なべて世はこともなし
日記アーカイブ(インデックス)へ前日の日記はこちら翌日の日記はこちらアイルランド真実紀行へ


2006年09月27日(水) 近況報告

日記の更新が止まってますが、ちゃんと生きてます。ネタバレになるのですが、引っ越しました。で、更新ができません。ご賢察の通り、アホタレEircomとくされSmarttelecom(どちらも電話会社ねん)のせいです。あいつらがインターネットの回線をつないでくれない限り、私は家から更新ができません。

そのうちに書きだめておこうとも思ったのですが、まあ、家が片付かない片付かない。家の片付けに午後5時から11時まで食事時間を除いて毎日5時間ほど費やしてます。

ともあれ、数日中に日記の続きを書きます。目標は、週末に日記の更新と家の片付けの完了。そのためにも、アホタレEircomさん。早くうちの電話回線をつないでください。


2006年09月20日(水) 決戦の木曜日(1)...ダブリン家がある!シリーズ3その(6)

注:一部の写真は、カーソルを当てると説明が出るようになってます。

翌日は、木曜日。家の退去期限まであと10日。そろそろ決めないとやばいかも…という状況。かくして、会社のコンピュータと電話を駆使して家探しを開始。あ、仕事なんていいんです。私の人生がなんとかなるように仕事をしているのであって、仕事のために人生があるのではないのです。


かくして仕事そっちのけで、4物件の内見のアポを撮ることに成功。


午後6時30分。Collins Avenue East, Dublin 5 2ベッドルームハウス、月1,200ユーロ(個人物件)。

午後6時45分。Collins Avenue East, Dublin 5 2ベッドルームハウス、月1,100ユーロ(不動産屋物件)。

午後7時30分。Collins Avenue Extension DCU前。2ベッドルームハウス、月1,100ユーロ(個人物件)。

午後8時。Beaumont, Dublin 9 3ベッドルームハウス、バス2ヵ所。月1,300ユーロ(個人物件)。



ほとんど分刻みのえらく忙しいスケジュールです。しかも、確かに狙ったには違いないのですが、全部、アパートではなく家です。見所は、一件目と二件目の物件、同じ通りにありおそらく同じ間取りの家なのに、どうして家賃が違うのか。そして、アパートと家、同じ家賃ならどっちがいいのか。


この中での私の本命は最後の3Bedrooms House。私としては、仮に700ユーロ払うことになったとしても、この家がいいと思った。ちなみに、ひでかすは「絶対に600ユーロ以上は払えない」とわかりやすい線引きをしてきたので、この家がいい場合は、私が余計に払うことで話をまとめようと思ったわけ。


私がこの3bedrooms houseを本命にする理由はまずは場所。バス停から徒歩数秒というロケーション。実は最初の2軒のCollins Avenue Eastの家はうちの近所だからよく知っていて、あまりよくない感じの家が並んでいるのだ。それに、3Bedrooms Houseの家を二人でシェアするとなると、残りの一部屋をコンピュータ室とかにしたりとかいろいろ余裕のあることができそうだ…などと白昼夢。そして、三軒目が、ちょっとしたダークホースといったところか。


かくして午後6時30分。まずはジャブをかます感覚でCollins Avenue Eastをちょっと入ったところにある最初の家に。


外から見た感じは…なんだかな。とても小さい行き止まりにある家でおそらく築80年はたっていると思われる。ただし、場所はいい。数系統のバスが走るバス停まで徒歩2分。


外のおんぼろさからは意外や意外。中は実にきれいに改装されていて、きれい。それもそのはず、大家さんは私たちの年齢に近く、自分が住むようにこの家を買ったものの、事情があってイナカに引っ越すことになったらしい。つまり、貸すようではなく自分が住むように家をきれいに改装していたわけ。


この家、リビングのほかにダイニング、さらにゲストルームまであるといえば響きがいいが、その実昔に建てられた長屋。ひとつひとつの部屋が細切れで小さいだけのこと。なんだか「もう、ここにしよう」という決め手に欠ける。

真ん中の家が該当物件。せ、狭っ。


で、次の家は、偶然にも同じ通りにある…はずなのだが、なぜか見つからない。アイルランドでは家の番号が順に並んでいるはずで、番号をたどっていけば目的の家にたどり着ける…はずなのだが、この通りに限っては、なぜか行き止まりの通りなどが入り混じって複雑怪奇になっているのだ。


物件は、こんなくそ狭い路地の奥にありました。わからんっちゅうの。


ひでかすとふたりで右往左往していると私たちの後ろでクラクションを鳴らす車がいる。見れば昨日別の物件で会った不動産屋のおねえさん。


不動産屋:「一体、物件はどこなの?見つからなくて」


知らんのか。お前、物件の案内人じゃないのかよ。ちなみにこの時点で午後7時。彼女は15分ほどチコクしてます(←そういう私もチコクしているので人のことは責められない)。


実はこれ、この不動産屋だけがアホタレなのじゃなくて、ほかの不動産屋に電話をかけた時にもこんなことがあった。


私:「この家、どんな感じですか」
相手:「新築の眺めのいいアパートで、広いベッドルームが二つあり…」



おーい、ウェブサイトの説明をボーヨミするだけならわしにもできるぞ。


なぜかこの不動産屋が内件をすると多くの人がやってくるらしく、この物件も前回ほどじゃないにせよ4−5組のグループが待っていた。で、この不動産屋がドアを開けた瞬間…いかりや長介を呼ばずしても「だめだこりゃ」と言いたくなるもの。


基本的な間取りは最初に見た家と同じ。細切れで使いづらい家。違いは…管理状況。つまり、ありていに言ってこの家、管理がなってない


入った瞬間に帰りたくなった家の嫌な匂い。中は古臭い家具と、手入れの行き届いてない家そのもの。前の家より家賃は確かに1100ユーロと100ユーロ安いが、たとえ安くても住みたくない。


なんだろう、このどよよよよーんと来る暗さは...


主寝室。ベッドの上に投げられたカーテンと、どうしようもなく家具が、たとえインターネットで匂いは伝わらずとも、ダメダメな雰囲気は十分伝わってくると思います。

♪シングルベッドでゆーめーと...って、狭すぎだよ。この部屋。


こちらは、ベッドルームその2。なぜか「ダブルルーム二つ」と広告にあったのに、その実、シングルルームであるという罠。不動産屋のおねえさんは「ダブルベッドに交換するよう交渉してあげるわよ」と言っていたが、物理的にダブルベッドを置くことは不可能。詐欺だ。詐欺っ!


