雲間の朝日に想うこと


< 寒さは不安を上回るでしょうか >


手を伸ばした、
其の理由は。

確かに、
暖を提供する為の行為で。


直接的には、
決して、
想いでは無いかも知れないけれど。




冷えた手を、
握った手を。

包む様に、
暖める事が。


想いでは無いと、
言い切れるのだろうか。











色づき始めた木々と、
白い息。

季節が始めた、
大慌ての冬支度に、
耐え切れず。


 「何で握ってくれないの?」
 「私と手を繋いで歩くの、嫌なんでしょう!」


歩道の真ん中で、
姫は叫んだ。








先に、
其の手を振り解いたのは。

俺では無いのに。





俺から、
態態、
振り解いた手を。

胸の前に半端に掲げ、
不満を口にする。














お互いが、
少しでも触れて居ないと。

此処迄、
不安に成るなんて。


もしかして、
何処かで道を誤ったのだろうか。













 「私が何の為に。」
 「小坊主と付き合ってると思ってるのよ!」

 「・・・。」
 「暖かいから?」

 「そうでしょ!」



暖かさを理由に。

姫は、
不安を、
必死に掻き消して居る。


2004年10月29日(金)


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2003年10月29日(水) 求める物は何れの物ですか





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