雲間の朝日に想うこと


< 軍配の要らぬ勝負でしたか >


擦れ擦れの間隙で、
誘いを仕掛け。

踏み留まり。


まるで誘われたかの如く、
振る舞う事で。

相手を誘う。



 「意地張らなければ良いのに。」

 「小坊主こそ。」



誘いに乗らぬ相手の、
懸命な姿に。

決して負けぬと、
想いを新たに築き直す。







僅か数粍。



力尽くで
相手を引き寄せれば。

届く距離。



けれども。

決して自らは、
踏み込んではならぬ距離。














 「キスするのやめる?」
 「我慢出来る?」


姫の、
挑戦的な其の態度に。


 「良いよ。」
 「本当に姫は我慢出来んの?」


俺は、
旗幟を鮮明にしたから。




懸命に、
我慢をしようと。

意地でも、
妥協を許さずに。


姫の、
根負けと、
吠え面を、
楽しみにして。




自身を律して、
一日を過ごして来たけれど。











風呂の中で。

何方からとも無く、
重ねた唇の、
結末は。











 「嬉しい?」


嬉しそうに尻尾を振る、
姫の笑顔でした。





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References
 May.17 2004, 「何の為の化粧ですか」
 Feb.01 2004, 「弄ぶ口付けを楽しめませんか」


2004年05月18日(火)


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History
2002年05月18日(土) 俺を見ていたのですか





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