ひん曲がったブラインドがさらに哀愁とダメダメ感を引き立たせてます


水まわりだからか、さらに輪をかけていやーな匂いのするバスルーム。ただし、良く見ると、パワーシャワーがついているのはポイント高いかも。あ、そうだ、パワーシャワー。給湯システムについては後日触れます。


気がつくと、私たち以外のグループは一グループを除いていつの間にかいなくなっており(気持ちはわかる)。私たちもとっとと退散することに。


ちなみに、この不動産屋が案内してくれた家は、10組以上の人間が内見したにも拘らず、結局誰にも決まっていないとのこと。…忙しいのはわかるけど、ひとりひとりの客を大事にしないからそんなことになるんじゃないかと思う。


そして、時刻はすでに7時30分。急いで次の家に。


次の家。


よく分からん写真ですが、真ん中のちょっと引っ込んだところが玄関


左の家。見た瞬間に駄目そうな雰囲気だったが、ところが...


とにもかくにもきれい。カウンターキッチンに広いワードロープが備えつけられた二つの寝室。バスタブこそないもののきれいなバスルーム。言うことなし。ひでかす、ここにしよう!


ベッドルーム。きれいだ♪


別角度から。壁一面が収納。これは嬉しい。



で、窓から外を見ると、ほとんど向こうが見えないくらいと言っていいくらいの広い庭。あれがうちの一部なら、1100ユーロの家賃ではこりゃとんでもない掘り出し物だぞ。


私:「この庭は?」
大家:「あれはボクの庭」
私:「『ボクの庭?』



聞けば、この大家、両隣の家が自分のもので、そのうちの一軒に自分が住んでおり、もう一軒は借家として貸しているそうな。で、ここからがこの大家の頭のいいところで、この二軒の家の間にもう一軒建て増しをしてそこからの家賃をしっかり得ようとしたわけ。それがおよそ6年前でそんなわけで、モダンなきれいな家が建っているわけ。二階の間取りは、中央にバスルームがあり、奥と手前にほぼ同サイズのベッドルームがある...早い話が、ウナギの寝床のように長い家なのだ。


かくして、中庭は大家とこの家を含め三軒で共用。それを引き算に入れてもこのきれいな家は取るに値すると思う。かくして、私の中では心が決まった。


ところが、世の中そうは問屋が卸さない。次回に続く。


2006年09月16日(土) 嵐の前の...ダブリン家がある!シリーズ3その(5)

そして翌日は水曜日。


どうもdaft.ieだけを使うのでは心もとないので、昔ながらの方法、Evening Heraldの三行広告を使うことに。





この日はFree Ad Traderという広告主が無料で広告を掲載できるおまけのような新聞がついてきまして、そこにあった広告のめぼしいものに片っ端から電話。ところが、結果は全敗。どうも、広告の鮮度が悪い…つまり最新の広告ではないようなのだ。


daft.ieの場合、家主・くされ不動産屋は店子が見つかった時点で広告をネットから削除してしまえばいいのだが、新聞の場合、そうはいかない。ちなみにEvening Heraldの場合、同じ広告が2-3日掲載される。つまり、月曜日の時点で載った広告が、火曜日・水曜日と再掲されるわけ。


で、月曜日の広告を見て誰かと入居契約を結んだのに、火曜日・水曜日になっても電話がかかってくる…と。こと、水曜日のFree Traderに関しては、広告の量を水増しするために、わざと古い広告を入れていたのではないかとも思えた。ともあれ、私にとってEvening Heraldは引越しのときのお皿を包む緩衝材くらいの役にしか立ちそうにありません。


なんだか今日はめぼしいものがないなあ…ハズレだなあ、何か物件を見に行きたいなあと思っていると、また、空港脇の高島平Northwoodから物件発見。なにやら、「今日の7時から内見だから、見に来たい人はホテル前に集合!興味のある人は営業時間内に電話を」と書いてある。今回の物件は、極悪Ballymunバス13番ではなく、空港、Swords系(16A,41など)が使えるほう。で、懲りもせずにくされ不動産屋にSMSを打つ。SMSにしたのはすでに「営業時間」を過ぎていたからという配慮。


すると、高速で返事が来た。


「Northwoodは明日だよ。今日はNorth Circular Roadで内見をやるからおいで。2Bedroomsで1400だよ」


高いよ。高すぎるよ。


だけど、この人のSMSに高速で返事をよこすこの不動産屋に好感を持ったので、冷やかしでNorth Circular Roadへ。North Circular Roadは、その名の通り、ダブリンの市中心部をPhoenix Parkからダブリン港付近までの半環状線。道路は結構混む。


私が思っていたのは港付近のアパートの一室だったが、行ってみると実は物件はNorth Circular Roadの反対端、つまりPhoenix Parkがわにあることが判明。あれ、あの辺って、昔ながらのジョージア調の家じゃなかったっけ?





この育ちに育った街路樹からもわかるとおり、実に由緒がある感じの通り。家の一軒一軒もでかい。

で、指定された家は…





うおっ、ここですか。

この築100年超の家は、中はきれいに改装され、モダンなキッチン、現在のアパートなら二部屋にするだろうという感じの広いベッドルーム、開放感溢れる高い天井、主寝室にいたっては、キングサイズのベッドにシングルベッドまで置いてある(ここはB&Bか!)。ちょっと、これ、1400ユーロは破格じゃないですか?





一瞬目が点になったが、よくよく見るといろいろな問題点があることが判明。まず、駐車場がない。で、このやたらと混むNorth Circular Roadで縦列駐車をするのは至難の技。そして、きれいになったはいいがなぜか小さい冷蔵庫(日本のワンルームマンションに備え付けられていることのある冷凍庫がほとんどないあれね)。そして、やたらと広いはいいが意味不明なバスルーム。


そう、このバスルームが意味不明だったのだ。6畳くらいあるバスルームに、洗面台、トイレ、そして、なぜかシャワーが二つ。バスタブなし。


で、不動産屋の兄ちゃんに…


私:「ここ、いくらだっけ?」
相手:「月2200ユーロだよ」



え゛?1400ユーロじゃなかったですか?


