは久しぶりと言った感じに。
 けれどアスランにはそんなことを気にしている余裕なんて無かった。早くこの謎を解決して、キラのもとへ帰らなくてはいけないのだから。

「もう一つ。仮に力を使ってもセックスしないってことは出来るのか?」
「別にするしないはあなたの好きですけど向こうはあなたを求めてきますよ、日が昇るまで。」

 ラクスは空を見上げる。そこには先ほど同様、月と星だけがあった。そしてその大きな鎌で東を指し示す。が、そこに太陽はない。
 アスランは今の所の謎が全て解決したのかそうではないのか、はぁと一つ大きなため息をついた。

「・・・厄介な力をどうも。」
「いえ礼には及びませんわ。やっと使う気に・・・なったという感じではありませんね。」

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 久しぶりにちょこちょこと。
さて、そろそろネタがありませんよー。わ、大変。

アスキララブラブって書いてて楽しいです。
今回のキラは結構積極的だしらぶらぶらぶだし!!!
あーこういう展開が好きなんだよ〜〜〜。

2004年09月19日(日)
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