真っ赤な夕焼けが,西の彼方で明日の空を占う。 空をまだらに覆う厚い雲は,ひょっとしたら雪を降らせるかもしれない。 遠い空をぼんやりと眺めていたら,懐かしい気分になった。 いつか見た空。そんな夕暮れだった。
ここしばらく働きづめだった。だから疲れていた。 深い眠りの中から,水の中を泳ぐように浮き上がってきたのは, もう昼に近い時間帯だった。 少し重い意識を表層へと押し上げて,一日をゆっくりとスタートさせる。
静かな午後に昨日までの姿を振り返りながら,その落差を埋めていく。 少しでも身体を動かそうと,家の掃除にとりかかる。
掃除が終わって友人に電話を入れた。 ここしばらく会っていない。 会えなくもない時間を持ちながら,あえて声をかけずにいた。
電話は発信音だけを繰り返す。 携帯に電話を入れたら,遠い友人のところにいた。 すれちがいはいつでもよくあることだ。
空いた時間をもてあまして外に出る。 冬の寒空に静かな世間。 休日と年末の微妙な狭間で感じる,孤独感。
明日になれば年末に向かって,世間は騒がしさを増す。 それも悪くない。そして今も悪くはない。 ただ心が冷たい湖の中にあるようで,いつまでも漂っていきそうなだけだ。 せめてその上に毛布をかぶせて,触れ合う人たちには気づかれないようにしよう。
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