相手:「1400ユーロは裏の家だよ」


…ならどうしてここに呼ぶ?


家賃が2200ユーロなると、この家、まさにコンセプトが不明なのだ。写真を撮ってこなかったことがとことん悔やまれるが、あのバスルーム、少なくとも6畳はあったから、例えば、トイレとバスを別にして、さらにシャワールームをつけるくらいのスペースは余裕であった。なのに、そうしないでドアがひとつしかない(=ひとりしか使えない)バスルームを作って、ダブルベッド二つにシングルベッドひとつと5人が住むようにしている家って、使い勝手がかなり悪いような気がする。


しかも5人となるとひとりあたまの家賃負担額が大きいから、もっと大人数でシェアしようとすると、バスルーム問題はさらにひどくなるし、2200ユーロ出すなら、もっと使い勝手のいい家に住めそうな気がする…どう考えてもコンセプト不明。


で、1400ユーロの家は、ガレージがある裏側の通りに建てたほとんど新築。きれいだけど、可もなく不可もなくで、やはり1400ユーロは高すぎるのでボツ。しかも、不動産屋、7時半を過ぎると急に落ち着きがなくなって、ひとこと。


不動産屋:「ボク、8時からマンチェスターUのサッカー見るから、失礼するね」


といい残し、去っていった。私の手の中に残ったのは、一枚の名刺。


…やる気があるんだかないんだかわからんやっちゃな。ちなみに、この不動産屋、実はアイルランド人ではなかった。


こうして水曜日は終了。以下、決戦の木曜日に続く。


2006年09月15日(金) ダブリン家がある!シリーズ3その(4)

前日の日記で、daft.ieの8割方の広告が不動産屋経由で、残りの2割が大家からの直接の広告と書きましたが、そんじゃあ、この2割の直接大家と交渉する場合はどうかというのが今回のお話。


意外や意外、ほぼ完全という確率で、返事が来ました。または、具体的な話を聞くことができました。考えてみると、不動産屋への交渉は、会社の社長と話をするのに秘書と話すようなもので、社長と話せる確率はほとんどない。それに対し、大家との直接の交渉は、社長あての直通番号を手に入れたようなもんだと考えていいかもしれません。


さらに、 もっと言うと、大家には「いい店子を選ぼう」というやる気を感じます。来るものは拒まず、電話でもきちんと相手の人となりを聞き出して、あとで問題にならない人を選ぼうという気概を感じるのです。かくして、今の仕事だとかをけっこう聞かれたりしました。


私の仕事、幸か不幸かやっている内容のあまりのくだらなさにも拘らず、響きだけは悪くないんですよね。日本的にいえば、堅気な商売です。あとは、日本人と分かるとちゃんと話を聞いてくれるようにも感じました(あ、人種差別の話は、またきちんとする予定)。


ともあれ、まともな店子を選ぼうするやる気のある大家と、まったくでたらめな不動産屋。どちらもdaft.ieに広告が出せるとなると、不動産屋の存在意義っていったい何?ってことになると思うんですよね。あえてはっきりと言わせてもらえば、賃貸において、不動産屋なんてまったく不要だと思います。こと一軒家の場合、どうせ契約後は大家との直接交渉になるんだし。


そんなわけで、大家との直接の交渉物件で、行ってきたのはLarchillにあるアパート。


Larchillは、CoolockとSantryの間にある新興住宅地で、前に行ったNorthwoodほどじゃあないにせよ、かなりの数の家が建ってます。あらためて、ここ数年のダブリンの不動産ブームの異常さを肌で感じます。こんだけ多くの家が建って、それでも供給が需要に追いつかなくて値段が天井知らずに上がっていく。でも、ある日、供給が多すぎるという事実に気がついたその日に、アイルランド経済はどん底に落っこちるのではないか…そんな気がします。





ともあれ、ここのアパートは月に1150ユーロ。バスルームは一つのみ。ひでかすはまたGround Floor(一階)であることで却下。私は私で、何だかまったく陽の当たらない居間が嫌で却下。


そして、最初に断ったNorthwoodの大家から電話。


大家:「1,100ユーロにまけるから、住まない?」

…うーん、5年前とは状況が違う。


続く。


2006年09月14日(木) 速報:決戦の木曜日

本日、四件の内見をしてひでかすとふたりで意見の違いから大騒動して、いろいろ大変でした。とりあえず日記としては時系列順にまとめていきますのでしばらくお待ちを。

ただ、一言だけ言わせてください。

ダブリンの住宅事情は異常です。


2006年09月12日(火) ざけんな不動産屋...ダブリン家がある!シリーズ3その(3)

怒ってます。かなり怒ってます。いきなりですが、大声で叫ばせていただきます。


ざけんな、ダブリンの不動産屋


こいつら、やる気あるの?人をバカにしてんの?一体なんなの?


…はい。感情的になっても仕方ないので、一から説明させていただきます。


daft.ieに出ている広告を見て、数件に電話しました。daft.ieを見たところ、広告の8割方は不動産屋が出していて、残りの2割が大家が直接広告を出している感じ。


まず、ある不動産屋に電話。ケータイの番号を指定していたので、そこにおとなしく電話。


一回目。無視。
二回目。無視。
三回目。無視。ゆえにSMSを送る。無視。



別の不動産屋の営業のケータイ。


留守番電話。メッセージを残すも無視。


お前ら、仕事してないで、パチンコにでも行ったか?それとも、愛人とご休憩か?(←日本じゃないんだから)。


さらに別の不動産屋。


私:「Siobhanさんお願いします」
相手:「私です」
私:「XXのアパートに関心を持っているのですが」
相手:「少々お待ちください(保留音)。(機械の声)発信音のあとにお名前とご用件を…」



…なぜに留守番電話に?お前、自分がSiobhanって言ったじゃねえかよ。


1時間後、また電話。同じ結果。留守番電話にメッセージを残す気にもならず。


さらにさらに別の不動産屋。


私:「XXのアパートの件で電話をしたのですが」
相手:「今担当者が不在なので、折り返します。名前と電話番号を教えてください」
私:「Snigelと申しまし…あれ、もしもーし、もしもし…」



電話切られたよ。なんでだよ?


