雲間の朝日に想うこと


< 時の刻みに逆らえませんか >


今、
其の時は。

今後、
一度たりとも手に入れられぬから。


貴重な一瞬を。

丁寧に、
丁寧に、
想い続けるのだけれど。




悠久の、
時の流れから、
較べれば。

一生など、
微々たる物で。



今、
其の時など。

刹那にも満たぬ、
取るに足らぬ存在なのだ。









其れ故に。




形創られた、
穏やかな流れの中で。



一瞬に、
乱れぬ様に。

一瞬に、
惑わぬ様に。



想いを、
紡ぎ続ける筈なのに。








何故に其の一瞬を待てぬのだ。













もう少しだったのに。


九十三年と言う、
時の長さからすれば。

三ヶ月半など、
曾孫を抱く迄の時など、
刹那にも満たない筈なのに。



其の、
刹那の猶予は。

俺に、
注がなかった。











 「行ってらっしゃい♪」
 「寂しいだろうけど。」
 「おじいちゃんの顔やきつけてお別れして来てね。」



俺を笑顔で送り出す、
姫こそ。

何時か逢いたいと希った、
其の対象を、
喪失して終ったのにね。


2005年11月05日(土)


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2004年11月05日(金) 護る事も愛情で良いのでしょうか
2003年11月05日(水) 強さが本質でしょうか
2002年11月05日(火) 宿題を出して良いですか





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