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Hong Kong Life現在篇
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2009年03月26日(木)
香港國際電影節「不能沒有你」

導演/編劇:戴立忍
演員:陳迎彬、趙祐萱

今年も始まりました香港國際電影節!
台湾の高雄市が舞台の2008年度の映画「不能沒有你」は実話を戴立忍監督が白黒で撮影した作品。言葉の8割は閩南語です。

あらすじ
高雄で潜水夫として船の修理をしている武雄は娘と二人で食べるのが精一杯の貧しい暮らしをしている。
娘は小学校に行く年になったが戸籍が無いため就学できない。武雄は娘の母親と籍を入れておらず、母親は数年前に失踪したまま。役所に戸籍申請に行って初めて母親は別の男性と11年も前に結婚しており、法的には娘は母親とその男性が親権を持つということを知った。実の子でありながら、法的に親権が無いので娘の戸籍を作れず学校にも行かせてやれず、台北で議員をしている同級生に頼んでみることにした。台北まで行き議員の計らいで役所の偉い人を紹介してもらったが、結局は役所をたらいまわしにされ、最終的には娘を児童施設に預けるように言われ、再び議員を尋ねたが今度は誰も相手にしてくれない。さらに総統に訴えようと総統府に行ったら暴徒と間違われ警察に捕まってしまった。打つ手が無くなり娘を連れて陸橋から飛び降り騒ぎを起こし、武雄と娘は引き離されてしまった。。。

白黒で日常の風景を切り取ったような画面が淡々と続きます。話が段々悲惨になって来て、誰も父娘を助けてくれなくて、役所は法律規則で二人を引き離して、見てるのがつらくなってきた。
こんな不幸な話イヤだ〜と思ってたら、話は2年後に飛んで、その間父はあちこちの小学校で娘を探していたが見つからない。実は娘は元気にしているが父と離れてから一言も口をきかなくなっていた。困った福祉職員はついに二人を会わせる事にした。船に乗った父が、船着場の娘にだんだん近づき、二人が見詰め合っているシーンで終わり。あー良かった〜

映画終了後に監督の戴立忍が出てきての質疑応答がありました。通訳付きですが、質問のほとんどが北京語で通訳は英語。(ひぇー)
私のつたない語学力で聞き取れた話では、本物の父娘は今は一緒に暮らしていて、映画のプレミアに招待したそうです。本当に良かった〜
ほぼ実話ながら唯一手を加えたのは父親の仕事を潜水夫にしたこと。実際も船の修理員だけど、水の中ではないらしい。
白黒にしたのは、カラーにすると余計な飾りになると思ったから、カメラマンは広告を撮っている人だとか。
数々の映画の監督のみならず、自らも実力派俳優として「白色巨塔」等にも出演している戴立忍は、物静かな印象で質問の一つ一つに丁寧に答えていました。むちゃくちゃ頭良さそうな感じ。
時間の都合で終了後は映画館のロビーでも質疑応答は続き、観客の質問に身振り手振りを入れて答えていました。いや、やっぱ近くで見るとカッコイイです!
サインにも気軽に応じていたので、どさくさにまぎれてチケットにサインしてもらっちゃいました♪(上写真)

映画終了後に前に出て質疑応答中、左女性は通訳さん


ロビーで観客の質問に対応中
この人西洋人だけど北京語ペラペラ!