もう一丁別の不動産屋。


私:「もしもーし」


電話の向こうは子供の叫び声等雑音だらけで話せる状況じゃない。


相手:「1時間後に電話して」


1時間後。


私:「もしもーし」


相変わらずうるさい。


相手:「1時間後に電話して」


…永劫回帰の罠ですか?


でさらに1時間後。


私:「XXの件で…」
相手:「今日はもう仕事終わったから明日電話して。ガチャ」



お前が1時間後に電話しろといったんだろうが。


もう読者様は呆れ果てていると思いますが、駄目押しで更にもう一丁。私としては、呆れはしても「アイルランドはこういうものだ」と驚かないという自分に驚きましたが。


私:「XXのアパートはまだありますか」
相手:「今日の夕方5時半に内見するからその時間に来てください」
私:「5時半まで(ひでかすが)仕事なのでもう少し遅い方が助かるのですが…」
相手:「10分くらいなら待つけどそれ以上は待たないわ。ガチャ」



別の不動産屋。なぜか、「連絡はSMSでのみ」と最上段に構えた但し書きがある。SMSを送ると意外にも返事が来た。まあ、上のようなトホホ不動産屋ばかりだから、それに比べると返事が来たことは素朴に慶賀に絶えないのか。


SMS:「午後6時より内見会。現地集合」


で、行きましたよ。午後6時に。


モザイクのかかった哀愁の背中はひでかすの背中


なんじゃ。確かに街に近いからかもしれないけど、6組くらいの人間が待ってる。





不動産屋のおねえさんがやってきたのは午後6時20分(相変わらず時間にいい加減なアイルランド人)。中に入ると、おーい。まだ誰か住んでるじゃないか。そんな中に10人以上の人間が、わさわさと入っていき、それを現住人が見守る光景は…まさに異常。


不動産屋のおねえさんは、ひどいもんで、「はい。興味がある人はここに名前と電話番号書いてね。興味がない人はお引き取りくださーい」


…興味があるもないも、具体的な質問とかができなきゃ話にならんよ。実際。


というわけでここもボツ(まあ競争率高かったから取れなかったろうけど)。実は、ここがボツになったのは別の理由もありまして。それは、ここが…





シンドラーのリフト採用!





これはまあ、冗談なんですけど、このリフト、なぜかテンキーがついてます(用途不明)。もしかすると、シンドラーのリフトだから床から30センチずれたりしたら、このテンキーで調節するのかな(ないない)。


とにもかくにも、家を借りるくらいならともかく、一生でいちばん大きな買い物といえる家を買うときにこんな不動産屋どもを使わなければならない方々に、私よりお見舞い申し上げます。


お先真っ暗ながら続く。


2006年09月11日(月) ダブリン家がある!シリーズ3その(2)

1996年に私はEastwallで家のシェアをしました。未だに値段を良く覚えています。月450アイリッシュプント。ユーロにして571ユーロ(今のレートで)日本円にして85,000円。2ベッドルームの新築で悪くなかったです。


あれから10年。この家の家賃、今、いくらだと思います?


1,200ユーロ。日本円にして18万円!!!!!


信じられますか。10年間で家賃が二倍。羽毛布団の羽毛の話じゃないです。家賃の話です。アイルランドのこの10年の異常な経済成長(バブルともいう)を端的に表していると思います。


ダブリンで家探しをするときに参考になるサイトはdaft.ieというサイト。ここで、希望地区やら希望家賃やらを入れるとその条件にあった部屋が出てきます。で、ひでかすと2bedrooms apartmentまたはhouseを探しているのですが、なかなか条件に合うものがない。


その条件とは…


家賃は月に1,200ユーロ以内であること(高えよ)
ダブリンの北で、空港よりあまり遠くない場所であること(二人とも空港に行くことが多いため)
できればアパートではなく一戸建て(限りなく無理)
できればトイレは二ヵ所(トイレが一ヵ所しかない今の家でとことん嫌気がさしている)



で、本日、最初の内見に行ってきました。Santryの新築の2bedroomsアパートが月1,200ユーロなり。





空港に程近いCrowne Plaza Hotel。このホテルの存在は知ってましたが、大通りからこのホテルに入ってきたの初めて。どしゃ降りの雨の中を進みます。


うおっ。





なんとまあ、数百軒は余裕であると思われるアパート群がこんなとこに隠されていました。


で、更に進むと…





まだまだアパートが春先の竹薮のタケノコのように増殖中。一体何軒建ててるんだ?…ちゅうか、ここは高島平か?


で、中はといえば、…非常にいい。広いし、主寝室はシャワー・トイレが中についている。リビングも実に広いしキッチンもちゃんとガスコンロ。冷蔵庫もでかいし、とてもいい。気に入った。


ところが、ひでかすがダメ出しをするのだ。その理由としては、まず、アパートの1階(Ground Floor)は嫌だと。確かに道行く人から家を見られるのは嫌だというのはわかる。そして、最大の駄目出しの理由としては、13番のバスで毎日通勤するのは嫌だという。ごもっとも。Ballymunのクソガキどもといっしょにバスに乗りたくなんかないわな。


なんてSnigelはBallymunの住人に対してひどいことを言うんだ!とお怒りの方、どうぞ13番のバスに一度乗ってみてください。二階席でタバコのみならずマリファナまで吸うわ、席は壊すわと傍若無人の限りを尽くす連中を見ていたら、彼らを擁護する気などなくなるはずです。


というわけで、私としては後ろ髪を引かれつつも却下。もっとも、この高島平には相当数の空き部屋があり、ここが駄目でも他があるんだけどね。


で、翌日(って今日なんだけど)、私は完全にキレるのだが、それは明日に続く。


2006年09月09日(土) ダブリン家がある!シリーズ3その(1)

かくして、48時間35分プラス1時間のバルセロナ旅行を終えて、夜中の一時過ぎにうちに帰ってきた私。翌朝は6時半には起きなければいけないので、あまり寝ている時間がない。


とりあえず、寝酒でもと思い(まだ飲むんかい)台所に行ってみると…


な、なんじゃこりゃー


写真を撮らなかったのが悔やまれるのですが、台所はまるで爆撃のあとテーブルの天板は全く見えないほど書類等が散乱。椅子という椅子にはジャケットなどがかけてある。キッチンボードの上には使って洗っていない皿に調味料類が散乱。流し台からは鍋が溢れており、挙げ句の果てにはごみ箱からゴミまで溢れている。


ぶちっ。


去年につづき、私の脳みその中で夜中の1時過ぎに何かがキレた音がした。


よくよく見ると、Reception Room(リビングルームとは別に、ソファーとダイニングテーブルがおかれた予備室。共用の部屋なのだが、実は、私の本と酒の倉庫になっている)にはマットレスが敷かれており、どうやら誰かが居たもよう。


翌日の夕方、私が寝不足で疲れ果てて会社から帰ってくると、台所は相変わらずのまま。とても料理をしたり物を食べたりする状況にない。だいたい、ごみ箱からゴミが溢れていてその存在を無視するってどういう了見なんだ。放っておいたら誰かがやると思っているのか?


…やりましたよ。私が。ぶつぶつ文句を言いながら。


掃除が終わり、夕飯を作りはじめた頃にひでかすが帰ってきまして、ひでかすに文句を言うと…


ひでかす:「(ドイツ人の女性のフラットメイト=仮名を考えるのがめんどくさい)が友人二人を泊めていて、ああなった。わざと片づけなかったらあそこまでヒサンな状況になった。ちなみに、あのバカは友人を連れてくるなんてひとことも言ってない」


ふむ。容疑者の割り出しに成功。で、その日の夜遅くにその「バカ」が帰ってきたときに文句を言うと


「え?私、知らないわよ」


…怒る気力が一気に失せました。言うだけ無駄。


ちなみに私、決してきれい好きなんかじゃあありません。どっちかというとズボラです。だけど、台所とバスルームが汚いのはガマンできないのです。共同生活をしている以上、やっぱり最低限守らなければいけないことってあるはずで、ところが、うちの住人たちにはそういう感覚が欠如している模様。


うちにはひでかすと上に書いたドイツ人女性と、君の瞳は星だらけのフランス人Fabian(仮名)の男との4人の共同生活です。こちらフランス人にも私、数週間前にキレまして。


この家ではブロードバンドの回線を4人で分けてまして。フツーに使っているぶんには仮に4人全員がインターネットを使ってもまあまあの速度で使えます。少なくとも、自分のホムペをアップして、それからどっかのホムペを閲覧するくらいのことは何の問題もなくできます。


ところが!ある日突然にインターネットの接続スピードががた落ちしたのです。電話回線のほうが早いんじゃないかってレベルにまで。自分のコンピュータをいろいろ調べました。設定をやり直しました。だけど状況は改善されず。


原因は意外なところでした。Fabianのアホが、ネット上でのファイル交換をはじめやがって、そのおかげで、他の人がインターネット使用不能になっていたのです。


何を交換してたのかは知らないが、即座に使用禁止例をだしました。


それだけが理由じゃないのですが、2年ほど一緒に住んだ彼、出て行くことになりました(駅に近い家がいいとか、何とか言ってたけど話を聞いてなかった)。さらに、この一年住んだドイツ人もドイツに帰るということでいなくなることに。


かくして、2人新しいフラットメイトを探さねばならないのですが、2人探すのが難しいだろうと考えはじめたのです。うち、場所も閑静な住宅街で街までバスで15分とかなりいい状況で、かつ、家も他に比べると悪くないと思うのですが、致命的な問題として、バス・トイレがひとつしかないんですよね。4部屋ある家にバストイレひとつというのは致命的な欠陥です。


その上、日々のこれらのストレスに嫌気が差しまして、ひでかすと二人で決めました。


この際2ベッドルームの家を借り直そう。


ちなみに私の視点から同居人としてのひでかす、悪くないんですよ。掃除はしない代わりに汚さない...という点で一貫して私に協力的ですので(それ以上のことは望んでいないらしい)。


かくして、ダブリン家がない、ダブリン家があるシリーズに続きまして、また、家探しのシリーズが始まります。来週に乞うご期待。


ところで、今、日曜日の朝の10時なのですが、台所からポップコーンの強烈な匂いが二階の私の部屋まで届いております。犯人はドイツ人…朝の10時に大音量でテレビを点けてポップコーンを食うその了見をまず疑いますが、それはまあ個人の自由。だけど料理をするときくらい台所のドアを閉めろ!と言いたい。


こういう細かいことが重なってとことんハウスシェアに嫌気がさしています。完全に潮時です。もう家はシェアしたくありませんし、しません。


2006年09月08日(金) I know nothing I'm going to Barcelona (5=了)

みねまいこムからお越しのお客様へ業務連絡。

いらっしゃいませ。こちらは、みねまいのヨーロッパプロモーターをやらせていただいておりますSnigelの日記、「なべて世はこともなし」です。今回のバルセロナの話は、全五話で今回が最終回です。前回の話にもみねまいが登場しますので、おヒマな方は、ぜひ、その1その2その3その4もご覧ください。なお、トップページはこちらです。


で、土曜の夜は、なぜかジャズのセッションを見に行った二人、翌朝は、みねまいとの約束の時間まで早起きして散歩。ちょっと、この写真、見てくださいよ。


バルセロナ旧市街の裏通り


バルセロナの裏通り。うーん。ヨーロッパ♪って感じがしませんか?


…って私は確かにヨーロッパの片隅、アイルランドの首都、ダブリンに住んでいるんですけど、でもねえ、違うんですよ。太陽が違えば、人が違えば、町並みが違えば、何もかも違います。どっちがいいとか悪いとかいう次元じゃなくて、違うんですよ。


そりゃそうでしょ。同じ日本でも北海道と沖縄では本当に同じ国かというくらい風景も人も違う。ましてや、別の言語を使い、日本よりもはるかにでかいヨーロッパ。一くくりにするのが無理があります…とか言いつつ、実は北海道にも沖縄にも行ったことがないということは秘密です。





さてさて、快晴のバルセロナ。暑いけど前日みたいに湿気が高くないからまあ悪くない。そんな訳で本日は、旧市街からハーバーを挟んで対岸にあるエリアへ。





対岸へ向かう歩行者用の橋にて。みねまいが写っていることに気がつきますか。


なにやら対岸は、旧市街が景観保存のために建築にかなり厳しい制限がかけられているのに対し、こちらはかなり再開発をされた模様。大きなショッピングセンターに映画館などが並んでいる。


そんな中で向かったのは


バルセロナの水族館


水族館。


48時間35分しか滞在しないのに水族館ですか?


いやー、なかなかステキな水族館です。入った瞬間に





死んだ魚がお出迎え。


しかも、規模が小さい!


入った瞬間にこれ...死んだ魚


こんな感じの水槽が並んだエリアが続いたと思いきや、


これは素朴によかった。大水槽


メインアトラクションの大水槽。これだけなんだよな。基本的に。


これは、確か葛西の水族館かどっかにもありましたよね。トンネル状になっていて水槽を見上げることもできるタイプ。ただ、誰が考えたんだか知りませんが、ここ、実は下に茶色のベルトコンベアが設置されてまして、ゆっくりながらしっかり進んでます。そう、どっかのネズミのテーマパークあたりが考えそうなこと。確かに客が立ち止まらなきゃ、混雑はひどくならないよな。


みねまい、ロボットに捕まれる(意味不明)


で、みねまいは訳のわからんポーズで記念撮影しつつ水族館の隣りにあるレストランへ。


顔写真を出すような勇気も自信もありません


「大きなビールちょうだい」と言ったら本当に大きなビールが来た(推定1リットル)。いやー、昼間からのビールは酔っ払いますなあ(といいつつ全部飲んだけど)。なお、読者様の健康を第一に考え、私の写真には激しくモザイクかかってます。


蛇足ながら、スペインではテラス(外)で食事をすると割増料金を取られる模様。外は食い逃げがしやすいからか…などとも邪推するが理由は不明。誰か理由が分かる人は教えてくれ。


みねまいファンへサービスカット



その後、みねまいはライブの準備、私はダブリンに(全く不本意ながら)戻らなきゃ行けないので空港へ。というわけで、みねまいに別れを告げ、バスターミナルからバスに乗り空港へ。なお、みねまいライブの模様は、みねまい帰国後「みねまいこム」にあぷされる予定です。


で、バスはヒコーキの定時の2時間前に到着。あまりにやることがないので、エアサイドのビアガーデンでビールを飲みながら本を読む。そこに流れる場内放送。


「Ryanairのダブリン行きは1時間遅れますぅ」

…やはりな。お約束だ。


私は慌てず焦らず


「ビールもう一杯!」


かくして、昼間の1リットルビールから始まり、相当なビールを飲み1時間遅れのヒコーキに乗る。ビールのおかげで、かなり熟睡。気がつけば、日付の変わったダブリンに到着。…着いたのは、もちろん行きと同じく地の果てゲート。


かくして、バルセロナ滞在48時間35分+1時間の旅は終了。


で、うちに帰ってきた私は夜中の1時過ぎにひとりで頭を抱えるのだが…続く。


2006年09月07日(木) I know nothing I'm going to Barcelona (4)

翌朝。くもり。気温28度。


こう書くと過ごしやすそうですが、とんでもない!信じられないような湿気。アイルランドではもちろん、ドイツでも体験したことがない。あ、この湿気は夏のイタリアで体験したやつだったなあ。日本の夏もこんなだったっけなあ…などと考えながらホテルを後にする。


地図を頭の中に叩き込んで、旧市街の目抜き通り、La Ramblaへ。ダブリンで言えばO'Connell Street。観光客が意味もなく通りを上へ下へとしているところ。La RamblaはO’Connell Streetと違い、通りの主人公は歩行者。車は道のはしっこを申し訳なさそうに走っている。通りの真ん中を観光客が大手を振って歩いている。いいことだ。


で、La Ramblaを端からほとんど反対側の端まで歩いたところにみねまいが滞在している二つ星ホテルを発見。まあ、さすがみねまい、La Rambla沿いのホテルを予約したのね。こじんまりとしたものながら、入口の吹き抜けが印象的でいい感じ。


…だけど暑いのだ!ホテルのロビーにはなぜか冷房が効いてない。汗がどっと溢れてくる。


待つこと5分でみねまいが降りてきた。


私:「おひさ。なかなかいいホテルに泊まっているね」
みねまい:「見かけだけはね。私の泊まってる部屋、床が傾いてるわよ



…ありえねー。


で、数分の立ち話のあと。


みねまい:「じゃあ、やることを先に済ませてしまいましょう。あそこのラジオ局に行って、それから、なんとかの事務所に行って、それから、ライブハウスがどこそこにあるからそこには夕方行って…」


おーい、そりゃ時間がないのは認めるよ。だけど、人使い、荒いね。


汗をかいている私を見てみねまいは


みねまい:「暑い?日本に比べたら湿気が少ないし、今日は涼しいよ」


一体日本の夏ってどんなでしたっけ?最後に日本の夏を体験したのは20世紀のこと。もうすっかり忘れてしまいました。


以下、数時間は省略。みねまいの今後の事業計画にも関わってくるのでヒミツということで。ともあれ、どっかのラジオ局に行って、どっかの事務所に行ってと、いろいろやりました。何だかんだ言っても、私ができるのは、なんちゃって英語。スペインでは何の役にも立ってない気がする。





そのあと、ふたりで乗ったはツアーバス。


二人ともすでに疲れており、「動かなくても向こうから観光名所がやってくるツアーバスは素晴らしい!」という訳のわからん結論に至ったわけ。以下、観光バスから撮った写真集。























ちなみにこの日のご飯。








観光客御用達のガスパッチョとパエリア。


みねまいはしょっぱいと言ってたけど、私には文句なしの味だった...なぜ、日本人が長生きできるか分かった気がした。


これは、スペイン、イタリア、そしてフランスに言えることなんですけど、こいつら、私やアイルランド人には絶対できないことをやる能力があります。それは、





縦列駐車。


オーマイガッ!この車、一体全体どうやったら出せるのよ!私だったら、とりあえず若い衆を10人くらい呼んできて、車を持ち上げてもらいます。これ、出すのも一苦労(というか、私には無理)だけど、こいつら、このスペースに車を止めることができるんですよね。その縦列駐車の技術の高さには、素朴に脱帽します。


2006年09月06日(水) I know nothing I'm going to Barcelona (3)

ひでかすに、今日の日記でどのネタを読みたいか聞きました(数秒前)。


(1) 「バルセロナの続き」
(2) 「僕らの冷房戦争」
(3) 「mp3初期不良事件(6/18)のつづき」



ひでかす:「バルセロナの話をさっさと片づけたほうがいいよ。俺のブログ、未だに5月の話をしてるから」


…納得。現在ひでかすは私の後ろで何か私に話しかけてますが、とりあえず、無視。今から日記の更新するんだから。というわけで、バルセロナの話の続きです。




「いつも遅れる」といわくつきのGirona行きのヒコーキは10分早着。入国審査は、EU外の人間の場合、入国審査の列に並んでようやく自分の順番が来ると、「ほれ、もってけ」という感じで、入国カードを渡されて、それを記入したら、またあらためて入国審査の列に並ぶというとっても意味不明で要領の悪いもの。しかもカウンターにペンすら置いてないし。去年の頭の悪いマルタの入国審査を彷彿とさせる。




こちらが空港を外から撮ったもの。帰りに撮影(到着時は既に陽は暮れておりました)。ボーディングブリッジなど最初から存在しない、まさに、くされRyanairのための空港。




こちらも帰りに撮影したチェックインエリアの様子。はっきり言って、Q州のわがO分空港のほうがでかい。


せっかく早く着いたのに、接続のバスは早く出ることはなく、バス停で30分ほど意味もなく待つ。ようやく客扱いをはじめたバスの最前列に乗り、バスエーランでは見たことのない三点式のシートベルトをしっかりと締める。ちなみに、シートベルトをしていたのは見渡す限り運転手を含めても私だけでしたが、例えバスでもベルトはした方がいいと思いますよ。




スペインの高速道路は日本同様有料らしい。空港からほぼ直結の高速道路のインターに料金所があり、バスにはどうやら日本で言うとこのETCがついているらしく、料金所で一時停止しすぐ発車。以下、本線料金所を二回通過して、80キロの道のりを70分で駆け抜ける。結構早い。


午後11時前に、バルセロナ市内のバスターミナルに到着。そこから、地下鉄に乗り予約していたホテルへ。


バルセロナ出身の同僚が行く前に私に言うのだ。


同僚:「バルセロナでタクシーに乗っちゃいけないよ。ボラれるよ」


そして、バルセロナ出身の別の同僚は言うのだ。


同僚:「バスターミナルについたらそのままタクシーに乗ったほうがいいよ。え?ぼられるかもってあいつが言ってた?大丈夫、ボラれても大した金額じゃないから」


あんたらの意見はあてにならんというわけで、初めての国とはいえ、さほど心配していない私は地下鉄にさっさと乗りました。


掲示板でも紹介されてたバルセロナ総合情報サイト、バルセロナエッセンシャルズというページを閲覧してたら、治安のページがありまして、そこで、こんな別のページが紹介されてまして(←少なくともこのページは以下の話の展開上、ぜひクリックしてみてください)。


このページ、思えばうちの10倍に当る300万以上のアクセスを誇る、スペインなんでも情報リアルタイムという有名ページの中の1ページらしい。そのページによると、「マドリッド・バルセロナなど、大都会の散策時に絶対にやってはいけないスタイル」として、以下のことが挙げられています。


(1)リュックサック
(2)リュックサックの前がけ
(3)バッグのたすきがけまたはバッグを持った上から上着で隠す
(4)貴重品袋の紐が見える



という前提の上で、私のホテル到着時の格好をチェックしてみましょう。初公開の自分撮り…こんなこと普段はもちろんやりません。





上はコムサのお気に入りのシャツで、下はユニクロのバーゲンで1990円だった…とか、そんなことはどーでもよくてですね、要は


(1)リュックサック利用(前にかけたりしたら貴重品を持っているようで余計怪しい)
(2)カメラケースを上着で隠す(隠したつもりはないけどシャツを着流しているので自然とそうなる)
(3)貴重品じゃないけど、ケータイの紐がもろに出ている(これはいつものこと)。



スペインに住む先人のありがたい意見をきれいさっぱり無視するやつ(むしろ反抗しているようにすら思えるが)。結論から言うと、何も盗られたり、怖い経験もしませんでしたが(だからといって、私のような格好を推奨する意図はありませんので念のため)。


で、かくして、地下鉄でバスターミナルから3駅の駅に到着。そこから徒歩2分のホテルに着く。


この四つ星のホテルが実に謎でして、ラストミニッツサイトで、Crazy Summer Room Rateと称して、シングルルームが190ユーロのところ100ユーロ、ダブルルーム(2人利用)が200ユーロのところ70ユーロになっている。おかしいと思いつつ、ダブルルームを予約する。だって、ダブルルームのほうがシングルルームより安いってどーゆーことよ?


しかも…

Our service allways will park your car or help you if you come by taxi. There will be a manager who will welcome you at the hotel and go up with you to the room.

…だって。とか言いつつ、誰も部屋まで来てくれることもなかったですが(来なくていいし)。




ホテル外観翌日撮影。


…というわけで、一体どんなホテルが出てくるやらと疑問だったが、きれいじゃん。




中もきれい。




バスタブもあるし。


で、酒を飲んでさっさと寝ようと思い、ビールを飲んだのだが、あまりの暑さにこのまま汗をかいたままじゃ眠れないという事実に気がついてしまい、シャワーを浴びることに。そして、ふと気がついてしまった。


あ、風呂に入れる!


そりゃシャワーは毎日浴びてますが、風呂にお湯を貯めるということがアイルランドではほぼ不可能。お湯のタンクが小さいので途中で水になってしまうのだ。かくして、最後に風呂に入ったのが日本に行ったときという有り様。ありがたく風呂に入らせてもらいましたが…


おかげで目が冴えてしまい眠れなくなりました。


かくして、今回二日目まで一気に行くつもりがくだらない寄り道ばかりして話が全然進まないまま、その4に続く。次回こそ、みねまいファン待望のみねまいの話が出てくる...と思う。


2006年09月04日(月) I know nothing I'm going to Barcelona (2)




スペイン良いとこ一度はおいで。酒はうまいしねーちゃんはきれいだ。


…意味もなくのっけからフォント7にしてしまいました。失礼しました。


そう、スペイン。バルセロナ。


ヨーロッパ内、近くはイギリス、遠くはハンガリーやマルタにいたるまでかなり多くの国を旅してきましたが、なぜかスペインは避けていたわけではないのですが、行く機会に恵まれず、ポルトガル・ノルウェーと並んで「ヨーロッパ内で行ったことのない国」リストに入ったままでした。みねまいがやってくるを理由にして、私はヨーロッパに7年住んでいながら未だに未踏だったスペインへ足を踏み入れるべく、リュックサックに着替えだけを入れて48時間35分の旅に出ました。


アイルランドから脱出するときにおそらく8割がたの人が使うであろうダブリン空港。去年の利用者は年間で1840万人(ソース元:ダブリン空港サイト)。単純に364で割ると(クリスマスは空港が閉まる)一日5万人強の人が利用するということになる。羽田空港が6000万人らしいから(ソース元:Wikipedia)あの、羽田の混み具合から考えても、このダブリン空港の混み方はかなり異常だと思う。


日本の首都東京の表玄関、羽田空港には鉄道(モノレール)が二社乗り入れていて、それぞれ5分に1本とかの割で運行してます。それに対し、アイルランドの首都ダブリンの表玄関のダブリン空港にはバスしか来ていない。それでどうやって羽田空港の1/3にあたる利用者を捌いているのか私には理解できない。


で、ダブリン空港、鉄道はともかく、搭乗口が少ないことが致命的に問題。現在新ターミナルを計画しつつ、当座の混雑解消を狙い新しい搭乗エリアを作っているものの、それすら完成まで時間がかかりそうだというわけで、突貫工事で臨時の搭乗口を作ったです。ところが!これが月ほども遠い。そう、この旅の記録の始まりは、搭乗口の遠さについての搭乗愚痴なのです。A64-A71の搭乗口は本当に大げさでなくて遠いです。ダブリン空港ご利用の際はくれぐれもご注意下さい。


ちなみに、ダブリン空港の悪口は、ここで読めます。さらにRyanairの悪口はここ。このページのTim Broadheadさんのこの月ほども遠い搭乗口についての文句の投稿は必読。ただしどちらも英語です。




まずは、手荷物検査場を抜けて、搭乗口の確認。日ごろbmiだルフトハンザだを使う私は比較的広々として落ち着いているエリアCを使うのだが、今日はRyanair。今回はA66番。臨時の搭乗口がA64から71までなので、見事に一番遠い搭乗口のババクジに当たり




前よりははるかにマシになったものの、未だに垢抜けない免税店をかすめつつ、右に進みます。




免税店を過ぎると何もなくなりますが、とりあえず気にせず進みます。




で、左に折れます。


「A61からA71はここから10分かかります」と書いてますが、これ、本当です。どこの空港もこの手の表示は大げさに書いてあるのが相場ですが、ここは冗談抜きで10分かかります。既存のA61からA63(昔はA17-20と呼ばれていたと思うが記憶があいまい)は5分で行けますが、A64以降の搭乗口のハズレくじをひいたおりにはおとなしくさっさと搭乗口に行くことを強く推奨します。なお、このハズレくじは、どうもRyanairとAer Arannを使ったときのみ引く可能性があるもよう。





向こうの見えないベルトコンベアに乗り…




ベルトコンベアを降りたらようやく通常のエリアAに到着。ここまででも結構遠いのに、まだ全行程の1/3くらいしか来ていないという恐怖。お年寄りとかならここに来るまでにへばってしまいそうな予感。ともあれ、ここから階下(地上階)へ。




で、今まであった3つの搭乗口を抜けたところで、この脱力のプレハブの通路が目に入ります。見えますか?臨時の搭乗口が。この写真の左、ほとんどかすんでます(ちょっとわかりづらいので、クリックすると別ウィンドウで拡大画像にリンクしてます)




はい、その通路の中。突貫工事で作った臨時の搭乗口への渡り廊下にベルトコンベアなどある訳ありません。安っぽい音のする床を一歩一歩かみしめながら歩いてください。




そして苦節徒歩10分、着いた先もこんなトホホな搭乗口。ほとんどBusaras(ダブリンの中央バスステーション)と同レベル。一国の玄関ともいえる、首都の空港がこんなことでいいのか!こんなことで!


で、自由席のRyanairに搭乗。しっかしまあ、最新鋭のヒコーキなのにこの安っぽさは何だ!どっかのページで、エアバス社の工場の人間ができあがった北九州をベースにしたスターフライヤーのヒコーキの美しさにため息をついたという話を読んだけど、この最新鋭のボーイングB737-800、もしエアバスの話がホントなら、ボーイング社の人間は、このRyanairのヒコーキのひどさにため息をついたのではないだろうか


ちなみにこのヒコーキには座関前の荷物入れがありません。「ゴミを片づけるコストをカット」なんだそうな。おかげで読みかけの本をずーっと膝の上に抱えている羽目になりましたが、そんなことは関係ないんでしょうね。くされRyanairさんにとっては。





この安っぽい黄色、安全のしおりは取られないように前の座席に貼りつけ、シートはリクライニングなし、シートピッチはダブリンバスのそれとほとんど変わらない、いやー、ひどい、ひどすぎる。




そんな中、私が行きも帰りもしっかり使ったのが機内中央の非常口席。足元が他に比べるとかなり広いという点でこのヒコーキの数少ない「あたり席」と言える。が、前方、後方の出入り口からちょうど中間点で降りるのが遅くなるということもあってこの席、結構最後まで空いていることが多い気がする。かくして、行きも帰りもこのあたり席を使いました。


この「あたり席」をしても2時間20分は長い!席の材質が悪いのか、ケツが痛くなりなんども体の向きを変える。それでもどうしようもなくなって行きたくもないトイレに立つ。





行きのトイレの中。


…汚い写真で申し訳ありませんが、これがRyanair自慢の最新型のヒコーキB738-800のトイレです。たとえ平均機齢が3年とか業界で最も若くたって手入れができてないんじゃしょうがない気がする。トイレが汚いくらいならガマンするけど、この手入れのいい加減さが、機体整備とかにも現れていたらと思うと怖い。良く見てもらうとわかると思いますが、手洗いのシンク、詰まってます。水がシンクから溢れんばかりになっていて流れませんでした。


ひでーなーと思ったけど、帰りのヒコーキはもっとひどかった。





水が出ない。出るのはドライヤーのように空気だけ。くされRyanairさん、水が流れないなら止めてしまえ!とでも考えたのですか?


Fly Cheaper. Expect Lower – Ryanair.


かくして、バルセロナにまだ着いてないけど、続く。




Snigel |MAILアイルランド真実紀行へ掲示板へ